ORIGIN — COUNTRY / COFFEE

フィリピン

PHILIPPINES

東南アジアの島国で、ロブスタを中心に、アラビカ・エクセルサ・リベリカの4種を産する。国内の消費が生産を大きく上回り、棚には地域名・品種名・精製法を並べた生豆の商品名が出る。

事実

事実出典階層
フィリピンのコーヒー生産量は 2025/26 年度に 45 万袋(ロブスタ 42.5 万、アラビカ 2.5 万)と米国農務省は推計する。apps.fas.usda.govL1
フィリピンのコーヒー生産は 2015 年に 3 万 6171 トン(生豆)で、ロブスタ 69%、アラビカ 24%、エクセルサ 6%、リベリカ 1% だった。da.gov.phL1
フィリピンのリベリカ(カペン・バラコ)の 2015 年の主産地は西ビサヤ地域と ARMM で、エクセルサは ARMM とダバオ地域が主産地だった。da.gov.phL1
フィリピンのカラバルソン地域のコーヒー栽培面積は 2015 年に 1 万 3409ha で、全国 4 位だった。da.gov.phL1
フィリピンのアラビカは主に標高約 1000m 以上の高地で栽培され、高値で売られる。da.gov.phL1
フィリピンのロブスタとアラビカの 2015 年の主産地は、ダバオ地域と SOCCSKSARGEN だった。da.gov.phL1
フィリピンのコーヒーの国内消費(生豆換算)は 2000 年度の 90 万袋から 2015 年度に 621 万袋へ増え、2025 年度は 652.5 万袋と推計される。apps.fas.usda.govL1
フィリピンのコーヒー生産量は 1990 年度の 97 万袋から 2000 年度に 74.5 万袋、2015 年度に 42.5 万袋へ減った。apps.fas.usda.govL1
フィリピンのコーヒー輸入は 2025 年度に 607.5 万袋と推計され、うちインスタント(ソリュブル)が 550 万袋、生豆が 57.5 万袋を占める。apps.fas.usda.govL1
フィリピンの 2025 年度の国内消費 652.5 万袋のうち、インスタントは 615 万袋、ロースト&グラウンドは 37.5 万袋と推計される。apps.fas.usda.govL1
フィリピンのコーヒー農家は約 27.6 万戸、樹は約 7,940 万本で、農家の規模の中央値は 1〜2ha とされる。da.gov.phL1
フィリピンの 2015 年の結実樹は全国で約 7,744 万本。地域別は SOCCSKSARGEN、ダバオ、カラバルソン、ARMM の順に多く、CAR は約 446 万本だった。da.gov.phL1
フィリピンのコーヒーの栽培面積は 2015 年にロブスタ 85,683ha(75%)、アラビカ 18,768ha(15%)、エクセルサ 8,007ha、リベリカ 1,280ha だった。da.gov.phL1
フィリピンのコーヒー栽培面積を 2012 年の統計でみると、SOCCSKSARGEN、ダバオ、ARMM、カラバルソン、北ミンダナオの順に大きい。philcoffeeboard.comL2
フィリピンのカビテ州の標本では、リベリカ(バラコ)とエクセルサは C. liberica の 2 変種で、葉緑体の matK・rbcL 配列は同じだが、葉の形態で区別できた。scienggj.orgL2
1902 年にバタンガスでリベリカが植えられていた面積は 145ha にとどまった。saliksik.upd.edu.phL2
リベリカは低い標高での栽培に向き、干ばつと線虫に比較的強いと、1920 年代の農業資料を引く歴史研究に書かれている。saliksik.upd.edu.phL2
リベリカの最初の植え付けは、カビテのアマデオで 1876 年とする資料と、バタンガスのサンホセで 1891 年とする資料に分かれる。saliksik.upd.edu.phL2
フィリピンのコーヒー輸出は 1818 年に初めて記録され(約 2 万 kg)、1841 年に約 29.9 万 kg、1854 年に約 85.3 万 kg へ増えた。saliksik.upd.edu.phL2
フィリピンのコーヒー輸出量は 1860 年の約 90.5 万 kg から 1882 年に約 560 万 kg へ増え、1883 年に約 762 万 kg でピークとなった。saliksik.upd.edu.phL2
