ORIGIN — REGION / COFFEE

セラード

CERRADO / セラードミネイロ / CERRADO MINEIRO

ミナスジェライス州北西部、55市町村からなるブラジル初の原産地呼称取得地域。標高800m以上・アラビカ限定・カッピング80点以上の要件を持ち、平坦な地形を活かした機械収穫が広い。

事実

事実出典階層
セラード・ミネイロ地域はミナスジェライス州北西部(トリアングロ・ミネイロ、アルト・パラナイバ、アルト・サンフランシスコ、ノロエステ・デ・ミナスの各地域)にまたがる55市町村からなる。国レベルの「セラード」はブラジル中央高原に広がるバイオーム(生態系区分)の名で、コーヒー業界がその一部をこの産地名として使っているdatasebrae.com.brL2
原産地呼称の要件として、生産する農園が標高800メートル以上にあることが定められているcafedocerrado.orgL2
セラード・ミネイロ地域の生産者数は約4,500人で、生産量は年600万袋(60キログラム換算)であるcerradomineiro.orgL2
セラード・ミネイロ地域は平坦な地形が特徴で、機械収穫との親和性が高いとされるpatoshoje.com.brL3
パトロシニオは2008年のIBGE統計でミナスジェライス州内の市町村別生産量首位(生産40,315トン=約672,000袋、収穫面積29,600ヘクタール)で、モンテカルメロが25,920トンで2位であるsidra.ibge.gov.brL1
日本・ブラジル両国政府による「セラード農業開発日伯協力事業(PRODECER)」は、1976年の協定を経て、1980年にPRODECER I(ミナスジェライス州西部)が始まったとされるseer.ufu.brL2
セラード・ミネイロ地域はブラジル国内で最も機械収穫の利用率が高い地域とされ、地域の収穫の半数超が機械で行われると推計されるpatoshoje.com.brL3
協同組合コーシュペ(Cooxupé)はスル・デ・ミナス、セラード・ミネイロ、マタス・デ・ミナス、サンパウロ州のメディア・モジアナにわたる360超の市町村から集荷し、セラード・ミネイロはコーシュペの集荷区域の一部に含まれるcooxupe.com.brL1
原産地呼称の管理団体セラード生産者連合(Federação dos Cafeicultores do Cerrado)には9協同組合・6団体が加盟しているとされるcafedocerrado.orgL2
原産地呼称の認定はINPI(ブラジル国立工業所有権院)が行うcafedocerrado.orgL2
原産地呼称の品質要件はアラビカ種限定で、SCAA方式のカッピングで80点以上の品質が必要とされるcafedocerrado.orgL2
生産者は連合に加盟する9協同組合または6団体のいずれかの組合員である必要があり、ロットは加盟協同組合または認定倉庫に保管され、公式のセラード・ミネイロ規格の麻袋と品質・原産地認証シールでの梱包が求められるcafedocerrado.orgL2
セラード(ミナス州)の原産地呼称は、ブラジル特許庁(INPI)に登録番号IG201011として2013年12月31日付で登録された。gov.brL1
セラード(ミナス州)の原産地呼称の対象区域は、1995年のミナスジェライス州農牧局令165号で画定された範囲と定められている。gov.brL1
セラード・ミネイロでのコーヒー栽培の定着には、石灰による酸性土壌の改良と灌漑設備の導入が行われたとされる。santocafezinho.com.brL3
セラード・ミネイロで最初のコーヒー畑は、1970年代にパトロシニオの土地に開かれたとされる。santocafezinho.com.brL3

百科

位置と地形

セラード・ミネイロ地域は、ミナスジェライス州北西部のトリアングロ・ミネイロ、アルト・パラナイバ、アルト・サンフランシスコ、ノロエステ・デ・ミナスの各地域にまたがる55市町村からなります。国レベルの「セラード」はブラジル中央高原に広がるバイオーム(生態系区分)の名前で、コーヒー業界がその一部をこの産地名として使っています。原産地呼称の要件として、生産する農園が標高800メートル以上にあることが定められています。地域は平坦な地形が特徴で、この地形が後述する機械収穫の普及につながっています。パトロシニオは2008年のIBGE統計でミナスジェライス州内の市町村別生産量首位(生産672,000袋、収穫面積29,600ヘクタール)とされ、モンテカルメロが2位とされます。土壌は一般にセラードのバイオーム全体で酸性で栄養分に乏しいとされ、コーヒー導入にあたって石灰施用等の土壌改良が必要だったと学術論文の要約は記していますが、本文は未読で確認できていません。セラードというバイオーム全体は熱帯半湿潤のサバンナ気候で、乾季と雨季が明瞭に分かれ、中心部は標高300〜1,600メートルの広大な台地からなるとされますが、これはセラード・ミネイロ地域に限定した気象・地形の統計ではなく、バイオーム全体の一般的な解説です。

