ORIGIN — COUNTRY / COFFEE

ブラジル

BRAZIL

世界の生産量で首位を占める産地で、広大な農園と乾式(ナチュラル)精製が特徴。商品名には地域名より商社ブランド名(ショコラ等)や規格(No.2 17/18)が前面に出る。

事実

事実出典階層
2025年のミナスジェライス州のコーヒー栽培面積は約138万haで、アラビカの栽培面積の75.2%を占め、国内の総栽培面積は約225万haとされるen.wikipedia.orgL3
USDAの2026年6月年次報告ではアラビカの7割超がミナスジェライス州産とされ、2026年の収穫は同州で栽培面積+5%・単収+20%・生産量+26%(対2025年)と見込まれたfas.usda.govL1
商社が使う地域区分では、ミナスジェライス州内にカルモ・デ・ミナス、セラード・ミネイロ、スル・デ・ミナスがあり、サンパウロ州内にモジアナがあるcafeimports.comL3
セラード・ミネイロ地域は2005年に産地表示(Indicação de Procedência)、2013年に原産地呼称(Denominação de Origem)を取得した。cerradomineiro.orgL2
種の構成はアラビカ約7割・ロブスタ(コニロン)約3割とされ、エスピリトサント州ではロブスタが州内生産の約8割を占めるとされるen.wikipedia.orgL3
収穫期は資料により4月〜9月(エスピリトサント州は10月〜12月)または6月〜9月と幅がある。cafeimports.comL3
収穫は機械または手作業のストリップピッキング(枝ごとしごき落とす)が一般的とされ、中米に多い選択摘みと対照されるcafeimports.comL3
乾燥はほぼ全量が乾式(ナチュラル)で通常8〜10日、条件が悪いと4週間かかる。荷姿は60kg袋(資料により59〜60kg)。en.wikipedia.orgL3
USDAの2026年6月年次報告(BR2026-0025)ではMY2026/27の生産予測は71.9百万袋(60kg換算、前年比+14.1%)で、アラビカ47.5百万袋(+25%)、ロブスタ/コニロン24.4百万袋、MY2025/26は63百万袋、MY2024/25は65.5百万袋とされるfas.usda.govL1
同じ年のブラジル政府側の推計はCONABが66.7百万袋、IBGEが65.1百万袋とUSDA報告に併記されているdailycoffeenews.comL3
世界の供給量の約3分の1を占め、150年にわたり生産量で世界の首位にある。abic.com.brL2
20世紀初頭にはコーヒーが当時のGNPの16%を占めたとされる。ブラジルが8割を占めた時期と対象は、最初の価格安定策の時期(1906〜14年)に世界生産の8割とする記述と、1920年代に国際市場の8割とする記述に分かれる。en.wikipedia.orgL3
農家数の数え方は資料により異なり、農園数は約220,000、雇用者を含めると約350万人、農家と農業労働者をあわせると約360,000とされる。en.wikipedia.orgL3
USDAの予測ではMY2026/27の輸出量は49.07百万袋(前年比+29.6%、うち生豆45百万袋)で、米国のコーヒー輸入に占めるブラジルのシェアは約32%とされるfas.usda.govL1
同報告の国内消費予測はMY2026/27に22.39百万袋、期末在庫は4.425百万袋(前年3.895百万袋)とされるfas.usda.govL1
協同組合コーシュペ(Cooxupé)は1932年に設立され、本部をミナスジェライス州グアシュペに置くcooxupe.com.brL1
コーヒーが総輸出額に占める比率は1850〜1960年代に5割超(1950年63.9%)、1980年に12.3%、2006年に2.5%まで低下した。en.wikipedia.orgL3
商社の規格名は「NY2(欠点数)/Scr17・18(スクリーン=粒の大きさ)/Strictly Soft, Fine Cup(カップ区分)」の3要素で示されることが多い。shop.list-beisler.coffeeL3
COB(Classificação Oficial Brasileira)は、生豆300g中の欠点数で等級を数える分類である。world.gafei.comL3
精製の区分はパルプドナチュラル・ナチュラル・ウォッシュト(少数)の3種で語られるcafeimports.comL3
一般的な栽培品種としてブルボン(イエローブルボンを含む)・カティモール・カトゥアイ・カツーラ・マラゴジッペ・ティピカが挙げられるcafeimports.comL3
ムンドノーボはブルボンとティピカの自然交雑種で、1943年にサンパウロ州ミネイロス・ド・チエテで発見され、IAC(カンピーナス農業研究所)が1943〜52年に選抜、1952年から配布されたvarieties.worldcoffeeresearch.orgL2
カトゥアイはIACがムンドノーボとカツーラを1949年に交配した系統(系統名H-2077)で、1972年にブラジルで商業公開された。赤実・黄実の2系統があるvarieties.worldcoffeeresearch.orgL2
1727年にフランシスコ・デ・メロ・パリェッタがパラー州に最初の株を植え、1770年にリオデジャネイロへ広がった。en.wikipedia.orgL3
1830年代に輸出品の中心となった。世界生産に占める割合は資料により1830年代に3割・1840年代に4割、または1820年に3割・1920年に8割と幅がある。en.wikipedia.orgL3
1975年7月18日の霜害(ブラックフロスト)で生産が壊滅的な打撃を受けた。en.wikipedia.orgL3
2025年の日本の生豆輸入総量は359,382tで、上位3か国(ブラジル・ベトナム・コロンビア)で全体の約4分の3を占める。coffee.ajca.or.jpL2
ブラジルからの日本の生豆輸入量は2024年時点で概算約146,000t・シェア約4割で1位。vietnam-gift.comL3
ミナスジェライスはブラジルの州(連邦構成単位)の一つである。datasebrae.com.brL2
ブラジルは2025年(確々報)の対日コーヒー生豆輸出量が146,619,058kgで、日本の生豆輸入相手国の中で最も多い。coffee.ajca.or.jpL2
ブラジルの2026/27年産コーヒーの収穫は4月に少しずつ始まり、5月中旬までに広く進んだ。fas.usda.govL1

