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祁門

キームン / キーマン / KEEMUN / QIMEN / 祁門紅茶 / 祁紅 / 祁门红茶

中国安徽省黄山市の祁門県を中心に作られる紅茶。店の産地欄は「キームン」「祁門」と分かれ、商品名には香螺・毛峰などの型と春摘みの年号が並ぶ。棚での読み方を件数で示す。

事実

事実出典階層
祁門紅茶の産地である祁門県は、中国安徽省の黄山市にある県である。news.cnL3
祁門紅茶の産区には、祁門県内(安凌区を除く)を指す小産区と、祁門県のほか黟県(渔亭以北)・石台・東至・貴池や江西省浮梁県などを含む大産区の2つの見方がある。ciplawyer.cnL1
産区を祁門県内に限って登録した地理標志証明商標「祁門紅茶」(第4292071号)は、不当な手段による登録にあたるとして無効宣告され、2017年12月25日の終審判決で確定した。ciplawyer.cnL1
安徽省の地方標準 DB34/T 1086-2009『祁门红茶』は2026年7月3日に廃止され、現行の地方標準は DB34/T 1086-2026 である。sdtdata.comL1
地方標準 DB34/T 1086-2009『祁门红茶』は、術語・分級と実物標準サンプルなどを定め、祁門工夫紅茶・祁紅香螺・祁紅毛峰などに適用された。sdtdata.comL1
行業標準 GH/T 1178-2019『祁门工夫红茶』は祁門工夫紅茶に適用され、2019年11月28日に発布、2020年3月1日に実施されて GH/T 1178-2017 に代わった。std.samr.gov.cnL1
旧行業標準 SB/T 10167-1993『祁门工夫红茶』は、祁門工夫紅茶の等級・技術要求・検査方法などを定め、2017年12月31日に廃止された。ndls.org.cnL1
祁門紅茶は、1875年(光緒元年)ごろに祁門の胡元龍が紅茶を試作したことに始まるとされる。同じ頃、黟県出身の余干臣が至徳県に紅茶荘を設け、翌年に祁門の閃里で祁紅を作り始めたとする記述もある。news.cnL3
祁門種の紅茶では、ゲラニオール・trans-β-イオノン・フェニルアセトアルデヒド・リナロール・ヘキサナール・フェニルエタノールの6成分が香気への最大の寄与成分と確かめられた。sciopen.comL2
祁門紅茶の香りは花・果実・蜜に似るとされ、「祁門香」と呼ばれる。sciopen.comL2
祁門種(祁門槠葉種)は首批の国家級茶樹良種に認定された品種で、祁門紅茶の主要な原料品種とされる。sciopen.comL2
「凫早2号」は国家級、「皖茶4号」は省級の茶樹良種で、いずれも祁門種から選育され、紅茶に加工される。sciopen.comL2
祁門県の2024年の茶葉生産量は7800トンで、茶業の総合産値は70億元だった。cnr.cnL3
祁門県の茶園面積は2025年に約19万畝で、干毛茶(荒茶)の総生産量は7821トンだった。finance.sina.cnL3
工夫紅茶の国家標準 GB/T 13738.2-2017 は、茶樹の芽・葉・嫩茎を萎凋・揉捻・発酵・乾燥・精製の工程で加工した工夫紅茶に適用される。sdtdata.comL1
祁紅の製茶は初製と精製の2段で、初製は萎凋・揉捻・発酵・乾燥の4工程、精製は篩分・切断・風選・拣剔・復火・均堆などの工程である。zhuanti.mct.gov.cnL1
DB34/T 1086-2009 は祁門紅茶を、祁門県を核心産区とし、祁門槠葉種などの茶樹の鮮葉を伝統工芸で加工した「祁門香」の紅茶と定める。ichabaike.comL1
DB34/T 1086-2009 は「祁門香」を、香叶醇・苯甲醇・2-苯乙醇を特徴成分とし、花香・果香・蜜糖香をもつ祁門紅茶固有の香型と定義する。ichabaike.comL1
DB34/T 1086-2009 の理化指標は、水分7.0%以下・総灰分6.5%以下・粉末1.0%以下・水溶性灰分50.0%以上・水浸出物34.0%以上・粗繊維13.0%以下である。ichabaike.comL1
