TERM — GRADE / TEA

FOP

フラワリーオレンジペコー / FLOWERY ORANGE PEKOE

紅茶のオーソドックス製法における全葉等級の記号体系の基点で、OPに芯芽(バッド)由来の葉が加わることを示す。

事実

事実出典階層
OP(Orange Pekoe)は、ティップ(芯芽)を含まない全葉紅茶を指す等級名で、この記号体系の出発点として扱われるとされるen.wikipedia.orgL3
スリランカの輸出業者団体 Tea Exporters Association of Sri Lanka(TEA(SL))は、OPを「よく撚られた全葉の茶」と定義し、産地によって水色・味が変わるとしているteasrilanka.orgL2
等級記号の階段はFOP → GFOP → TGFOP → FTGFOP → SFTGFOP1の順に語が積み増され、各段は前段よりティップの比率が高い葉を表すとされるchadotea.comL3
この記号体系は葉の大きさ・外見上の物理的な分類であり、味の評価ではないと明記する資料があるteatrade.co.ukL3
等級記号がどの程度当てはまるかを監査する独立の第三者機関は存在せず、生産者・茶園・輸出業者の自己申告によるものとされるteatrade.co.ukL3
インド茶業委員会(Tea Board of India)の法令・規則・付則の統合文書を通読したが、FOP等の等級名を定義する条項は見当たらなかったteaboard.gov.inL1
インドの茶の公的品質規格 IS 3633(Bureau of Indian Standards)を通読したが、内容は水分・灰分・水溶性エキス等の化学的・物理的基準で、FOP等の葉の等級名を定義する記載は見当たらなかったlaw.resource.orgL1
南インド紅茶の研究団体 UPASI Tea Research Foundationの規格ページも、参照規格としてIS 3633と国際規格ISO 3720を挙げるのみで、いずれも化学的品質基準でありFOP等の等級記号には触れていないupasitearesearch.orgL2
国際規格ISO 3720(Black tea — Definition and basic requirements)は原料植物・製法・化学的基本要件・包装表示を定めるもので、等級記号を定義する規格ではないiso.orgL1
スリランカの輸出業者団体が公開する等級一覧にはOP・OPA・OP1は載るが、FOP・GFOP・TGFOP・FTGFOPは載っておらず、スリランカの取引現場の等級語彙がインドと同一ではないことを示すteasrilanka.orgL2
「オレンジ」は柑橘のオレンジと無関係で、味や香りづけを意味しないと明記する資料があるen.wikipedia.orgL3
「オレンジ」の由来について、オランダ王室オラニエ=ナッサウ家(House of Orange-Nassau)の権威と、オランダ東インド会社の茶輸入への関与から権威づけのために冠したという説があるen.wikipedia.orgL3
もう一つの説として、酸化がよく進んだ葉に見られる銅色・オレンジがかった色合いに由来するという色由来説があるen.wikipedia.orgL3
出典の記事は上記2つの語源説のどちらについても確定的ではないと明記しているen.wikipedia.orgL3

百科

OPを基点にした記号

紅茶のオーソドックス製法の等級記号は、OP(Orange Pekoe)を出発点に、記号を積み増しながら細かく分かれていきます。O(Orange)は柑橘とは無関係の語とされ、由来には諸説があります。P(Pekoe)は芯芽・若葉の表面にある白い産毛を指す語に由来するという説が有力とされます。F(Flowery)は新芽由来の大きい葉、または芯芽を多く含む葉を指す語として使われ、資料によって「大きな葉」に重心を置く説明と「新芽由来の葉」に重心を置く説明があります。G(Golden)は酸化工程で金色がかった色になった若い芯芽を、T(Tippy)は芯芽の比率が高いことを指します。先頭に付くS(SFTGFOPなど)が指す語はSpecial・Super・Finestのいずれかで資料により表記が揺れますが、「同じ等級区分の中で最上位」という位置づけは共通するとされます。末尾に付く数字「1」は、同じ記号の中でのさらに細かい上位区分を表すとされます。

葉の形とティップの量の分類であること

これらの記号は、葉の大きさとティップ(芯芽)の量という外見上の物理的な分類であり、味の評価そのものではないと明記する資料があります。等級記号の階段はFOP → GFOP → TGFOP → FTGFOP → SFTGFOP1の順に語が積み増され、各段が前段よりティップの比率が高い葉を表すとされます。等級がどの程度実際の葉に当てはまるかを監査する独立の第三者機関は存在せず、生産者・茶園・輸出業者の自己申告によるものとされます。

オレンジペコーの語源

「オレンジペコー」の語源には諸説あり、本ページはどちらとも断定しません。ひとつは、オランダ王室オラニエ=ナッサウ家の権威と、オランダ東インド会社の茶輸入への関与から、権威づけのために「オレンジ」を冠したという説です。もうひとつは、酸化がよく進んだ葉に見られる銅色・オレンジがかった色合いに由来するという色由来説です。「Pekoe」の語源についても、アモイ(廈門)方言で「白い産毛」を意味する語(白毫)に由来するという説が有力とされる一方、中国語「白花」(白い花の意)に由来するという仮説も見られますが、後者は出典を欠くと指摘されています。いずれの説も「確定的ではない」とされる点で共通しています。

公的な統一規格が見当たらないこと

FOP・GFOP・TGFOP・FTGFOP・SFTGFOP1のような全葉等級の記号そのものを定義・認証する公的な統一規格は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。インド茶業委員会(Tea Board of India)の法令・規則・付則の統合文書には、これらの等級名を定義する条項が見当たりません。インドの茶の公的品質規格IS 3633(Bureau of Indian Standards)と、南インドの研究団体UPASI Tea Research Foundationが参照する国際規格ISO 3720も、水分・灰分・水溶性エキスなど化学的・物理的な品質基準を定めるもので、葉の等級記号には触れていません。一方、スリランカの輸出業者団体Tea Exporters Association of Sri Lanka(政府機関ではない)が公開する等級一覧には、OP・OPA・OP1という別系統の等級は載るものの、FOP・GFOP・TGFOP・FTGFOPは載っていません。これは、インドを中心に広まったこの記号体系が、産地や取引の場によって運用の実態が異なることを示しています。中国・台湾・日本の単一産地の生産者の多くは、この記号を使わず、品種名・収穫季節・製法名で分類するとされます。

国内での流通

国内の茶葉ECで観測されるFOPの銘柄数・店舗数・価格の分布は、下の観測の節に自動で出ます。

買い方の手引き

商品名での書かれ方

「ニルギリ クオリティーシーズン / ○○茶園 / FOP」のように、産地名・茶園名の後ろに等級記号として付く書かれ方が多く見られます。FOPの後ろに「SUPREME」「シュプリーム」のような語が続く表記も見られますが、観測所ではこうした表記もFOPとしてまとめて扱っています。等級が省かれ、茶園名と収穫期だけが書かれる商品も少なくありません。

内容量と価格の見方

同じ産地・茶園でも収穫期やロットによって単価が変わるため、内容量の違いは100g換算で揃えて比べる目安になります。

ボードでの比べ方

紅茶価格ボードは産地×茶園×収穫期の単位で店をまたいで比べており、等級そのものは比較の鍵にしていません。セット・ティーバッグ・ブレンド商品は比較の対象外です。

観測

コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。

11銘柄 / 3店 / 在庫あり 5 / 100g中央値 ¥2,160