バタンガスは 1870 年代の統計で、コーヒーの栽培面積(20,522ha)が主要産地の州の中で最大だった。saliksik.upd.edu.phL2
フィリピンのコーヒー輸出は 1889 年の約 622 万 kg から 1893 年に約 29 万 kg へ急減し、金額も約 247 万ペソから約 17 万ペソに落ちた。saliksik.upd.edu.phL2
バタンガスのコーヒーは 1889 年に害虫(ゾウムシ類など)で弱り、さび病がフィリピンに達した 1890 年以降に壊滅的な打撃を受けた。saliksik.upd.edu.phL2
リパ(バタンガス)へのコーヒーの伝来は 1740 年説、1784 年説、1814 年説に分かれ、いずれも決め手となる記録に乏しい。saliksik.upd.edu.phL2
1950 年代に政府が米国の支援でより抵抗性のある品種を導入し、インスタントコーヒーの需要もあって、1960 年代に多くの農家が栽培に戻った。philcoffeeboard.comL2
2017〜2022 年の振興計画は、栽培面積を 2017 年の約 14.1 万 ha から 2022 年に約 21.4 万 ha、生産を約 4.4 万 t から約 21.5 万 t へ増やす目標を置いた。da.gov.phL1
2017〜2022 年の振興計画は、収量を 1ha あたり 0.31t から 1.00t へ、国内の自給率を 41.6% から 160.2% に高める目標を置いた。da.gov.phL1
改定された振興計画は 2021〜2040 年を短期・中期・長期に分け、1 本の樹あたりの乾燥果の収量を 0.8kg から 2kg に高める目標を置く。pcaf.da.gov.phL1
改定された振興計画は、国内市場の成長を種ごとに年率でアラビカ 5%、ロブスタ・リベリカ・エクセルサ各 10% と見込む。pcaf.da.gov.phL1
振興計画は、国内生産の減少の要因に、他作物への転換、老木の更新不足、農法の知識不足、認証苗と融資の不足を挙げる。da.gov.phL1
フィリピン北部コルディリェラ行政地域のアラビカ産地は標高 1,000〜1,800m にあり、ブルボン(赤・黄)、ティピカ、ムンドノーボ、カトゥーラが栽培される。philcoffeeboard.comL2
フィリピン南部ミンダナオの産地の標高は 700m から 1,200m 超とされ、ミソール、ティピカ、SV-2006、カティモールなどの品種が挙げられる。philcoffeeboard.comL2
フィリピンのカラバルソン地域(バタンガス・カビテなど)のコーヒー産地は標高 300〜500m で、ロブスタ、エクセルサ、リベリカが栽培される。philcoffeeboard.comL2
フィリピンのビサヤ地方(ボホール・ネグロスなど)のコーヒー産地は標高 500〜1,000m で、アラビカとロブスタが栽培される。philcoffeeboard.comL2
フィリピン・コーヒー委員会の第 1 回カップ品質競技会(2017 年 3 月、カビテ州立大学)は、アラビカとロブスタを採点する公式部門とし、リベリカとエクセルサは採点なしの非公式部門だった。philcoffeeboard.comL2
カップ品質競技会(2017 年)の規則は、出品を生豆 5kg・含水率 9〜11% とし、先着 110 点を受け付け、アラビカとロブスタの上位各 10 点を決勝に進めた。philcoffeeboard.comL2
Philippine Coffee Quality Competition の前段として、北ミンダナオで 2023 年 3 月に第 1 回の地域コーヒー評価が開かれ、4 日間で Q グレーディングと焙煎・カッピングを行った。cagayandeoro.da.gov.phL1
日本のフィリピン産コーヒー生豆(品目 0901.11)の輸入は年に数トンで、2020 年 6,050kg、2022 年 2,150kg、2025 年 3,577kg だった。coffee.ajca.or.jpL1
日本が輸入したフィリピン産コーヒー生豆の単価は、2020 年の 1kg あたり 1,094 円から 2025 年に 2,389 円へ上がった。coffee.ajca.or.jpL1