DB34/T 1086-2009 の感官指標で、特茗級の祁門工夫紅茶は、外形が細嫩挺秀で金毫が現れ色は乌黑油润、湯色は紅艶明亮、葉底は細嫩で芽が多いと定める。ichabaike.comL1
DB34/T 1086-2009 は祁門工夫紅茶を品質の差により特茗・特級・一級〜五級の7等級に分け、各等級に実物標準サンプルを置く(各級の品質の下限。3〜4年ごとに更新)。ichabaike.comL1
DB34/T 1086-2009 は祁紅香螺を巻曲形、祁紅毛峰を弯曲形の祁門紅茶と定め、どちらも萎凋・揉捻・発酵・做形・乾燥・整形・帰類の工程で作る。ichabaike.comL1
DB34/T 1086-2009 は祁紅香螺と祁紅毛峰を、品質の差により特級・一級・二級の3等級に分ける。ichabaike.comL1
DB34/T 1086-2009 の鮮葉要求は、祁門工夫紅茶の特茗が一芽一葉主体、二級が一芽二葉・一芽三葉主体、五級が一芽四葉・嫩対夹葉主体と等級で異なる。ichabaike.comL1
DB34/T 1086-2009 は祁門工夫紅茶を、初製の萎凋・揉捻・発酵・乾燥と、精製の筛制・切細・風選・拣剔・補火・拼配・匀堆装箱で加工した条形の紅茶と定義する。ichabaike.comL1
DB34/T 1086-2009 では、祁門紅茶産区の気候は、中亜熱帯北縁の湿潤季風気候で、年平均気温15.6℃・年降水量1725.6mm(4〜7月が半分超)・相対湿度約80%とされる。ichabaike.comL1
DB34/T 1086-2009 では、祁門紅茶産区の土壌は、紅壌・黄壌・黄棕壌・石灰岩土が主で、有機質が多く pH 5〜6 とされる。ichabaike.comL1
DB34/T 1086-2009 では、祁門紅茶産区の多くが海抜300m前後にあり、周囲の森林被覆率は80%以上とされる。ichabaike.comL1
祁門県の2024年の茶葉総産量は7498.3トンで、前年より5.8%増えた。tjgb.hongheiku.comL1
祁門県の2023年の茶業総合産値は65億元で、前年より17.8%増えた。zgcounty.comL1
祁門県の茶園総面積は19万畝で、2022年の茶葉生産量は7300トン、茶業の総合産値は55.2億元だった。news.cnL3
国内産地別の紅茶香気研究(HS-SPME-GC-MS)で、安徽・黄山の祁門紅茶1試料(槠叶齐群体種)の香気の感官審評は「玫瑰花甜香」だった。sciopen.comL2
国内紅茶の産地比較研究で、香気活性値(OAV)が1を超えた7成分に芳樟醇・香叶醇・水杨酸甲酯が含まれ、水杨酸甲酯は台湾紅茶を他産地と区別する成分とされた。sciopen.comL2
アッサムとダージリンの紅茶は酸類の平均相対含量が約13%で、中国紅茶の大半より高いとされる(先行研究の値)。sciopen.comL2
祁門では光緒元年(1875年)より前は緑茶だけを作り、紅茶は作られておらず、販路が伸びなかった。news.cnL3
祁門紅茶は1915年のパナマ万国博覧会に出品して金賞を受けた。news.cnL3
茶葉の香気配糖体はプリメベロシドとグルコシドが主で、プリメベロシドが優勢。製茶中、とくに揉捻の段階でグルコシダーゼとプリメベロシダーゼが加水分解する。pmc.ncbi.nlm.nih.govL2
プリメベロシドは生葉に多く完成した茶ではほとんど消えるのに対し、グルコシドは製茶中にほとんど変化しない。pmc.ncbi.nlm.nih.govL2
'舒茶早'の茶葉では、ゲラニル β-プリメベロシドの量がゲラニル β-グルコシドを大きく上回り、遊離のゲラニオールは検出されなかった。pmc.ncbi.nlm.nih.govL2
祁門産区の136地点の試料で、香気配糖体の総量は105〜366 μg/gで、リナロールオキシド配糖体が最も多く、次いでゲラニル・ベンジル・2-フェネチル配糖体の順だった。doi.orgL2
祁門産区の中に、「祁門香気」に関わる主要なβ-プリメベロシドの含量が高い地帯が3つ識別された。doi.orgL2

