ORIGIN — COUNTRY / TEA

ニルギリ

NILGIRI / ニルギリ茶

インド南部、タミル・ナードゥ州ニルギリ県の紅茶。地理的表示「Nilgiri (Orthodox)」が登録され、標章は登録茶園の茶に付く。商品名には茶園名と等級記号、年号が並ぶ。

百科

位置と地形

NILGIRI (Orthodox) 茶の産地であるニルギリ県は、インド南部のタミル・ナードゥ州にある。ニルギリはインドの茶の生産地域の一つである。県の標高は海抜1,000mから2,636mの範囲にある。茶園はクーヌール・クンダー・ウダガマンダラム・コータギリの4タルクの内にあり、いずれも海抜1,500mを超える標高の急斜面にあって、斜面が降水の自然排水を担う。

ニルギリ県の年降水量は平均1,100〜1,900mmとされる。県内のクーヌール区域は標高4,000〜6,000フィート、年降水量1,200〜1,500mm、冬の気温0〜15℃で、12月と1月に軽い地霜がある。ニルギリ高原の標高1,800m超では放射霜が茶の毎年の被害要因で、霜の可能性がある期間は10月第3週から4月第2週のおよそ6か月である(1978年の報告)。

生産の規模

ニルギリ県の茶の作付面積は56,320ha(2014-15)で、県の主要作物の作付面積の77.82%を占める最大の作物である。タミル・ナードゥ州の茶園面積は63,912.85haで、組織部門129茶園29,503.85ha、小規模茶農家46,481戸34,409haの内訳である(2022年3月末)。

2022年(暦年)の茶の生産量は、タミル・ナードゥ州が159.10百万kg、南インドが231.99百万kg、インド全体が1,365.34百万kgだった。南インドの2022年の生産量は、CTCが181.97、オーソドックスが43.79、グリーンが6.23(百万kg)で、合計は231.99百万kgだった。

収穫期

ニルギリの茶産地では、12月から3月の冬の時期が「クオリティシーズン」と呼ばれる。ウインタープラック(冬摘み)は、12月から2月ごろの厳しい霜が降りる時期に摘まれる茶を指すとされる。

地理的表示と標章

「Nilgiri (Orthodox)」はインドの地理的表示(GI)に登録されており、証明書番号は100、証明書の日付は2008年12月8日(出願番号116、第30類)である。出願人はTea Board(インド紅茶局)で、出願日は2007年11月19日、登録の有効期限は2027年11月18日。「NILGIRI (Orthodox)」の標章には、ロゴが出願番号2332495、文字(word)が出願番号2332496のインド出願(いずれも2012年5月16日付)がある。

標章を付けられるのは、登録された域内の茶園で栽培され、域内の工場で加工され、Tea Boardが行わせる鑑定人の試飲で規定の香味と判定された茶である。標章は原則として単一の登録茶園の茶100%に使われ、複数茶園の茶の混合は包装に「blend」と明示する場合に限られる。この茶を産する茶園は、ニルギリ県内の4タルクにわたり41ある。

Tea Boardは、Nilgiri Orthodox(文字とロゴ)とNilgiri(ロゴ)の標章を、使用を認めている自らの標章として挙げている(2019年8月31日付)。また、ダージリン・アッサム・ニルギリの茶名の不正な使用を見つけて対処するため、監視を行う代理機関を任命している。

競売と取引

ニルギリ県クーヌールの茶の競売は、クーヌール茶取引協会(Coonoor Tea Trade Association)が主催する。クーヌール競売所の2019-20年度の取扱量は、CTCが53,361千kg(平均83.49ルピー/kg)、オーソドックスが4,320千kg(同107.68)だった。タミル・ナードゥ州産の同年度の競売取扱量は、CTCが94,207千kg、オーソドックスが7,791千kg、全茶種で102,000千kgだった。

2019-20年度の競売の全茶種の平均価格は、クーヌールが85.30ルピー/kg(取扱57,681千kg)で、コーチン119.12、コインバトール96.11、全インド137.65だった。2022-23年度の全茶種の競売平均価格は、南インドが115.43ルピー/kg、北インドが200.91、全インドが180.14だった。

南インドの茶の輸出は、2024-25年度(4〜3月・確定)に96.68百万kg、2,342.46クロール・ルピーで、全インドは257.88百万kgだった。南インドの輸出量は、2023-24年度の101.68百万kgから2024-25年度の96.68百万kgへ4.92%減った。

