ORIGIN — COUNTRY / TEA
インド
INDIA / インド茶
世界でも生産量が中国に次ぐ紅茶の大産地。アッサム・西ベンガル・タミルナドゥ・ケララの4州で総生産の98%を占め、生産の大半はCTC製法。小規模茶農家が生産の半分超を担い、約46%が公開競売で売られる。
百科
生産量の推移と世界の中の位置
2024年の世界の茶の生産量は7,074百万kgで、中国3,740、インド1,304、ケニア598、スリランカ262(百万kg)の順に多い。10年前の2014年は世界5,173百万kgで、中国2,096、インド1,207、ケニア445、スリランカ338だった。世界の生産量は2012年に4,693、2013年に4,990、2014年に5,173百万kgと増え、見かけの世界消費量はそれぞれ4,513、4,655、4,764だった。
インド国内の2023年の生産量は、小規模茶農家(S.G)が742.15百万kg、大規模茶農家(B.G)が651.51百万kgで、合計は1,393.66百万kgだった。2024年のインド全体の生産量は1,284.78百万kgと報じられており、世界統計の1,304百万kgとは数字が合わない。差の原因は確かめられていない。2025年は1,369.98百万kgと報じられている。
地域ごとの割合
産地は大きく北東部のアッサム、東部の西ベンガル、南インドに分かれる。2023年の生産量は次のとおり。
- アッサム州は688.33百万kg。内訳はアッサムバレー649.15、カチャール39.18。
- 西ベンガル州は433.54百万kg。内訳はドアーズ237.71、タライ189.82、ダージリン6.01。
- 南インドは236.68百万kg。内訳はタミルナドゥ167.40、ケララ63.75、カルナータカ5.53。
アッサムの2024年の生産量は649.84百万kgで、2023年の688.33百万kgから減った。2025年は687.76百万kgで、前年比約5%増、全国の約50%を占め、西ベンガル州は411.18百万kg、ダージリンは5.30百万kgと報じられている。ダージリンの生産量は1970年代の約1,410万kgから2024年には約510万kgへ減ったとされる。
茶を作る州は15州ある。アッサム・西ベンガル・タミルナドゥ・ケララの4州で総生産の98%を占め、トリプラ・ヒマーチャル・ウッタラーカンド・ビハール・カルナータカは伝統州に区分される。ほかの州の2022年の生産は、その他(Others)が29.72、カルナータカが5.10百万kgだった。
アッサム(/origins/assam/)、ダージリン(/origins/darjeeling/)、ドアーズ(/origins/dooars/)、ニルギリ(/origins/nilgiri/)、シッキム(/origins/sikkim/)は、それぞれ別の頁で扱っている。
CTCとオーソドックス
2023年のインドの茶の生産量は、北インドがCTC 1,068.51・オーソドックス75.68・緑茶12.79、南インドがCTC 188.11・オーソドックス42.49・緑茶6.08(百万kg)だった。インド国内市場では紅茶生産の80%超がCTC製法とされる。CTCは1950年から約30年のあいだに、インドとアフリカを中心に急速に広まったとされる。
等級の語は、ブロークン等級のBOPがアッサム・セイロン・南インド・ジャワ・中国で主に使われる等級とされ、BOPFはスリランカ・インドネシア・ネパール・南インド・ケニア・モザンビーク・バングラデシュ・中国で主力の等級とされる。OP・OP1・OPAの呼称は主にスリランカとインドの紅茶、および中国以外の産地で使われるとされる。FTGFOP1・SFTGFOP1・TGFOP1といった記号の運用はインド(ダージリン・アッサム)で最も体系的に行われ、大規模な茶園が競売向けに複数の等級へ選別するとされる。
一方、インドの茶の公的な品質規格IS 3633(インド規格局)は水分・灰分・水溶性エキスなどの化学的・物理的な基準で、FOPなど葉の等級名は定義しない。南インドの研究団体UPASI Tea Research Foundationの規格ページも、参照規格としてIS 3633と国際規格ISO 3720を示すだけで、等級記号には触れない。等級の記号は公的規格ではなく、取引の慣行のなかにある。
小規模茶農家と茶園
Tea Boardに登録された小規模茶農家(STG)は2022年3月31日時点で229,526、その茶園面積は198,313 haである。茶の組織部門は2022年に1,567農園・421,460.70 haで、小規模茶農家を合わせた全インドの茶園面積は619,773.70 haとなる。
小規模茶農家として確認された人数と面積は、2025年3月末の時点で次のとおり。
- トリプラ 2,875人・1,423 ha
- ヒマーチャル 1,526人・710 ha
- ウッタラーカンド 1,493人・679 ha
- アルナーチャル 3,526人・7,852 ha
- ナガランド 2,929人・5,890.01 ha
- ビハール 2,931人・2,570 ha
- メガラヤ 735人・939 ha
輸出と国内消費
茶の輸出は2024-25年度(4月から翌3月)に257.88百万kg、7,503.52クロール・ルピーで、北インドが161.20、南インドが96.68百万kgだった。2023-24年度は250.73百万kg・6,476.38クロール・ルピーで、2024-25年度の数量は2.85%増えた。2019-20年度の輸出先は、数量でイラン46.47、ロシア44.76、アラブ首長国連邦12.57、アメリカ12.40(百万kg)で、全体は240.02百万kgだった。