百科

位置と産地

祁門紅茶(祁紅)は中国安徽省の祁門県で生産される。祁門県は、中国安徽省の黄山市にある県である(2023年)。

産区の範囲には2つの見方がある。祁門県内(安凌区を除く)を指す小産区の見方と、祁門県のほか黟県(渔亭以北)・石台・東至・貴池や江西省浮梁県などを含む大産区の見方である。産区を祁門県内に限って登録した地理標志証明商標「祁門紅茶」(第4292071号)は、不当な手段による登録にあたるとして無効宣告され、2017年12月25日の終審判決で確定した。

気候と土壌

地方標準 DB34/T 1086-2009 に示される祁門紅茶産区の気候は、中亜熱帯北縁の湿潤季風気候で、年平均気温15.6℃、年降水量1725.6mm(4〜7月が半分超)、相対湿度約80%とされる。土壌は紅壌・黄壌・黄棕壌・石灰岩土が主で、有機質が多く pH 5〜6 とされる。産区の多くは海抜300m前後にあり、周囲の森林被覆率は80%以上とされる。

品種

祁門種(祁門槠葉種)は首批の国家級茶樹良種に認定された品種で、祁門紅茶の主要な原料品種とされる。「凫早2号」は国家級、「皖茶4号」は省級の茶樹良種で、いずれも祁門種から選育され、紅茶に加工される。国内産地別の紅茶香気研究(HS-SPME-GC-MS)では、安徽・黄山の祁門紅茶1試料(槠叶齐群体種)の香気の感官審評は「玫瑰花甜香」だった(2025年)。

規格と等級

祁門紅茶の標準は何度か入れ替わっている。旧行業標準 SB/T 10167-1993『祁门工夫红茶』は、祁門工夫紅茶の等級・技術要求・検査方法などを定め、2017年12月31日に廃止された。行業標準 GH/T 1178-2019『祁门工夫红茶』は祁門工夫紅茶に適用され、2019年11月28日に発布、2020年3月1日に実施されて GH/T 1178-2017 に代わった。

安徽省の地方標準 DB34/T 1086-2009『祁门红茶』は、術語・分級と実物標準サンプルなどを定め、祁門工夫紅茶・祁紅香螺・祁紅毛峰などに適用された(2010年1月1日実施)。この標準は2026年7月3日に廃止され、現行の地方標準は DB34/T 1086-2026 である。

DB34/T 1086-2009 は祁門紅茶を、祁門県を核心産区とし、祁門槠葉種などの茶樹の鮮葉を伝統工芸で加工した「祁門香」の紅茶と定めるとされる。祁門工夫紅茶は、品質の差により特茗・特級・一級〜五級の7等級に分けられ、各等級に実物標準サンプルを置くとされる(各級の品質の下限。3〜4年ごとに更新)。祁紅香螺と祁紅毛峰は特級・一級・二級の3等級に分けられるとされる。

鮮葉の要求は等級で異なり、祁門工夫紅茶の特茗は一芽一葉主体、二級は一芽二葉・一芽三葉主体、五級は一芽四葉・嫩対夹葉主体とされる。特茗級の外形は細嫩挺秀で金毫が現れ色は乌黑油润、湯色は紅艶明亮、葉底は細嫩で芽が多いとされる。理化指標は、水分7.0%以下、総灰分6.5%以下、粉末1.0%以下、水溶性灰分50.0%以上、水浸出物34.0%以上、粗繊維13.0%以下とされる。

