紅茶売り場で「ダージリン」と書かれた缶を手に取るとき、私たちは無意識に「ダージリンという1つの味」を想像します。しかし観測データで国内の流通を並べると、まったく違う姿が見えてきます。ダージリンは銘柄ではなく——座標です。

ダージリンは、座標で買う。— 22茶園×3収穫期の実測マップ

縦軸に22茶園、横軸に3つの季節

コピチャ観測所が追跡している紅茶専門店の公開情報から、商品名に茶園名を含むダージリン64銘柄(全81銘柄中)を集計すると、22の茶園名が現れます。キャッスルトン、マーガレッツホープ、プッタボン——ワインのシャトーにあたる「エステート」です。

そして各茶園には収穫期(クオリティーシーズン)の軸が重なります:

収穫期 時期 いま買える銘柄数
ファーストフラッシュ(春摘み) 3〜4月 25
セカンドフラッシュ(夏摘み) 5〜6月 21
オータムナル(秋摘み) 10〜11月 18

つまりダージリン選びとは、22×3=66マスの座標平面から1点を選ぶ行為なのです。いま国内で買えるマスは41。空白のマスは「その座標の茶が今は流通していない」ことを意味します。

座標が変わると、値段は3.3倍変わる

この座標感覚が一番効くのが価格です。同じキャッスルトン茶園でも:

  • 春摘み(DJ-2 ムーンライト): ¥16,200/100g
  • 夏摘み(DJ-190 マスカテル): ¥4,968/100g

その差 3.3倍。「キャッスルトンだから高い」のではなく、「キャッスルトンの春だから高い」。茶園のブランドと収穫期のプレミアムは別の軸で動いています。逆に言えば、名門茶園の夏摘み・秋摘みは、座標を知っている人だけが見つけられる買い場です。

3季節すべてそろう茶園は、22のうち4つだけ

観測時点で春・夏・秋の3座標がすべて埋まっている茶園は、リシーハット、ジッダパハール、マーガレッツホープ、シーヨックの4茶園だけでした。同じ茶園を季節違いで飲み比べる——ダージリンの一番贅沢な楽しみ方は、実は選択肢が限られています。見つけたら確保する価値があります。

検証の条件(正直な注記)

  • 集計対象は紅茶専門店2店の公開情報。茶園名は商品名からの機械抽出のため、表記ゆれ・判定不能(17銘柄)を含みます
  • マップは2026-08-29朝の観測時点。入荷状況は毎日変わります

最新の茶園別・収穫期別の在庫はダージリン入荷ボードが毎朝更新しています。狙いの座標が入荷したら気づけるように、☆でウォッチリストに入れておくのがおすすめです。ダージリンの基礎は紅茶の産地入門、銘柄情報は図鑑へ。