国内の消費量は2023年に約1,197百万kgと推計され、1人あたりの消費量は約840 g(農村約797 g、都市925 g)である。地域別では北部391.5、西部358.7、東部(北東部を含む)244.1、南部203.1百万kgと推計される。
競売と流通
インドで最初の茶の競売センターは1861年にカルカッタ(現コルカタ)に置かれ、公開競売は1世紀を超えて茶の第一次の販売の主な経路だった。いまTea Boardに登録された競売センターは、コルカタ・シリグリ・グワハティ・クーヌール・コーチン・コインバトール・ティーサーブの7か所で、電子競売で行われる。
2024-25年度の競売の取扱量は全体で598.73百万kgで、グワハティ165.99、コルカタ141.75、シリグリ135.61、クーヌール82.46、コーチン43.49、コインバトール19.27、ティーサーブ7.20、ジョルハット電子市場2.96(百万kg)だった。2023-24年度は全体が601.72で、コルカタ151.28、グワハティ150.98、シリグリ148.06、クーヌール80.48だった。2024-25年度の平均価格はコルカタ251.30、グワハティ227.83、シリグリ192.71、コーチン162.44、クーヌール123.06(ルピー/kg)で、全体は201.84だった。同年度にインドで作られた茶の約46%が公開競売で売られ、残りは競売以外の方法で売られた。
茶の始まり
アッサムの先住の部族は、在来の茶の灌木の葉から作った飲み物を飲んでおり、1823年に英国人の商人が上流域でその存在を知った。東インド会社の中国貿易の独占が1833年に終わると、1834年2月1日にインド総督が茶委員会を設け、茶を育てられる地域の報告を求めた。
アッサム産の茶の最初の荷(8箱・350ポンド)は1838年5月8日にロンドンへ送られ、1839年1月10日にロンドンで競売にかけられた。1839年にはインド初の茶の栽培・製造会社としてアッサム会社が設立され、1840年に政府は保有する茶園のほとんどを同社へ譲った。アッサムの茶園は1859年に51、1862年に160となり、1862年の生産量は125万ポンドに達した。
南インドでは試験的な植え付けが1839年に始まり、商業的な栽培は1859年から、ニルギリ(タミルナドゥ)やワヤナード(ケララ)で行われた。
法制度とTea Board
インドの茶法(Tea Act)は1953年法律第29号で、法案は1953年5月28日に大統領の裁可を得て成立した。Tea Boardは茶法の第4条に基づき1954年4月1日に設立され、本部はコルカタにあり、商工省の管理下にある。茶法の第10条が定めるTea Boardの措置には、茶の生産と栽培面積の規制、品質の向上、販売と輸出の規制、製造者・仲買人・販売者・ブレンド業者の登録と免許が含まれる。
地理的表示(GI)では、「Darjeeling」が登録番号1(語)・2(ロゴ)として2003年10月27日に登録された。インドで最初のGIで、EUでも2006年に共同体団体標章として登録された。ニルギリは「Nilgiri (Orthodox)」が2008年12月8日付の証明書でGIに登録されている。アッサムの「Assam Orthodox」もGIを取得しているが、取得年は資料によって食い違うため、年は記さない。
日本では、現地企業による「ダージリン」を含む商標登録が複数件あり、インドの茶委員会の異議・無効審判により、いずれも無効または不使用による取消しの判断が下され、そのうち1件は2002年8月に確定したとされる。
ネパールからの茶の輸入は、2021年11月の通達で、食品安全規則・検疫(SPS)証明・茶流通統制命令に基づくTea Board発行の免許・Tea Council of India発行の証明書の提出を税関に義務づけたとされる。
日本の輸入
インドからの紅茶の日本の輸入量は、直接包装(3 kg以下)とバルクで動きが違う。直接包装は2010年612,590 kg、2014年390,507 kg、2019年253,612 kg、2024年261,477 kgだった。バルクは2010年3,101,075 kg、2014年2,692,990 kg、2019年4,124,221 kg、2024年2,860,654 kgだった。
観測の注記
産地の欄が「インド」だけで、州や地域名のない商品は、この頁にまとまる。ダージリン・アッサム・ニルギリ・ドアーズ・シッキムの名が入った商品は、それぞれの頁で扱う。
買い方の手引き
棚の実測
観測所の棚(2026年10月2日時点の茶葉)で、産地がインド全体として結ばれた商品は12件・8店でした。茶種の欄は紅茶が9件、緑茶が1件です。摘み取りの時期の欄が入っているのはセカンドフラッシュの1件だけで、等級の欄に値の入った商品はありません。100gあたりの中央値は3,780円です。ダージリン・アッサム・ニルギリ・ドアーズ・シッキムの商品は、それぞれの産地の頁にまとまっています。
商品名の型
この棚の商品名は、おおまかに次の型に分かれます。
- スパイスやカカオを合わせたチャイ・マサラチャイの茶葉、ティーバッグ、手作りセット
- ミルクティー向けのブレンド、アールグレイなどのフレーバーを付けた茶
- 詰め合わせ・お楽しみセットの類
- 州名、年、摘み取りの時期、茶園名、ロット記号を並べた単一ロット
茶園名と摘み取りの時期が商品名にそろうのは、棚では単一ロットの1件でした。産地がインドでない商品でも、商品名に「インド紅茶」「インド」と入るものがあります。
比べ方
ブレンドと単一ロットでは中身が違うため、同じ100g単価を並べても比較になりません。比べるときは、茶園名と摘み取りの時期が書かれた商品どうしを、内容量をそろえて見ます。チャイの飲み方は記事「世界のチャイ」にまとめています。
観測
コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。
茶種の内訳
紅茶8
観測した商品