ORIGIN — COUNTRY / TEA

知覧

知覧茶 / かごしま知覧茶 / CHIRAN

鹿児島県南九州市で作られる茶の銘柄名。旧頴娃・知覧・川辺の3つの銘柄が「知覧茶」に統一されたため、商品名の「知覧」は南九州市の茶全体を指す。品種名と製法名が並ぶ名前が多い。

事実

事実出典階層
「かごしま知覧茶」と「知覧茶」は、いずれも特許庁の地域団体商標登録案件一覧に鹿児島県の登録案件として載っている。jpo.go.jpL1
「かごしま知覧茶」は、2006年12月8日に南さつま農業協同組合を権利者として地域団体商標に登録された。syouhyou-touroku.or.jpL3
知覧茶は地理的表示(GI)保護制度の登録産品ではない。令和8年7月10日現在の登録産品一覧の鹿児島県の項に茶は無い。maff.go.jpL1
知覧茶の産地である南九州市は、山と海により形成された丘陵地帯が広がり、寒暖差による霧が多い。city.minamikyushu.lg.jpL1
知覧茶の産地である南九州市の土壌は、カルデラの火山灰が堆積していて水はけがよく、ミネラルが豊富に含まれる。city.minamikyushu.lg.jpL1
南九州市の茶の令和7年度の実績は、栽培面積3,371ha、荒茶生産量14,542t、荒茶生産額288億3,233万円である。city.minamikyushu.lg.jpL1
南九州市の茶の銘柄は、旧頴娃・知覧・川辺の3町それぞれの銘柄から、平成29年(2017年)4月に「知覧茶」へ統一された。city.minamikyushu.lg.jpL1
鹿児島県の令和6年度荒茶生産量では、南九州市が12,970t(県の48%)で1位、志布志市が4,203t(15.6%)で2位である。ocha-kagoshima.jpL2
南九州市の茶園では、ゆたかみどり・やぶきた・さえみどり・あさつゆの4品種で植栽品種の約8割を占め、ほかに20種類以上が栽培されている。city.minamikyushu.lg.jpL1
鹿児島県の新茶は4月上旬から始まり、種子島の西之表市・南種子町では3月末ごろから走り新茶の入荷が始まる。kagoshima-cha.or.jpL2
全国で栽培される茶の約7割を「やぶきた」が占めるのに対し、鹿児島県では約3割にとどまり、多様な品種が栽培されている。kagoshima-cha.or.jpL2
南九州市域の茶の栽培は、旧頴娃地域で1836年に都城から持ち帰った種子を播いたのが始まりとされ、旧川辺地域では1659年に生産が始まった。city.minamikyushu.lg.jpL1
南九州市域の茶は、戦時中に不急作物として抜根されて激減し、戦後は紅茶の栽培で持ち直し、貿易自由化を機に紅茶から緑茶へ転換した。city.minamikyushu.lg.jpL1
南九州市域の茶業は大正時代の機械化で一大産業に発展し、旧川辺地域では1896年に鹿児島県内で初めて製茶機械が導入された。city.minamikyushu.lg.jpL1
南九州市の令和7年度の茶種別生産量は、煎茶(深蒸し煎茶)6,917.3t、番茶4,897.0t、碾茶1,653.8t、紅茶99.4t、かぶせ茶4.0tなどである。city.minamikyushu.lg.jpL1
知覧茶の深蒸し製法の蒸し時間は約60〜120秒で、通常の30〜40秒程度より長い。city.minamikyushu.lg.jpL1
知覧茶の産地では、新芽の摘採前に1〜2週間ほど黒い布で茶を覆って日光を遮る被覆栽培が行われている。city.minamikyushu.lg.jpL1
鹿児島県の茶園は、傾斜度0〜5度の平坦茶園の割合が99.6%で、全国平均の52.3%を大きく上回る(平成30年版茶関係資料)。kagoshima-cha.or.jpL2
鹿児島県茶市場(昭和47年設立)の県内取引は入札を基本に全量見本取引で行われ、市場手数料は取引金額の3%である。ocha-kagoshima.jpL2
鹿児島県茶市場の県内取引の買受人は、県茶商業協同組合の組合員で県茶業会議所が認めたものに限られる(令和4年4月現在22社)。ocha-kagoshima.jpL2
南九州市は全国茶品評会の産地賞を、合併前の旧町での受賞を含め、これまでに 30 回受賞している(市の集計)。city.minamikyushu.lg.jpL1
第80回全国茶品評会(令和8年8月25〜28日・佐賀県)の普通煎茶10キログラムの部で、南九州市は産地賞を2年ぶりに受賞した。city.minamikyushu.lg.jpL1
南九州市の新茶(一番茶)は4月上旬ごろから摘採が始まり、ほぼ100%の茶畑で被覆が行われる。city.minamikyushu.lg.jpL1
知覧茶の二番茶の収穫は5月下旬から6月中下旬で、一番茶の収穫後およそ45日で行われる。city.minamikyushu.lg.jpL1
南九州市では、三番茶・四番茶を7月から8月中旬ごろ、秋冬番茶を9月下旬から10月下旬ごろに収穫する。city.minamikyushu.lg.jpL1
南九州市の茶工場数は、市の茶業統計で令和5年度版が100、令和6年度版が93(令和6年3月現在)、令和7年度版が91(令和8年3月現在)である。web.archive.orgL1
南九州市の茶の栽培戸数は、市の茶業統計で令和5年度562戸、令和6年度543戸、令和7年度476戸と減っている。web.archive.orgL1
南九州市の碾茶の生産量は、令和5年度の473tから令和6年度に871.8t、令和7年度に1,653.8tへ増えた。web.archive.orgL1
碾茶は、新芽を3週間程度被覆して栽培した茶葉を蒸し、揉まずに碾茶炉等で乾燥させた茶で、茶臼で挽いたものが抹茶になる。city.minamikyushu.lg.jpL1
全国の碾茶の生産量は2024年に5,336tで5年間に5割増え、鹿児島県が生産の4割を占める。nochuri.co.jpL2
静岡・鹿児島・三重・京都・埼玉の強い農業づくり交付金などの活用実績では、茶の加工施設等のうち碾茶関連が近年は多い。nochuri.co.jpL2
令和7年の県別の有機JASほ場(茶畑)の面積割合は、鹿児島県が52%、静岡県が18%、宮崎県が13%である。maff.go.jpL1
農林水産省が認定した茶のフラッグシップ輸出産地12産地には、鹿児島県経済農業協同組合連合会(鹿児島県)が含まれる。maff.go.jpL1

