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烏龍茶

ウーロン茶 / OOLONG

萎凋のあと做青で葉の縁だけ酸化を進め、途中で酸化を止めて仕上げる茶。福建・広東・台湾が主産地で、酸化の深さと焙煎の有無で香味の幅が広い。

事実

事実出典階層
ISO 20715:2023(2023年3月の初版)は烏龍茶と青茶を同義とし、工程を萎凋 → 做青と部分的な酸化(aeration)→ 酵素失活(殺青)→ 揉捻・成形 → 乾燥と定義する(3.15)cdn.standards.iteh.aiL1
生産量は福建省が最大で、代表銘柄は福建北部・武夷山の武夷岩茶(大紅袍)、福建南部・安渓県の鉄観音、広東省の鳳凰単欉、台湾の凍頂烏龍茶(南投県)・高山茶・東方美人茶(新竹県)とされる。ja.wikipedia.orgL3
安渓県政府は1998年に鉄観音による貧困脱却の政策を始め、2006年に中国茶葉として初めて「中国有名ブランド」(中国馳名商標)の認証を取得した。生産基地は優良鉄観音10万ムー・緑色(無公害)鉄観音6万ムーとされる。単収130.5kg/ムーは同じ資料の統計(全国農産物成本収益資料汇編2007年版)によるもので、安渓のこの生産基地固有の数値ではなく福建省の烏龍茶生産農家全体の値とされるide.go.jpL1
2007年10月時点の安渓鉄観音の卸値は、低級100〜120元/斤(500g)、中級200〜300元、高級500元以上という帯だったide.go.jpL1
武夷山の岩茶は1938年に崇安茶葉改良場が設立され、国有農場企業の武夷山市茶場正岩集団が中心となる。茶園1万4千ムー(うち国有地9千ムー)、国家資格の評茶師70人を抱えるとされるide.go.jpL1
安渓鉄観音の農家収入は年最低2〜3万元、10〜20万元の農家も珍しくないとされる(2008年時点)ide.go.jpL1
2023年の世界の茶生産660.4万tのうち、烏龍茶の主産国である中国が318.1万tを占め、台湾は国別上位6か国には入らない(茶種別の内訳は無い)teaandcoffee.netL3
烏龍茶の起源は、広東省潮州市の鳳凰山周辺の鳳凰単欉とする説と、宋代の福建省の北苑貢茶に由来するとする学術総説がある。ja.wikipedia.orgL3
武夷山は宋・元・清代を通じて朝廷への献上茶の産地であったとされるide.go.jpL1
日本では1970年代に美容効果が話題となり、伊藤園が缶入りウーロン茶を商品化したとされる。ja.wikipedia.orgL3
台湾の烏龍茶の発酵(酸化)度は、包種茶・高山烏龍が8〜25%、凍頂烏龍が25〜30%、鉄観音が約40%、東方美人が50〜60%とされるtbrs.gov.twL1
中国茶には統一の葉の等級記号は無く、産地や茶種ごとの呼称や1〜5の数値等級が用いられるとされるchadotea.comL3
伊藤園は1980年に世界初の缶入りウーロン茶の販売を開始した。itoen.co.jpL1
伊藤園の缶入りウーロン茶は、1981年3月に全国で発売された。itoen.co.jpL1
台湾の部分発酵茶では、攪拌(浪菁)の初期に茶菁の水分を再分配し、のち葉の細胞を摩擦で傷めてポリフェノールオキシダーゼとカテキンの反応を増やし、発酵の程度を調節する。tbrs.gov.twL1
烏龍茶は日晒しののち室内で数時間萎らせながら繰り返し揉み、葉の縁が赤く変わった頃に釜で殺青し、揉捻・乾燥して作る。o-cha.netL2
高山烏龍茶の製造条件の試験では、萎凋方法・揺青の強さ・静置時間のうち、官能評価点への影響が最も大きかったのは揺青の強さで、静置時間は小さかった。pmc.ncbi.nlm.nih.govL2
烘焙(焙煎)は水分を除いて貯蔵性を高め、荒製の茶の青臭さや雑味を改善して、茶の特有の香りを増す工程である。tbrs.gov.twL1
武夷岩茶・肉桂の焙煎の研究では、110〜115℃で1時間焙煎したのち、同温で16時間の焙煎を3回重ね、各段階の成分を比べた。pmc.ncbi.nlm.nih.govL2
烏龍茶153試料の比較では、焙煎茶は未焙煎茶より揮発性成分の種類が大きく増え、官能ではカラメル様・辛味の評点が高かった。pmc.ncbi.nlm.nih.govL2
窒素施肥量を0〜450 kg/haの4段階で比べた'金萱'の夏茶では、施肥でテアニンが3.30から3.05 mg/gへ下がり、総カテキンは129.92から133.82 mg/gへ上がった。pmc.ncbi.nlm.nih.govL2
同じ試験の秋茶では、窒素300 kg/ha区でテアニン・総ポリフェノール・遊離アミノ酸が有意に増え、総カテキンは有意に減った。pmc.ncbi.nlm.nih.govL2
武夷岩茶の肉桂の生葉で、揺青(約 8 時間・7 回)を含む処理のネロリドール・ジャスミンラクトン・ジャスモン・インドールの量は、静置のみの処理より有意に高かった。pmc.ncbi.nlm.nih.govL2
肉桂の揺青の研究で、長時間の機械的損傷と脱水は、α-リノレン酸代謝の AOS 枝を主に、次いでテルペノイドの MVA 経路を、ジャスモン酸誘導体とセスキテルペンの合成へ傾けた。pmc.ncbi.nlm.nih.govL2
鉄観音の萎凋と做青の工程で、揮発性テルペノイド・フェニルプロパノイド/ベンゼノイド・インドールが増えた。緑葉揮発成分の (E)-2-ヘキセナールと (Z)-3-ヘキセノールは、萎凋でいったん増え、做青の後に減った。pmc.ncbi.nlm.nih.govL2
インドール・ジャスミンラクトン・trans-ネロリドールは烏龍茶の製造中に生じる特徴成分で、葉の細胞を壊した(紅茶の製法に近い)処理のあとでは 3 成分とも減った。doi.orgL2
中国の茶 7 品種の若芽の比較で、緑茶用の福鼎大白茶・龍井43・舒茶早・白毫早は (E)-3-ヘキセノール・フェニルエチルアルコール・フェニルアセトアルデヒド・β-イオノンに富んだ。maxapress.comL2
同じ 7 品種の比較で、烏龍茶用の鉄観音の特徴はヘプタナールとオイゲノール、金萱は (E)-β-オシメン・ゲラニオール・サリチル酸メチルが有意に増え、福建水仙はエステルが最多だった。maxapress.comL2
「清香」烏龍茶 6 品種と加工方式の試験で、品種と加工方式の両方が香気成分の構成に有意に影響し、香りの形成の主要な工程は做青(turn-over)だった。pmc.ncbi.nlm.nih.govL2