製法と形

工夫紅茶の国家標準 GB/T 13738.2-2017 は、茶樹の芽・葉・嫩茎を萎凋・揉捻・発酵・乾燥・精製の工程で加工した工夫紅茶に適用される(2018年実施)。祁紅の製茶は初製と精製の2段で、初製は萎凋・揉捻・発酵・乾燥の4工程、精製は篩分・切断・風選・拣剔・復火・均堆などの工程である。製法の詳しい流れは茶の製法で何が起きているかに書いている。

地方標準の定義では、祁門工夫紅茶は初製の萎凋・揉捻・発酵・乾燥と、精製の筛制・切細・風選・拣剔・補火・拼配・匀堆装箱で加工した条形の紅茶とされる。祁紅香螺は巻曲形、祁紅毛峰は弯曲形の祁門紅茶で、どちらも萎凋・揉捻・発酵・做形・乾燥・整形・帰類の工程で作るとされる。棚の商品名にある香螺・毛峰は、この形の呼び分けにあたる。

香り

祁門紅茶の香りは花・果実・蜜に似るとされ、「祁門香」と呼ばれる。祁門種の紅茶では、ゲラニオール・trans-β-イオノン・フェニルアセトアルデヒド・リナロール・ヘキサナール・フェニルエタノールの6成分が香気への最大の寄与成分と確かめられた(2025年)。

DB34/T 1086-2009 は「祁門香」を、香叶醇・苯甲醇・2-苯乙醇を特徴成分とし、花香・果香・蜜糖香をもつ祁門紅茶固有の香型と定義するとされる。国内紅茶の産地比較研究では、香気活性値(OAV)が1を超えた7成分に芳樟醇・香叶醇・水杨酸甲酯が含まれ、水杨酸甲酯は台湾紅茶を他産地と区別する成分とされた。先行研究では、アッサムとダージリンの紅茶は酸類の平均相対含量が約13%で、中国紅茶の大半より高いとされる。

生産の規模

祁門県の茶園面積は2025年に約19万畝で、干毛茶(荒茶)の総生産量は7821トンだった。県の茶葉生産量は2022年が7300トン(茶業の総合産値55.2億元、茶園総面積19万畝)、2024年が7800トンで、茶業の総合産値は70億元だった。別の公報の転載では、2024年の茶葉総産量は7498.3トンで前年より5.8%増えたとされる。2023年の茶業総合産値は65億元で、前年より17.8%増えたとされる。

歴史

祁門では光緒元年(1875年)より前は緑茶だけを作り、紅茶は作られておらず、販路が伸びなかったとされる。祁門紅茶は、1875年ごろに祁門で紅茶を試作したことに始まるとされる。同じ頃、黟県出身の者が至徳県に紅茶荘を設け、翌年に祁門の閃里で祁紅を作り始めたとする記述もあり、起源の説は分かれる。祁門紅茶は1915年のパナマ万国博覧会に出品して金賞を受けたとされる。

買い方の手引き

棚での見え方

2026-10-02 の観測では、産地を祁門(棚の表記はキームン)とする茶葉は 16 件、扱う店は 5 店です。茶種の欄はすべて紅茶の 16 件です。摘み取りの時期の欄が付いた商品はファーストフラッシュの 11 件で、等級の欄が付いた商品はありません。100g あたりに換算した価格の中央値は 5,616 円です。店の説明文から取り出せた風味の系統の語はありません。

商品名の型

商品名は「キームン(祁門紅茶)+ 香螺または毛峰 + 年号と春摘み」の順に並ぶ型が中心です。香螺と毛峰は、祁門紅茶の形の呼び分けとして本文に書いた語で、同じ型の商品が 2023 年から 2026 年まで年号違いで並びます。ほかに、2 種を並べた飲み比べセット、ミルクティー向けの詰め合わせ、缶入り、粉末にした給茶機向けの商品があります。産地欄が祁門でも、粉末やセットは茶葉そのものの価格の比較には向きません。

産地欄の表記は店により「キームン」「祁門」と分かれ、商品名に「祁門紅茶」を括弧書きで添える店もあります。年号の付いた春摘みの商品は、同じ型で年だけ違うので、買う前に年号を見比べてください。

観測

コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。

茶種の内訳

紅茶15