百科

位置と産地

フィリピンのコーヒーは、ロブスタ・アラビカ・エクセルサ・リベリカの4種が栽培される。2015年の生産は生豆で3万6171トンで、ロブスタが69%、アラビカが24%、エクセルサが6%、リベリカが1%だった。栽培面積は同じ2015年に、ロブスタが85,683ha(75%)、アラビカが18,768ha(15%)、エクセルサが8,007ha、リベリカが1,280haだった。

2025/26年度の生産量は45万袋(ロブスタ42.5万袋、アラビカ2.5万袋)と推計される。

ロブスタとアラビカの2015年の主産地は、ダバオ地域とSOCCSKSARGEN地域だった。リベリカ(カペン・バラコ)の主産地は西ビサヤ地域とARMMで、エクセルサの主産地はARMMとダバオ地域だった。カラバルソン地域の栽培面積は2015年に1万3409haで、全国4位だった。栽培面積を2012年の統計でみると、SOCCSKSARGEN、ダバオ、ARMM、カラバルソン、北ミンダナオの順に大きいとされる。

農家は約27.6万戸、樹は約7,940万本で、農家の規模の中央値は1〜2haとされる。2015年の結実樹は全国で約7,744万本で、地域別にはSOCCSKSARGEN、ダバオ、カラバルソン、ARMMの順に多く、コルディリェラ行政地域(CAR)は約446万本だった。

標高と地域ごとの種

アラビカは主に標高約1,000m以上の高地で栽培され、高値で売られる。地域ごとの産地は次のように整理される。

  • 北部のコルディリェラ行政地域のアラビカ産地は標高1,000〜1,800mにあり、ブルボン(赤・黄)、ティピカ、ムンドノーボ、カトゥーラが栽培されるとされる。ベンゲットはこの地域に含まれる。
  • 南部ミンダナオの産地は標高700mから1,200m超とされ、ミソール、ティピカ、SV-2006、カティモールなどの品種が挙げられる。ブキドノンはミンダナオにある。
  • カラバルソン地域(バタンガス・カビテなど)の産地は標高300〜500mで、ロブスタ、エクセルサ、リベリカが栽培されるとされる。
  • ビサヤ地方(ボホール・ネグロスなど)の産地は標高500〜1,000mで、アラビカとロブスタが栽培されるとされる。

リベリカとエクセルサ

カビテ州の標本では、リベリカ(バラコ)とエクセルサは C. liberica の2変種で、葉緑体の matK・rbcL 配列は同じだが、葉の形態で区別できた(2014年)。

リベリカは低い標高での栽培に向き、干ばつと線虫に比較的強いと、1920年代の農業資料を引く歴史研究に書かれているとされる。

歴史

フィリピンのコーヒーの歴史は、伝来の時期をめぐって資料が割れる。リパ(バタンガス)への伝来は1740年説、1784年説、1814年説に分かれ、いずれも決め手となる記録に乏しい。リベリカの最初の植え付けも、カビテのアマデオで1876年とする資料と、バタンガスのサンホセで1891年とする資料に分かれる。なお、1902年にバタンガスでリベリカが植えられていた面積は145haにとどまった。

輸出は1818年に初めて記録され(約2万kg)、1841年に約29.9万kg、1854年に約85.3万kgへ増えた。1860年の約90.5万kgから1882年に約560万kgへ増え、1883年に約762万kgでピークとなった。バタンガスは1870年代の統計で、コーヒーの栽培面積(20,522ha)が主要産地の州の中で最大だった。