百科

製法の定義

烏龍茶(青茶)は、萎凋のあと「做青(ヤオチン)」と呼ばれる、葉を揺すって縁からだけ酸化を進める工程を持つ点が固有で、酵素失活(殺青)で酸化を止めたあと揉捻・成形し、乾燥させます。入手できたISO/DIS 20715:2022(ドラフト版)は烏龍茶と青茶を同義として扱い、この工程(萎凋 → 做青と部分的な酸化 → 殺青 → 揉捻・成形 → 乾燥)で定義しています(確定版ISO 20715:2023の条文そのものは未確認)。慣用的には「半発酵茶」と説明されますが、做青という工程名そのものが烏龍茶固有で、緑茶・紅茶のどちらにも無い工程である点が製法上の核になります。

主な産地と種類

生産量では中国・福建省が最大で、代表銘柄は福建北部・武夷山の武夷岩茶(大紅袍)、福建南部・安渓県の鉄観音です。広東省では鳳凰単欉、台湾では凍頂烏龍茶(南投県)・高山茶・東方美人茶(新竹県)が代表的です。安渓の鉄観音は産地の産業政策として育成された経緯があり、1998年に安渓県政府が鉄観音による貧困脱却の政策を始め、2006年に中国茶葉として初めて「中国有名ブランド」(中国馳名商標)の認証を取得しました。生産基地は優良鉄観音10万ムー、緑色(無公害)鉄観音6万ムーの規模とされます。単収1ムーあたり130.5kgは安渓の生産基地固有の数値ではなく、福建省の烏龍茶生産農家全体の値です(2007年版の統計)。武夷山の岩茶も産業として組織化されており、1938年に崇安茶葉改良場が設立され、国有農場企業の武夷山市茶場正岩集団を中心に、茶園1万4千ムー(うち国有地9千ムー)、国家資格の評茶師70人を抱える体制が報告されています。