百科

位置づけ

ブラジルは世界の供給量のおよそ3分の1を占め、150年にわたり生産量で世界の首位にあるとされる産地です。中南米の中では珍しく広大な農園で栽培され、収穫のほぼ全量を天日で乾燥させるナチュラル(乾式)精製が主流という点で、他の主要産地と一線を画します。日本の専門店の棚では、他の産地に比べて地域名より商社ブランド名や農園名が前面に出る産地でもあります。

産地

州別ではミナスジェライス州の栽培面積が最も広く(2025年に約138万ha、全国は約225万ha)、以下エスピリトサント・サンパウロ・バイーア・ロンドニア・パラナの各州が続きます。日本の店の商品名によく出てくるのは次の地域名です。

  • セラード(Cerrado): ミナスジェライス州北西部の高原地帯。「セラード・ミネイロ」は2005年に産地表示、2013年に原産地呼称を取得した地域区分です。
  • スル・デ・ミナス(Sul de Minas): ミナスジェライス州南部です。
  • モジアナ(Mogiana): サンパウロ州側の高原地帯です。
  • カルモ・デ・ミナス(Carmo de Minas): ミナスジェライス州南部の小地域で、農園単位のロットで扱われることが多い地名です。
  • バイーア(Bahia): 北東部の州です。
  • エスピリトサント(Espírito Santo): ロブスタ(コニロン)の主産地で、州内生産の約8割をロブスタが占めるとされます。
  • サントス(Santos): サンパウロ州の輸出港の名前ですが、規格語として銘柄名にそのまま残っています。

生産の仕組み: 農園と協同組合

ブラジルのコーヒーは大規模な農園と、農家が加盟する協同組合の両方で支えられています。ミナスジェライス州グアシュペに本部を置く協同組合コーシュペ(Cooxupé)は、1932年に23農家の農業信用組合として設立され、1957年にコーヒー生産者協同組合へ改組しました。収穫は広い農地を活かして機械またはストリップピッキング(枝ごとしごき落とす方法)で行われ、中米に多い選択摘みとは対照的です。摘んだ実はほぼ全量が乾式(ナチュラル)で天日乾燥され、通常8〜10日、条件が悪いと4週間かかるとされます。従事する農家の数え方は資料によって幅があり、Wikipediaは農園約220,000・雇用約350万人とする一方、Cafe Importsは「農家と農業労働者あわせて約360,000」とするなど、数え方の違いによる開きが見られます。

規格

商社の規格名は「NY2(欠点数による等級)/Scr17・18(スクリーン=粒の大きさ)/Strictly Soft, Fine Cup(カップ区分)」の3要素で示されることが多く、日本の生豆卸や大手商社の商品名では「サントス No.2 17/18」のように欠点数とスクリーンの部分だけが使われます。ブラジル独自の分類COB(Classificação Oficial Brasileira)は1949年に倉庫業者を中心に作られたとされ、欠点は生豆300gあたりの数で数えます。

精製

精製はパルプドナチュラル・ナチュラル・ウォッシュト(少数)の3種に大別されます。ナチュラルが主流である点はブラジルの大きな特徴で、乾燥の途中で豆の状態を保つための管理が品質を左右します。

品種

一般的な栽培品種はブルボン(イエローブルボンを含む)・カティモール・カトゥアイ・カツーラ・マラゴジッペ・ティピカです。ムンドノーボはブルボンとティピカの自然交雑種で、1943年にサンパウロ州ミネイロス・ド・チエテで発見され、IAC(カンピーナス農業研究所)が選抜し1952年から配布されました。カトゥアイはIACがムンドノーボとカツーラを1949年に交配した系統で、1972年に商業公開された赤実・黄実の2系統です。日本の商品名では「ショコラ」「ダテーラ」「モンテアレグレ」といった商社ブランド名や農園名が品種名より前面に出る傾向があります。

