「スペシャルティコーヒーは高い」「いい茶葉は高い」——どちらもよく聞く話ですが、実際のところ、どちらが高いのでしょうか。コピチャ観測所が毎朝収集している専門店の実売データで検証してみると、答えは値札の単位によってひっくり返りました。

100gの値札では、茶葉が3.8倍
観測中の759銘柄(8店)のうち、円建てで内容量が判明しているものを100gあたり価格に換算して中央値を取ると:
| 銘柄数 | 100gあたり中央値 | |
|---|---|---|
| コーヒー焙煎豆 | 47 | ¥1,370 |
| 茶葉 | 493 | ¥5,184 |
茶葉はコーヒーの 3.8倍。「茶葉は高い」が数字で出ました……というのは、しかし早計です。
1杯に換算すると、ほぼ同額
コーヒーと茶葉では、1杯に使う量がまるで違います。ハンドドリップの当サイトの基準はコーヒー豆15g(1杯140mL分の例として、粉12g・湯160mLという分量もあります)。一方、紅茶や煎茶は図鑑の淹れ方目安でおおむね3〜4g。1杯あたりに直すと:
| 1杯の使用量 | 1杯あたりの豆・茶葉代 | |
|---|---|---|
| コーヒー | 15g | ¥206 |
| 茶葉 | 4g | ¥207 |
その差、1円。 100gの値札で3.8倍あった差は、カップの中ではほぼ消えます。しかも烏龍茶や中国茶は同じ茶葉で5〜6煎淹れられるので、煎を重ねる飲み方なら1杯あたりはさらに下がります。
実在の銘柄で確かめる
中央値だけでなく、実際の商品でも見てみます(2026-08-29 観測時点)。
- ONIBUS COFFEE のエチオピア〈ウォルカ サカロ〉: ¥1,018/100g → 1杯 ¥153
- TEAPOND の〈キャッスルトン茶園 2nd Flush〉: ¥4,968/100g → 1杯 ¥199
値札では4.9倍違うこの2つも、カップに落とすと50円差に収まります。
なぜ錯覚が生まれるのか
原因は単純で、値札の単位(100g)と消費の単位(1杯)がずれているからです。コーヒーは1杯に15gを使い切る「フロー型」、茶葉は少量を何度も使う「ストック型」。同じ100gでも、コーヒーは約6〜7杯、茶葉は25杯ぶんに相当します。単位あたり価格の比較は、消費の構造が同じもの同士でしか成立しない——買い物一般に効く教訓かもしれません。
検証の条件(正直な注記)
- 数字はすべてコピチャ観測所が2026-08-29朝に機械収集した公開価格からの算出で、手入力はありません
- 観測対象はスペシャルティ系専門店8店。スーパーやコンビニの棚は含まないので、「日本の平均価格」ではなく「専門店の世界での比較」です
- 1杯換算の使用量(コーヒー15g・茶葉4g)は当サイトの抽出基準・図鑑の淹れ方目安に基づく仮定です。濃く淹れる人は両方とも比例して上がります
観測は毎朝更新されるので、最新の相場は観測所で確認できます。気になる銘柄は☆でウォッチリストに入れておくと、値上げ・売り切れが追えます。