TERM — TEATYPE / TEA
紅茶
BLACK TEA
収穫した茶葉の酸化を最後まで進めてから乾燥させる茶。インド・スリランカ・ケニア・中国などが主産地で、国内の茶葉ECで観測される茶種の中では件数が最も多い。
事実
| 事実 | 出典 | 階層 |
|---|---|---|
| 紅茶は萎凋・揉捻・酸化・乾燥の工程で作られ、酸化を止める殺青(酵素失活)の工程を持たない茶である。ISO 20715:2023では、酸化工程の語として aeration・oxidation・fermentation が同じ用語項目に並ぶ | standards.iteh.ai | L4 |
| オーソドックス製法の等級記号(OP/BOP等)は葉の大きさ・形状の区分であって品質の印ではないとされる。 | teas.co.uk | L3 |
| CTCは粒の大きさだけで等級づけされ、オーソドックスのような文字列の等級を持たないとされる。 | teas.co.uk | L3 |
| ケニアは2018年時点で世界最大の紅茶輸出国 | fao.org | L2 |
| スリランカの標高区分はLow grown(海抜〜600m)・Mid grown(600〜1,200m)・High grown(1,200m超)に分かれ、Nuwara Eliya・Dimbula・Uva・Uda PussellawaがHigh、Kandy がMid、Ruhuna・SabaragamuwaがLowに位置づけられる | teasrilanka.org | L2 |
| TGFOP級は通常アッサム・ダージリンとその周辺のヒマラヤ地域でしか作られず、SFTGFOPは「販売される最上位の等級」で大半がダージリンの表記とされる。 | ratetea.com | L3 |
| GFOPはアフリカ産の紅茶に多い表記とされる。 | ratetea.com | L3 |
| 2023年の世界の茶生産量は660.4万t(前年比+2%、10年で+26%)。内訳は中国318.1万t(49%)、インド136.5万t、ケニア35.3万t、スリランカ25.1万t、トルコ24.6万t、ベトナム17.4万t。世界の茶の輸出は165.5万t(生産の26.3%) | teaandcoffee.net | L3 |
| FAOは2018年時点で2027年の紅茶生産を440万t(年率+2.2%)と予測した | fao.org | L2 |
| 世界の紅茶生産量は2024年に約352万t(微減)。2025年1〜9月の生産は前年比でインド105.7%・スリランカ101.5%、ケニアは1〜8月で89.2%と報じられた | news.nissyoku.co.jp | L3 |
| OPを基準に、芽(バッド)を含む全葉等級のFOP、FOPよりティップの割合が多いGFOP、さらに多いTGFOP・FTGFOP・SFTGFOPと積み上がるとされる。末尾の「1」はその等級内の上位(Grade 1)を示すとされる。 | ratetea.com | L3 |
| BOPは葉を細かく砕いた等級で抽出が速く濃く出るとされる。F(ファニングス)・D(ダスト)はティーバッグ向けの微粒とされる。 | teas.co.uk | L3 |
| 武夷山は宋・元・清代を通じて朝廷への献上茶の産地であったとされる | ide.go.jp | L1 |
| 紅茶は摘んだ生葉を萎凋棚で15〜20時間、工場の萎凋槽では8〜10時間陰干しして水分を30〜40%減らす萎凋工程を経て作られる。 | tea-a.gr.jp | L2 |
| 紅茶は揉捻機で葉の組織細胞を壊して酸化発酵を促しながら、葉の形を整える揉捻工程を経る。 | tea-a.gr.jp | L2 |
| 紅茶は20〜25℃・湿度90%近い発酵室で2〜4時間置く発酵工程を経て、葉が緑色から赤褐色に変わる。 | tea-a.gr.jp | L2 |
| 紅茶は100℃前後の熱風で水分3〜4%になるまで乾燥させる工程を経て、酵素の働きが止められる。 | tea-a.gr.jp | L2 |
| 紅茶は茶葉の細胞を壊してから酸化酵素を働かせるのに対し、烏龍茶は細胞を壊さずに酵素を働かせる点で製法が異なるとされる。 | jstage.jst.go.jp | L2 |
| 紅茶の浸出液に含まれるテアフラビン類(そのガロイルエステル類を含む)は、成分全体の2〜6%程度とされる。 | jstage.jst.go.jp | L2 |
| スリランカの紅茶の乾燥は、乾燥機(火入れ室)で99〜104℃(210〜220°F)で行い、これ以上の化学変化を止める。 | srilankateaboard.lk | L1 |