百科

位置と産地

知覧茶は鹿児島県南九州市で栽培される緑茶で、県内の茶の産地の一つである。南九州市は山と海により形成された丘陵地帯が広がり、寒暖差による霧が多い。土壌はカルデラの火山灰が堆積していて水はけがよく、ミネラルが豊富に含まれる。鹿児島県の茶園は傾斜度0〜5度の平坦茶園の割合が99.6%で、全国平均の52.3%を大きく上回る(平成30年版茶関係資料)。

鹿児島県茶生産協会の産地紹介は南九州市・霧島市・志布志市・枕崎市等の市町村単位で構成され、知覧・頴娃・溝辺・有明という地区名の個別ページは無い。『荒茶生産量ベスト10(令和7年)』では南九州市48.5%・志布志市15.1%・霧島市7.8%・枕崎市6.2%等となっている。令和6年度の荒茶生産量は、南九州市が12,970t(県の48%)で1位、志布志市が4,203t(15.6%)で2位である。

生産と品種

南九州市の茶の令和7年度の実績は、栽培面積3,371ha、荒茶生産量14,542t、荒茶生産額288億3,233万円である。茶園ではゆたかみどり・やぶきた・さえみどり・あさつゆの4品種で植栽品種の約8割を占め、ほかに20種類以上が栽培されている。全国で栽培される茶の約7割を「やぶきた」が占めるのに対し、鹿児島県では約3割にとどまり、多様な品種が栽培されている。

令和7年度の茶種別生産量は、煎茶(深蒸し煎茶)6,917.3t、番茶4,897.0t、碾茶1,653.8t、紅茶99.4t、かぶせ茶4.0tなどである。市の茶業統計では、茶工場数が令和5年度版で100、令和6年度版で93(令和6年3月現在)、令和7年度版で91(令和8年3月現在)、栽培戸数が令和5年度562戸、令和6年度543戸、令和7年度476戸と減っている。

製法と碾茶

知覧茶の深蒸し製法の蒸し時間は約60〜120秒で、通常の30〜40秒程度より長い。産地では、新芽の摘採前に1〜2週間ほど黒い布で茶を覆って日光を遮る被覆栽培が行われており、一番茶ではほぼ100%の茶畑で被覆が行われる。

碾茶は、新芽を3週間程度被覆して栽培した茶葉を蒸し、揉まずに碾茶炉等で乾燥させた茶で、茶臼で挽いたものが抹茶になる。南九州市の碾茶の生産量は、令和5年度の473tから令和6年度に871.8t、令和7年度に1,653.8tへ増えた。全国の碾茶の生産量は2024年に5,336tで5年間に5割増え、鹿児島県が生産の4割を占める。静岡・鹿児島・三重・京都・埼玉の強い農業づくり交付金などの活用実績では、茶の加工施設等のうち碾茶関連が近年は多い。