その後、バタンガスのコーヒーは1889年に害虫(ゾウムシ類など)で弱り、さび病がフィリピンに達した1890年以降に壊滅的な打撃を受けた。輸出は1889年の約622万kgから1893年に約29万kgへ急減し、金額も約247万ペソから約17万ペソに落ちた。

1950年代には政府が米国の支援でより抵抗性のある品種を導入し、インスタントコーヒーの需要もあって、1960年代に多くの農家が栽培に戻ったとされる。

生産量の推移と国内消費

生産量は1990年度の97万袋から、2000年度に74.5万袋、2015年度に42.5万袋へ減った。一方、国内消費(生豆換算)は2000年度の90万袋から2015年度に621万袋へ増え、2025年度は652.5万袋と推計される。

2025年度の国内消費652.5万袋の内訳は、インスタントが615万袋、ロースト&グラウンドが37.5万袋と推計される。輸入は同年度に607.5万袋と推計され、うちインスタント(ソリュブル)が550万袋、生豆が57.5万袋を占める。国内の生産は消費の一部にとどまり、輸入が大きな比重を占める。

振興計画

2017〜2022年の振興計画の目標は、栽培面積を2017年の約14.1万haから2022年に約21.4万haへ、生産を約4.4万tから約21.5万tへ増やすことだった。あわせて、収量を1haあたり0.31tから1.00tへ、国内の自給率を41.6%から160.2%に高める目標が置かれた。

同計画(2017年)では、国内生産の減少の要因として、他作物への転換、老木の更新不足、農法の知識不足、認証苗と融資の不足が挙がっている。

改定された振興計画は2021〜2040年を短期・中期・長期に分け、1本の樹あたりの乾燥果の収量を0.8kgから2kgに高める目標を置く。国内市場の成長は、種ごとに年率でアラビカ5%、ロブスタ・リベリカ・エクセルサ各10%と見込まれている。

品質競技会

フィリピン・コーヒー委員会の第1回カップ品質競技会(2017年3月、カビテ州立大学)は、アラビカとロブスタを採点する公式部門とし、リベリカとエクセルサは採点なしの非公式部門だった。規則は、出品を生豆5kg・含水率9〜11%とし、先着110点を受け付け、アラビカとロブスタの上位各10点を決勝に進めた。

前段として、北ミンダナオで2023年3月に第1回の地域コーヒー評価が開かれ、4日間でQグレーディングと焙煎・カッピングを行った。

日本への輸入

日本のフィリピン産コーヒー生豆(品目0901.11)の輸入は年に数トンで、2020年6,050kg、2022年2,150kg、2025年3,577kgだった。輸入単価は2020年の1kgあたり1,094円から2025年に2,389円へ上がった。

買い方の手引き

棚での見え方

2026年10月2日時点の観測では、フィリピン産は8件・2店です。内訳は生豆7件、焙煎サービス1件で、焙煎済みの豆はありません。生豆の100gあたりの中央値は810円です。精製の欄に値があるのはナチュラル3件、ウォッシュト1件で、店の説明文に出る風味の系統は数えられる件数がありません。

商品名の型は、「フィリピン」の後に生産者名・地域名・品種名・精製法を並べる形が中心です。観測した例では、地域名にベンゲットやブキドノンが出ます。品種名はカティモール、ティピカ&ブルボン、「カラサンスイート」といった名が付き、精製は「ナチュラル」「ウォッシュ」「ミックスプロセス」と書かれます。たとえば「フィリピン ○○ ブキドノン 品種名 ミックスプロセス」のように、固有の生産者名を除けば同じ型になります。「2024/2025」のように収穫年度を山括弧で添える例、「限定品」「生豆限定」と注記する例、「(生豆1kgパック)」「(生豆時100g)」と形態や量を括弧で添える例があります。

日本の輸入統計では、フィリピン産の生豆(品目0901.11)は年に数トンの規模で、2020年6,050kg、2022年2,150kg、2025年3,577kgでした。

観測

コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。

観測した商品

9銘柄 / 2店 / 在庫あり 3