| 紅茶の乾燥は酸化と酵素の働きを止めて水分を3〜4%(湿量基準)に下げ、流動層乾燥機の入口空気は約140℃、エンドレスチェーン式は約100℃とされる。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| 中国の代表的な紅茶3種(金駿眉・キームン・滇紅)では、においの成分70種のうち39種(リナロール、ゲラニオールなど)が香りへの寄与が大きかった。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| 紅茶の香気で、サリチル酸メチルと花香成分10組の知覚の相互作用を調べると、5組でマスキング、1組で相加、4組で相乗の効果がみられた。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| 広東北部の紅茶の春・夏・秋の比較で、香りの主要成分はゲラニオール・サリチル酸メチル・リナロールなどで、アミノ酸は春茶に、フラボノイドは夏秋茶に多かった。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| 紅茶(正山小種)を 0.30・0.60 mm の粉にして一杯用のコーヒーメーカーで抽出すると、おおむね、可溶性糖・全アミノ酸・ポリフェノール・カフェインの濃度は茶粉の量(1.0〜2.0 g)が多いほど上がり、湯の量(118〜236 mL)が多いほど下がった。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| 紅茶の茶粉(2.0 g・0.30 mm)を一杯用のコーヒーメーカーで抽出すると、湯が118→236 mLに増えるとき、茶粉1 gあたりの抽出量は測った4成分とも増えた。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| グアイアコール(C7H8O2)の実測値は、オクタノール/水分配係数が log Kow=1.32、水への溶解度が25℃で18,700 mg/Lである。 | pubchem.ncbi.nlm.nih.gov | L1 |
| テルペン類の香気アルコールの実測 log Kow は、リナロール2.97、ゲラニオール3.56、α-テルピネオール2.98(別の資料値は3.28)である。 | pubchem.ncbi.nlm.nih.gov | L1 |
| 25℃の水への溶解度は、リナロールが1,590 mg/L、ゲラニオールが100 mg/L、α-テルピネオールが7,100 mg/Lで、グアイアコールの18,700 mg/Lより低い。 | pubchem.ncbi.nlm.nih.gov | L1 |
| 紅茶 4 産地(Keemun・Assam・Darjeeling・Ceylon)の GC-O と OAV の比較で、ダージリンで最も決定的な成分の候補はリナロールと trans-リナロールオキシド(フラノイド)だった。 | doi.org | L2 |
| 紅茶 4 産地では、ベンゼンアセトアルデヒド・ゲラニオール・ホトリエノール・サリチル酸メチルなどが GC-O で全試料の強い香り強度を示し、ホトリエノールとリナロールは OAV が 1 を超えた。 | doi.org | L2 |
| 天日干し紅茶の香りを 25 通りの欠落試験で調べ、(E)-β-ダマセノン・β-イオノン・ジヒドロ-β-イオノン・リナロール・ゲラニオールが香りの鍵と確かめられた。OAV 1 以上は 21 成分。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| 白毛茶の紅茶を 3 産地(汝城・仁化・凌雲)で比べると、OAV と GC-O から最も決定的な成分の候補は、汝城がサリチル酸メチル、仁化がゲラニオール、凌雲が trans-β-イオノンとベンゼンアセトアルデヒドだった。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| 紅茶 2 品種(Wanghai-1・JiuKeng)の発酵・乾燥試験で、検出された揮発成分のうちリナロールの OAV が最も高く、Wanghai-1 の B2W3 では 12,333.7 だった。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| 利川紅茶で OAV 1 以上の主要成分はセドロール・ベンズアルデヒド・フェニルアセトアルデヒド・デカナール・β-ダマセノンで、β-ダマセノンの閾値は約 0.002 µg/L とされる(引用値)。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| 日本の var. sinensis・外来 var. sinensis・アッサム交雑種 30 系統の新葉で、各揮発成分の含量の変動係数は 58.7〜221.9% だった。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| 同じ 30 系統の 34 代謝物の主成分分析(新葉)で、第 1 主成分は日本の var. sinensis と外来 var. sinensis を分けたが、アッサム交雑種は分けなかった。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| 黄金茶の 4 品種の紅茶で、OAV と GC-O から最も重要な成分は、HJC1 がゲラニオールとベンゼンアセトアルデヒド、HJC168 がサリチル酸メチルとシトラールなど、品種で違った。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
百科
製法の定義