収穫期

鹿児島県の新茶は4月上旬から始まり、種子島の西之表市・南種子町では3月末ごろから走り新茶の入荷が始まる。南九州市の新茶(一番茶)は4月上旬ごろから摘採が始まる。知覧茶の二番茶の収穫は5月下旬から6月中下旬で、一番茶の収穫後およそ45日で行われる。三番茶・四番茶は7月から8月中旬ごろ、秋冬番茶は9月下旬から10月下旬ごろに収穫する。

歴史

知覧には、鎌倉時代に平家の落人が北部山間地「手蓑」で茶栽培を始めたという伝承がある。1872年(明治5年)に島津氏の払下げの山野を開墾したことが、知覧の茶栽培の始まりとされる。

南九州市域の茶の栽培は、旧頴娃地域で1836年に都城から持ち帰った種子を播いたのが始まりとされ、旧川辺地域では1659年に生産が始まった。茶業は大正時代の機械化で一大産業に発展し、旧川辺地域では1896年に鹿児島県内で初めて製茶機械が導入された。戦時中に不急作物として抜根されて激減し、戦後は紅茶の栽培で持ち直し、貿易自由化を機に紅茶から緑茶へ転換した。

銘柄の統一と表示

南九州市では「知覧茶」「川辺茶」「頴娃茶」の3銘柄が並立していたが、旧頴娃・知覧・川辺の3町それぞれの銘柄から、平成29年(2017年)4月に「知覧茶」へ統一された。

「かごしま知覧茶」と「知覧茶」は、いずれも特許庁の地域団体商標登録案件一覧に鹿児島県の登録案件として載っている。「かごしま知覧茶」は、2006年12月8日に南さつま農業協同組合を権利者として地域団体商標に登録された。一方、知覧茶は地理的表示(GI)保護制度の登録産品ではない。令和8年7月10日現在の登録産品一覧の鹿児島県の項に茶は無い。

品評会と取引の仕組み

南九州市は全国茶品評会の産地賞を、合併前の旧町での受賞を含め、これまでに30回受賞している(市の集計)。第80回全国茶品評会(令和8年8月25〜28日・佐賀県)の普通煎茶10キログラムの部では、産地賞を2年ぶりに受賞した。

鹿児島県茶市場(昭和47年設立)の県内取引は入札を基本に全量見本取引で行われ、市場手数料は取引金額の3%である。県内取引の買受人は、県茶商業協同組合の組合員で県茶業会議所が認めたものに限られる(令和4年4月現在22社)。

有機と輸出

令和7年の県別の有機JASほ場(茶畑)の面積割合は、鹿児島県が52%、静岡県が18%、宮崎県が13%である。農林水産省が認定した茶のフラッグシップ輸出産地12産地には、鹿児島県経済農業協同組合連合会(鹿児島県)が含まれる。

買い方の手引き

棚での見え方

2026-10-02 の観測では、産地を知覧とする茶葉は 91 件、扱う店は 15 店です。茶種の欄が緑茶の商品は 76 件です。摘み取りの時期の欄が「新茶」の商品は 8 件で、等級の欄が付いた商品はありません。100g あたりに換算した価格の中央値は 4,563 円です。店の説明文から取り出せた風味の系統の語はありません。

商品名の型

商品名は「年号+新茶+品種名+産地名+製法名」の順に並ぶ型が見られます。たとえば「2026年 新茶 あさつゆ -鹿児島知覧-深蒸し煎茶-」のように、品種(あさつゆ・さえみどり)と製法(深蒸し煎茶)が名前の中に入ります。「知覧茶」「知覧さえみどり」のように、産地名に品種名が続く型もあります。一方で、ティーバッグ、飲み比べのセット、ほうじ茶、有機JAS認証をうたう商品、ほかの産地の茶と合わせたギフトセットも「知覧」の名で並びます。同じ産地名でも、単一品種の缶と複数産地のセットでは中身の性格が違うので、内容量と構成を商品名で確かめてください。

産地名の読み方

棚の商品名には「鹿児島知覧」「知覧茶」「南九州市産」「かごしま茶」「ちらん茶」の表記が混ざります。旧頴娃・川辺の茶も 2017 年から「知覧茶」の名で出るため、棚の「知覧」は旧知覧町の茶に限りません。「かごしま知覧茶」は地域団体商標の名称です。地理的表示(GI)の登録産品ではないので、商品名に「知覧」とあることと、産地の基準を満たすことは同じ意味ではありません。

観測

コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。

茶種の内訳

緑茶73

観測した商品

86銘柄 / 10店 / 在庫あり 69 / 100g中央値 ¥2,592

ほか56銘柄。