統計

2023年の世界の茶生産660.4万tのうち、烏龍茶の主産国である中国は318.1万tを占めますが、台湾は生産量の国別上位6か国には入りません(茶種別の内訳は公表資料に無い)。2008年時点の資料では、安渓鉄観音の農家収入は年最低2〜3万元、10〜20万元の農家も珍しくないとされます。2007年10月時点の安渓鉄観音の卸値は、低級100〜120元/斤(500g)、中級200〜300元、高級500元以上という帯が報告されています。

等級・表記の読み方

中国の烏龍茶には紅茶のような葉の大きさの等級記号(OP/BOP等)は無く、「中国有名ブランド」のような産地の認証や、国有農場の「正岩」といった呼称が使われます。日本の商品名では、産地(台湾/武夷山/鹿谷など)+銘柄(文山包種・凍頂・翠玉・四季春・東方美人・肉桂・奇蘭など)の組み合わせで書かれ、等級記号は付かないのが通例です。

歴史

現在の烏龍茶の祖は、広東省潮州市の鳳凰山周辺で作られる鳳凰単欉であると推測する説があり、宋代の福建省の北苑貢茶に由来するとする学術総説もあります。武夷山は宋・元・清代を通じて朝廷へ献上する茶の産地であったとされる地域で、岩茶の産地としての歴史的な背景になっています。日本では1970年代に美容効果が話題となり、伊藤園が缶入りウーロン茶を商品化したことで、家庭への普及が進みました。伊藤園の沿革は1980年に世界初の缶入りウーロン茶を発売したとしており、1981年3月に全国発売とする資料もあります。

典型として語られる香味

烏龍茶は酸化の度合いによって香味の幅が広いことが語られる茶で、酸化が浅い文山包種は花のような軽やかな香り、酸化が進む鉄観音や岩茶は蘭の花香や焙煎による香ばしさ、酸化が最も深い東方美人は蜜と熟した果実のような甘い香りとして説明されます。これは製法・産地の一般的な傾向として語られる説明であり、個々の商品の評価ではありません。

国内での流通

国内の茶葉ECで観測される烏龍茶の銘柄数・店舗数・価格の分布は、下の観測の節に自動で出ます。

買い方の手引き

商品名の読み方

台湾茶は産地(鹿谷・阿里山等の郷名)+銘柄(東方美人・文山包種・凍頂烏龍等)、または品種名(翠玉・四季春)単独で書かれます。中国茶は産地+茶種(「青茶」の併記)+銘柄の漢字とピンインを併記する店があります(例「武夷山烏龍茶(青茶)/ 武夷肉桂 WUYI ROUGUI」)。国産の和烏龍茶は年+「新茶」+品種+産地+「和烏龍茶」の順で書かれます。

旬と入荷

台湾・中国の烏龍茶は産地の収穫期ごとに入荷します。銘柄ごとの現在の取り扱いは観測銘柄検索で確認できます。

似た表記の見分け

烏龍茶には酸化度に加えて焙煎度(清香型/濃香型)という別の軸があり、同じ銘柄でも焙煎の有無で香味が大きく変わります。ネパール産の紅茶と同じ書式(産地・収穫期・茶園)で「Oolong」とだけ付け足す店もあるため、産地表記だけで台湾・中国産と決めつけないよう注意が必要です。

観測

コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。

17銘柄 / 7店 / 在庫あり 15 / 100g中央値 ¥4,994

AMSU-TEAシャンパンウーロン¥1,652 /100g在庫あり2026-10-24
煎茶堂東京台湾 四季春¥3,872 /100g在庫あり2026-10-24
紅茶の専門店 ティージュ凍頂烏龍茶¥4,918 /100g在庫あり2026-10-24
煎茶堂東京台湾 翠玉¥4,752 /100g在庫あり2026-10-24
煎茶堂東京静岡 烏龍茶 べにふうき¥4,987 /100g在庫あり2026-10-24
煎茶堂東京台湾 白桃烏龍茶 翠玉¥7,800 /100g在庫あり2026-10-24
AMSU-TEA台湾 阿里山高山金萱茶—在庫あり2026-10-24

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