六大茶類のうち紅茶は、萎凋 → 揉捻 → 酸化 → 乾燥という工程で作られる茶で、酸化を止める殺青(酵素失活)の工程を持ちません。国際規格 ISO 20715:2023(Tea — Classification of tea types)は6茶類を工程で定義しており、紅茶の酸化工程の語としては aeration(通気)・oxidation・fermentation が同じ用語項目に並べられています。製法は大きく2系統に分かれます。伝統的な「オーソドックス製法」(萎凋した葉を揉捻し、酸化させてから乾燥する、茶葉の形が残る製法)と、機械で葉を細断・引き裂き・丸めるCTC(crush, tear, curl)製法(粒状に均一化され、抽出が速く濃い水色になる、主にティーバッグ向け)です。CTCは粒の大きさで単純に等級づけされるのに対し、オーソドックス製法は等級記号(後述)で葉の大きさ・形状を表します。この記号はあくまで形状の区分で、品質そのものを示すものではないとされます。
主な産地と種類
紅茶の主産地はインド(アッサム・ダージリン・ニルギリ)、スリランカ(セイロン)、ケニア、中国(キームン・正山小種など)です。スリランカは標高で産地を区分する慣行があり、輸出業界団体は Low grown(海抜〜600m)・Mid grown(600〜1,200m)・High grown(1,200m超)に分け、Nuwara Eliya・Dimbula・Uva・Uda Pussellawa を High、Kandy を Mid、Ruhuna・Sabaragamuwa を Low に位置づけます。ケニアは2018年時点で世界最大の紅茶輸出国で、生産はCTCが中心です。等級記号の使われ方にも地域差があり、TGFOP級は通常アッサム・ダージリンとその周辺のヒマラヤ地域だけで使われ、「販売される最上位の等級」とされるSFTGFOPは大半がダージリンの表記です。GFOPはアフリカ産の紅茶に多い表記とされます。
統計
2023年の世界の茶生産量は660.4万t(前年比+2%、10年で+26%)。内訳は中国318.1万t(49%)、インド136.5万t、ケニア35.3万t、スリランカ25.1万t、トルコ24.6万t、ベトナム17.4万t。世界の茶の輸出は165.5万t(生産の26.3%)です。FAOは2018年時点で2027年の紅茶生産を440万t(年率+2.2%)と予測していました。その後の実績では、世界の紅茶生産量は2024年に約352万t(微減)とされ、2025年1〜9月の生産量は前年比でインド105.7%・スリランカ101.5%、ケニアは1〜8月で89.2%という報道があります。
等級・規格の読み方
オーソドックス製法の等級記号は、OP(Orange Pekoe、最も一般的な標準等級)を基準に、芽(バッド/ティップ)を含む全葉等級のFOP、FOPよりティップの割合が多いGFOP、さらに多いTGFOP・FTGFOP・SFTGFOPと積み上がっていきます。末尾の「1」はその等級内の上位(Grade 1)を示します。BOPは葉を細かく砕いた等級で、抽出が速く濃く出ます。F(ファニングス)・D(ダスト)はさらに細かい微粒で、主にティーバッグ向けです。BOP・BOPF・ファニングス・ダストの等級は小売のパッケージにはほとんど書かれず、主に卸の取引で使われる表記とされます。CTC製法の茶はこうした文字列の等級を持たず、粒の大きさだけで区分されます。等級記号は基本的に紅茶にだけ使われる表記で、専門店の茶葉売りで見かけることが多いものです。
歴史
紅茶の起源については諸説あり、中国・福建省の武夷山が候補地のひとつとされます。武夷山は宋・元・清代を通じて朝廷へ献上する茶の産地であったとされる地域で、この歴史的背景が紅茶発祥の地とする説の土台になっています。
典型として語られる香味
紅茶は酸化を最後まで進めることで、渋みのもとになるタンニンと、赤褐色の水色を作るテアフラビン・テアルビジンが生成されると説明されます。産地ごとの典型として、アッサムはモルトのような濃厚な甘い香り、ダージリン(特にファーストフラッシュ)はマスカットに例えられる華やかな香り、スリランカのウバはメンソールを思わせる独特の香気、キームンは蘭や燻香に例えられる香りが、それぞれ語られることが多いです。これは精製・産地の一般的な傾向として語られる説明であり、個々の商品の評価ではありません。
国内での流通
国内の茶葉ECで観測される紅茶の銘柄数・店舗数・価格の分布は、下の観測の節に自動で出ます。
買い方の手引き
商品名の読み方
産地(インドのダージリン・アッサム、ネパール、スリランカ等)→ 茶園名(「〜茶園」の後置)→ 収穫期(ファーストフラッシュ/セカンドフラッシュ、西暦4桁の年)→ 等級(FTGFOP1、SFTGFOP1、CTC PFなど)の順に並ぶ表記が多く見られます。産地・茶園・等級を「/」で区切って併記する店もあります。和紅茶は県名や品種名(べにふうき等)が前面に出ます。
旬と入荷
ダージリンはファーストフラッシュ(春摘み)・セカンドフラッシュ(夏摘み)の収穫期ごとに新しい年次のロットが入荷します。入荷時期の目安と実際の価格推移は紅茶価格ボードに集計しています。
似た表記の見分け
CTCとオーソドックスは製法が違う別物で、CTCは粒状で文字列の等級記号を持ちません。等級記号(FTGFOP1等)は主に専門店の茶葉売りで見かけ、ティーバッグやセット商品には付かないことが多いです。ブレンド・フレーバー付き(アールグレイ等)や日本茶とのセット商品は、単一産地の紅茶と価格の性質が異なるため比較の対象にしていません。
観測
コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。
ほか1198銘柄。
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