開拓の歴史

日本・ブラジル両国政府による「セラード農業開発日伯協力事業(PRODECER)」は1976年の技術協力協定を経て1979年に正式合意し、1980年にミナスジェライス州西部でPRODECER Iが始動したとされます。この事業の当初の目的は大豆等の穀物増産で、コーヒーは選ばれた多年生作物のひとつだったとされます。セラード・ミネイロへの最初の入植の波はパトロシニオの土地を対象とし、平坦な地形とコーヒー栽培に適した平均気温が誘因になったとされます。ただしこれらの経緯は学術論文の要約経由の情報で、原論文の本文は未読のため確認できていません。1980〜90年代にはコーヒー価格の低迷とブラジルコーヒー院(IBC)廃止が重なり、セラードを含む全国のコーヒー産業が打撃を受けたとされます。

産業構造

セラード・ミネイロ地域全体で約255,000ヘクタールのコーヒー農地があり、生産者数は約4,500人、ブラジル全体の生産量の12.7%を占め、平均生産量は年600万袋(60キログラム換算)とされます。地域はブラジル国内で最も機械収穫の利用率が高い地域とされ、収穫の半数超が機械で行われると推計されています。ミナスジェライス州グアシュペに本部を置く協同組合コーシュペ(Cooxupé)は、スル・デ・ミナス、セラード・ミネイロ、マタス・デ・ミナス、サンパウロ州のメディア・モジアナにわたる360超の市町村から集荷するとされ、セラード・ミネイロはコーシュペの集荷区域の一部にあたります。

品種と精製

品種構成はブラジル全体と同じくブルボン・カティモール・カトゥアイ・カツーラ・マラゴジッペ・ティピカ等ですが、原産地呼称ではアラビカ種のみが対象で、コニロン(ロブスタ)は対象外です。精製もブラジル全体の傾向と同じくパルプドナチュラル・ナチュラル・ウォッシュト(少数)に大別され、セラード・ミネイロに限定した精製比率の統計は確認できていません。機械収穫が広がっている一方で、完熟した実だけを選んで摘む手摘みや、樹上で完熟させてから収穫する方法も一部の農園で行われており、日本の商品名にはこうした収穫方法を示す語が付くことがあります。

原産地呼称・地理的表示

セラード・ミネイロは2005年に産地表示、2013年にブラジルのコーヒーとして初めて原産地呼称を取得しましたが、その経緯自体は親のページに既出です。ここでは要件の中身を記すと、認定はINPI(ブラジル国立工業所有権院)が行い、対象区域は55市町村、生産する農園が標高800メートル以上にあること、品種はアラビカ種限定でSCAA方式のカッピングで80点以上の品質を要件とします。生産者はセラード生産者連合(Federação dos Cafeicultores do Cerrado)に加盟する9協同組合または6団体のいずれかの組合員である必要があり、ロットは加盟協同組合または認定倉庫に保管され、公式規格の麻袋と品質・原産地認証シールでの梱包が求められます。この連合が原産地・品質の証明を担う管理団体で、連合自体の設立年は今回の調査では確認できていません。

典型として語られる香味

ブラジル全体で語られるナッツやチョコレートを思わせる甘さと低めの酸、しっかりしたボディという香味の傾向はセラードのコーヒーにも当てはまるとされます。土壌改良と平坦な地形による安定した栽培管理が、品質の安定した供給につながっていると語られることもありますが、これも産地の傾向として共有される一般的な表現であり、個々のロットの評価ではありません。

買い方の手引き

商品名の読み方

日本の生豆卸の商品名では「ブラジル セラード 手摘み完熟豆」「ブラジル 緑のセラード モンテカルメロ ナチュラル No.2」のように、産地名「セラード」の後に収穫方法(手摘み・樹上完熟豆)や規格(No.2)、まれに市町村名(モンテカルメロ)が続きます。ブラジルの他の産地と同様、地域名より商社の規格語(No.2、17/18等のスクリーンサイズ)やブランド名が前面に出る商品も多く、「セラード」の地域名を単独で冠する商品はブラジル産全体の中では少なめです。

「セラード」と「セラード・ミネイロ」

「セラード」はコーヒー業界の一般的な呼び名で、正式な原産地呼称の対象区域は「セラード・ミネイロ」という55市町村の区域です。日本の商品名では「セラード・ミネイロ」という表記はほとんど見られず、「セラード」とだけ書かれます。「モジアナ」はサンパウロ州側の別の高原地帯の名前で、まれに「セラード」と併記される商品がありますが、本来は別の地域区分です。

収穫と入荷

収穫期のセラード・ミネイロ限定の統計は確認できていませんが、ブラジル全体の収穫期(4〜9月)の乾季(8〜9月)に収穫が重なるとされます。ナチュラル(乾燥式)が中心のため、日本の店にニュークロップが並ぶのは他の産地と同様に年末から翌年にかけてが目安です。

内容量と比較

生豆は1kg・2kg・5kg・10kgといった内容量で流通し、大口の30kg単位の取引も見られます。生豆価格ボードは産地×規格(サントス No.2 17/18等)で店をまたいで比べる形が中心で、「セラード」という地域名だけでは規格が定まらないため、規格の書かれていないロットは比較の対象外です。焙煎豆・焙煎サービスとしての「セラード」表記は今回の観測では見当たりませんでした。

観測

コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。

規格別の相場(生豆・商社規格が読める銘柄だけ)

規格銘柄店100g 中央値
セラード No.222¥297ボードで見る →

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