TERM — GRADE / COFFEE
PB
ピーベリー / PEABERRY
PB(ピーベリー)は大きさの等級ではなく、コーヒーチェリーの中で種子が1粒だけ育つ現象によって生まれる丸い豆の区分。
事実
| 事実 | 出典 | 階層 |
|---|---|---|
| ピーベリーは果実(コーヒーチェリー)の中の2個の胚珠のうち一方が受粉・発育せず、残った1個の種子だけが果肉内の空間を使って丸く育ったもの | perfectdailygrind.com | L2 |
| 通常のチェリーは2個の胚珠がそれぞれ種子になり、互いの平らな面を向き合わせて育つ | perfectdailygrind.com | L2 |
| ピーベリーの発生率は、収穫全体の5から10%程度とする技術解説の記述がある | perfectdailygrind.com | L2 |
| 別の記述では、主要生産国全体で年間生産量の3から5%という数値も見られるが、個別ページを確認できておらず未確認 | — | L4 |
| ケニアの規則ではピーベリーは平豆用のスクリーン17を通り12に留まる範囲(径換算でおよそ4.76から6.75mm)という、平豆とは異なる基準で選別されると定めるのみで、発生率の数値は規則に無い | infotradekenya.go.ke | L1 |
| 技術解説では「ケニアの豆の約10%がピーベリー」という記述がある(未確認) | kabarnlab.com | L4 |
| タンザニアの規則ではピーベリーは最低95%がピーベリー豆でスクリーン14に留まり、フロート豆(浮き豆。比重の軽い未熟・欠陥豆)は5%を上限とすると定められている | faolex.fao.org | L1 |
| ピーベリーは丸い形のため、通常の平豆用のスリット状スクリーンではなく、丸穴のスクリーンや比重選別機で選り分けられ、別ロットとして扱われる | perfectdailygrind.com | L2 |
| 丸い形のため焙煎機のドラムの中で転がりやすく、熱の当たり方が平豆と異なる。密度が高い個体が多く、one crack(一爆ぜ)が平豆より早く小さめに出る傾向があるとロースター向け解説にある | perfectdailygrind.com | L2 |
| 「ピーベリーの方が平豆より風味の評価が高い」という市場での主張について、その根拠とされる酸味・甘み・複雑さの違いは変異そのものではなく栽培条件や個々のロットの違いに起因する可能性があり、限られた研究では変異由来か栽培条件由来かを切り分けられていないという技術解説がある | perfectdailygrind.com | L2 |
| ウガンダのアラビカ標準案(DUS 1957:2018)ではピーベリーはスクリーン15中心(85%)と定義され、ケニア(17を通り12に留まる)・タンザニア(スクリーン14)と閾値が異なる。正式な国家標準として発効しているかは確認できていない(未確認) | members.wto.org | L4 |
| インドの「プランテーションPB」は4.75mmの長円形の穴のふるいに留まるものとする解説があるが、一次規則そのものは確認できていない(未確認) | agriculture.institute | L4 |
百科
大きさではなく現象による区分
PB(ピーベリー)は、AA・ABのようにスクリーンサイズの範囲を定めた大きさの等級ではなく、コーヒーチェリーの中で種子が1粒だけ育つという生育上の現象によって生まれる豆を指します。通常のチェリーには2個の胚珠があり、それぞれが種子となって互いの平らな面を向き合わせながら育ちますが、ピーベリーでは一方の胚珠が受粉・発育せず、残った1個の種子だけが果肉の中の空間を使って丸い形に育ちます。この形の違いが、後述するとおり選別の方法そのものを分ける理由になっています。
発生率
ピーベリーの発生率については、収穫全体の5から10%程度とする技術解説の記述があります。ケニアでは「豆の約10%がピーベリー」という記述もありますが、これは技術解説の紹介であり、ケニアの公式規則そのものには発生率の数値は定められていません。規則が定めているのは、ピーベリーを選別するためのスクリーン番号(後述)だけです。主要生産国全体の年間生産量に占める割合として3から5%という数値を挙げる記述もありますが、これは個別のページまで確認できておらず、裏付けは弱いままです。
選別方法が変わる理由
平豆(AA・AB等)はスリット状の細長い穴のスクリーンで選別されますが、丸いピーベリーはこのスクリーンをすり抜けてしまうため、丸穴のスクリーンや比重選別機を使って別に選り分けられます。ケニアの規則では、ピーベリーは平豆用のスクリーン17を通り12に留まる範囲(径換算でおよそ4.76から6.75mm)という、平豆とは異なる基準で扱われています。タンザニアの規則では、最低95%がピーベリー豆でスクリーン14に留まり、フロート豆(浮き豆。比重の軽い未熟・欠陥豆)は5%を上限とするという基準です。
焙煎上の扱い
ピーベリーは丸い形のため焙煎機のドラムの中で転がりやすく、平豆とは熱の当たり方が異なるとロースター向けの技術解説にあります。密度が高い個体が多く、one crack(一爆ぜ)が平豆より早く小さめに出る傾向があるとも説明されます。「ピーベリーの方が風味の評価が高い」という市場での主張について、ある技術解説は、その根拠とされる酸味・甘み・複雑さの違いは変異そのものではなく栽培条件や個々のロットの違いに起因する可能性があり、限られた研究では変異由来か栽培条件由来かを切り分けられていないと述べています。
どの産地で商品名に出るか
ピーベリーはケニア・タンザニアの公式規則にも定めがありますが、商品名としては、公式にAA・AB等級を使わない産地の商品にもピーベリーの表記が付くことがあります。丸い形ゆえに別ロットとして選別されるという性質(前述)は、大きさの等級を制度として持たない産地でも、ピーベリーだけは別に流通しうることを裏付けています。
買い方の手引き
商品名での書かれ方
生豆の商品名では、「PB」という略記よりも「ピーベリー」という日本語表記や「Peaberry」という英字表記の方がよく使われます。観測所はこれらをまとめてPBのページで扱っています。
産地と必ず一緒に読む
ピーベリーは大きさの等級ではなく現象による区分のため、「PB」や「ピーベリー」という表記だけでは、その豆がケニア・タンザニアの公式規則に基づく選別を経ているのか、公式な規格を持たない産地で丸い豆だけを集めたロットなのかは分かりません。産地名と合わせて読む必要があります。
生豆価格ボードでの比べ方
生豆価格ボードでは、産地と規格の組み合わせで店をまたいで価格を比較できます。PBもAA・ABと同じく、産地ごとに別の行として扱われます。規格の表記が無い単一農園のロットは比較対象になりません。
観測
コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。
ほか11銘柄。