典型として語られる香味

ブラジルのコーヒーは、ナッツやチョコレートを思わせる甘さと低めの酸、しっかりしたボディの香味として語られることが多く、ブレンドの土台としても扱われます。イエローブルボンは柑橘系の甘さで語られる傾向があります。これらは産地の傾向として一般に共有されている表現であり、個々のロットの評価ではありません。

歴史

コーヒーは1727年にフランシスコ・デ・メロ・パリェッタがパラー州に持ち込んだのが始まりとされ、その後リオデジャネイロへ広がりました(広がった年を1770年とする資料と、リオデジャネイロでの栽培開始を1781年とする資料があります)。1830年代には輸出品の中心となって世界生産の3割を占め、1840年代には4割に達したとされます。コーヒーは20世紀初頭のGNPの16%を占めたと記録されています。ブラジルが8割を占めた時期は、最初の価格安定策の時期(1906〜14年)に世界生産の8割とする記述と、1920年代に国際市場の8割とする記述に分かれます。生産の拡大は広大な土地と労働力によって支えられ、1975年7月18日の大規模な霜害(ブラックフロスト)のような気象災害が繰り返し生産を揺さぶってきました。輸出額に占めるコーヒーの比率は1950年の63.9%から2006年には2.5%まで下がり、経済構造の中での位置づけも変わっています。

買い方の手引き

商品名の読み方

日本の生豆卸や大手商社では「ブラジル」の後に規格(サントス No.2 17/18)またはブランド名(ショコラ、ダテーラ、モンテアレグレなど)が続く表記が多く見られます。農園ロットを扱う店では「Brazil Fazenda ○○」「ブラジル ○○農園」のように農園名(Fazenda・Sitio)が続き、精製語(ナチュラル・パルプドナチュラル)が最後に付きます。コロンビアと違い、産地の地域名(セラード・モジアナ等)より商社ブランド名の方が銘柄名に多く現れるのが特徴です。

規格と精製の見方

「No.2 17/18」は欠点数の等級とスクリーン(粒の大きさ)を組み合わせた表記で、数字が小さいほど良い等級・大きいほど粒が大きいことを示します。精製は「ナチュラル」「パルプドナチュラル(PN)」の表記が中心で、ウォッシュトは少数派です。同じ農園でナチュラルとパルプドナチュラルの2種が並ぶこともあります。

旬と入荷の時期

収穫期はおおむね4月から9月で、乾燥に時間のかかるナチュラルが主流のため、日本の店にニュークロップが並ぶのは年末から翌年にかけてが目安になります。

内容量と価格の目安

観測所の相場は下の「観測」の節に自動で出ます。ブラジルは生豆の大口取引が多く、10kg・大袋30kgといった内容量表記が他の産地より目立ちます。生豆は「No.2 17/18」の規格で店をまたいで比較でき、生豆価格ボードの産地×規格の行がその比較です。

観測

コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。

規格別の相場(生豆・商社規格が読める銘柄だけ)

規格銘柄店100g 中央値
ブラジル No.2249¥337ボードで見る →
ブラジル PB189¥382ボードで見る →
ブラジル No.2 17/18138¥279ボードで見る →
ブラジル 17/1831—ボードで見る →
ブラジル No.2/322¥428ボードで見る →
ブラジル マンデリン11¥650ボードで見る →
ブラジル AA11¥428ボードで見る →

観測した商品

441銘柄 / 60店 / 在庫あり 193 / 100g中央値 ¥980

松屋珈琲ブラジル No.2 17/18 サントス¥178 /100g在庫あり2026-10-24
生豆本舗ブラジル No.2 17/18¥257 /100g在庫あり2026-10-24
小川珈琲ブラジル ベレーダ(粉)150g No.958¥850 /100g在庫あり2026-10-24
Gluck Coffee Spotブラジル BRAZIL Fazenda Rio Brilhante¥1,050 /100g在庫あり2026-10-24
LIGHT UP COFFEEブラジル SAKURA - BRAZIL¥1,160 /100g在庫あり2026-10-24
NOZY COFFEEブラジル Brazil / COQUEIRO¥1,222 /100g在庫あり2026-10-24
unirブラジル パッセイオ [100g・250g]¥1,280 /100g在庫あり2026-10-24
MORIHICO.ブラジル オーガニック—在庫あり2026-10-24
Trunk Coffeeブラジル Brazil - SANTA ROSA—在庫あり2026-10-24

ほか411銘柄。

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ブラジルコーヒー入門 — ミナスジェライスの地図と「No.2 17/18」の読み方 →「ブラジル No.2 17/18」の No.2 は欠点数、17/18 は粒の大きさで、産地でも品種でもありません。ミナスジェライス州を軸にした産地の位置、規格の 3 つの軸、乾式とパルプドナチュラルの違いを、国内 59 店 420 銘柄の実測とあわせて整理します。