小規模茶農家と工場

インドの小規模茶農家は当初ニルギリ県に限られ、県内には協同組合所有の茶工場が17あり、1965年設立の連合組織INDCOSERVEの傘下にある(2011年時点)。ニルギリの小規模茶農家は、生葉を協同組合工場に売る義務はなく、民間の工場に売ることを好む例も多い(2011年時点)。インドで買葉工場(Bought Leaf factory)と呼ばれるのは、小規模茶農家が生葉を売る経路のひとつである、独立した民間の製茶工場である。

Tea Boardは2004年初めに価格分配方式を導入し、工場の実現価格が当月の地域平均競売価格以下なら売上を小規模農家と工場で60:40、超過分は50:50に分ける。

歴史

ニルギリで茶を育てる最初の試みは1832年にあったが大きくは成功せず、1834年に中国の種子を使った試みがある程度成功した。クーヌールの茶園で作られた茶が1856年にロンドンへ送られ、茶商に好意的に評された(最初の商業的な成功例とされる)。

南インドの茶園の拡大は、コーヒーの葉さび病による衰退と結びついていた。ニルギリでは1860年ごろから茶園が拡大し、茶はコーヒーより労働集約的で年間を通じた労働力を要し、1880年以降のコーヒー園の茶への植え替えで労働需要が急増した。マドラス農園労働法(1903年第1号法)は、南インドの農園主が労働力の不足に対処しようと働きかけた結果として制定された。

研究と病害

UPASI茶研究財団の源は、1926年にグダルール(ネラコッタ)に設立された茶試験場で、本部は1966年までにヴァルパライへ移った。財団は1999年に設けられ、理事会にはインド政府(商工省)が2名、Tea Boardが議長を含む3名の代表を出す。UPASI茶研究所が商業栽培用に放った茶の品種(クローン)は32で、UPASI-1〜UPASI-28とTRF-1〜TRF-4と名づけられている。

ブリスター・ブライトは1946年8月に南インドのケララ(ムンダカヤムとピールメード)で初めて報告され、ニルギリを含む南インドの茶産地へ広がった。南インドでは、初期(1948〜1952年)に年約1,800万kgの茶の損失が出た。病原菌 Exobasidium vexans で起こり、約40%の減収を招くとされ、相対湿度80%以上で感染が促される。

買い方の手引き

棚での見え方

2026-10-02 の観測では、産地をニルギリとする茶葉は 40 件、扱う店は 8 店で、茶種はすべて紅茶です。摘み取りの時期の欄は、ファーストフラッシュが 9 件、新茶が 1 件です。等級の欄が付いた商品は、FOP 11 件、SFTGFOP1 3 件、BOP 3 件、SFTGFOP 1 件です。100g あたりに換算した価格の中央値は 3,456 円です。店の説明文から取り出せた風味の系統の語はありません。

商品名の型

商品名は「ニルギリ + 茶園名 + 等級記号 + 年号」の順に並ぶ型が見られます。たとえば「ニルギリ クオリティーシーズン 2026年 ○○茶園 SFTGFOP1 Winter Frost」のように、冬の時期を指す「クオリティーシーズン」や「ウィンターフロスト」、等級の記号、ロットを示す英数字の符号が付きます。「ニルギリ」だけの名前、ティーバッグ、4 杯分のサンプル、アウトレット品も同じ産地名で並びます。同じ茶園でも年と等級が違えば別の商品なので、年号と等級記号を見て比べてください。

産地名の読み方

「Nilgiri (Orthodox)」の標章は、登録された域内の茶園の茶に付くものです。商品名に「ニルギリ」とあっても、標章を付けた茶かどうかは商品名からは分かりません。

観測

コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。

茶種の内訳

紅茶38

観測した商品

38銘柄 / 7店 / 在庫あり 22 / 100g中央値 ¥2,616

紅茶の専門店 ティージュニルギリ¥869 /100g在庫あり2026-10-19
紅茶専門店 TEA TRIPニルギリ ハブカル茶園¥7,250 /100g在庫あり2026-10-19
紅茶の専門店 ティージュニルギリ 100g 缶¥1,242 /100g在庫あり2026-10-19

ほか8銘柄。