ORIGIN — COUNTRY / COFFEE

コンゴ

コンゴ民主共和国 / CONGO / DR CONGO

キブ湖沿岸の南キブ州・北キブ州を中心に、イトゥリ州も産地に挙がる国。内戦と密輸で輸出が減り、協同組合の動きが続く。観測所の棚には現在ない。州名や等級(Kivu 3 など)が手がかり。

事実

事実出典階層
キブ湖沿岸の南キブ州・北キブ州が生産の中心。イトゥリ州も産地として挙げられる。行政区分としては旧キブ州が南キブ・北キブ・マニエマの3州に分かれるcoffeeness.deL3
南キブ(キブ湖畔)は品質面のポテンシャルが高く、農家にとって比較的安定した取引市場があるとされる。クリーミーな質感、穏やかな酸、イチゴ・リンゴ・はちみつ・ナッツのフレーバーが典型として語られるcoffeeness.deL3
北キブはミディアムボディ、高い酸、レモン・ブラックベリー・チョコレート・スパイスの強いフレーバーが典型として語られるcoffeeness.deL3
イトゥリは険しい山岳地帯で、フルボディ・強いアロマと複雑さを持つとされる、孤立した環境で栽培されるcoffeeness.deL3
キブ地域のアラビカは地域ごとに標高が異なり、北キブ(グラン・ノール)1,200〜2,200m・ルジジ1,400〜2,400m・イトゥリ1,600〜1,900mなどで栽培されるとされるcoffeeness.deL3
コンゴはロブスタ種(Coffea canephora)の原産地の一つとされるhelenacoffee.vnL3
公式輸出は2022年の10,424トンから2023年には7,380トンへ減少したstir-tea-coffee.comL3
コンゴ東部の内戦激化(イトゥリ・南北キブから700万人超が避難)と密輸拡大が輸出減の主因とされ、気候変動も一部支援団体の困難として挙げられるstir-tea-coffee.comL3
キブ地域を中心にコンゴは輸出しているとされるが、年間輸出量は資料により大きく異なる(coffeeness.deはスペシャルティグレード・アラビカ約100万袋、sucafina.comは平均年間生産量17万800袋・世界第23位とする)coffeeness.deL3
SOPACDI(Solidarité Paysanne pour la Promotion des Actions Café et Développement Intégré)は東部コンゴの協同組合で、設立年・会員数は資料により、2000年代初頭設立・当初276名・現在ほぼ12,000名、または2001年設立・当初19名・生産開始2008年・フェアトレード認証取得2011年・現在5,000名超、または2003年設立・当初276名・現在1,999名超と幅がある。rootcapital.orgL2
ほぼ10年続いた内戦でコーヒー生産が激減し、和平プロセス開始前はキブ湖を渡っての密輸でコーヒーと食料を物々交換する過程で命を落とす生産者もいたとされるrootcapital.orgL2
等級は上位からKivu 3(K3、緑〜青緑色で欠点なし)・Kivu 4(K4、緑〜黄緑色で大きな欠点なし)・Kivu 5(K5)・Kivu 6(K6)という区分が存在するとされるslideshare.netL3
Kivu 5(K5)は灰緑色〜緑褐色でスクリーン17が44%、割れ豆・発酵臭(foxy)・変色豆・虫食い豆を一部含むとされるslideshare.netL3
Kivu 6(K6)はくすんだ色調で不均一、欠点豆が多数含まれるとされるslideshare.netL3
農家が栽培する主力品種はブルボンで、ベルギー植民地時代(1881年頃〜)にロブスタの正式栽培化と並行して導入されたとされるcoffeeness.deL3
ジャクソン(Jackson)は20世紀初頭にインドで選抜された系統で、1920年代にケニア・タンザニア経由でアフリカへ導入され、World Coffee Researchの遺伝子検査でブルボン系統群に属することが確認されているvarieties.worldcoffeeresearch.orgL2
ミビリジ(Mibirizi)は1910年代にドイツ統治下のルワンダへグアテマラから導入された系統で、1920年代にルワンダ西部ミビリジのカトリック伝道所に配布された。そこで維持された集団がコンゴのムルング(Mulungu)の遺伝資源コレクションへの導入起源になったとされる。varieties.worldcoffeeresearch.orgL2
南キヴ州の協同組合SOPACDIのコーヒーは、1967年以来コンゴで初めて国内最上位の等級「Kivu 2」を得たとされる。sopacdi.comL1
コンゴ民主共和国のコーヒー生産は2025年度でアラビカ5万袋、ロブスタ11万袋、計16万袋(60kg袋)。apps.fas.usda.govL1
コンゴ民主共和国の生産量は2000年度の36.2万袋(ロブスタが約8割)から2025年度の16万袋へ減った。apps.fas.usda.govL1
コンゴ民主共和国の生豆輸出量は2021年度の15万袋から2025年度の6万袋(60kg袋)へ減った。2000年度は15.1万袋。apps.fas.usda.govL1
東部コンゴの協同組合員339人の調査では、組合への出荷と国境を越える非公式市場(密輸経路を含む)への販売が併存していた。doi.orgL2
コンゴ民主共和国のコーヒー・カカオ生産者協同組合のネットワークRCPCAには、南キブの23協同組合・会員5万1,482人が属する見込み。banyanglobal.comL1
ロブスタの商業栽培は1900年ごろ、当時ザイールと呼ばれたコンゴのロマミ川流域から持ち出した素材を起点に始まった。frontiersin.orgL2
ベルギー領コンゴの農学研究所INEACは1930〜1960年のロブスタ育種を主導し、1950年代にはヤンガンビの研究所が中心になった。frontiersin.orgL2
INEACの後継INERAがヤンガンビで管理するコーヒー保存圃は、不安定な情勢と資源不足で壊滅的に減り、記録の多くが失われた。frontiersin.orgL2
サブール・デュ・キブは、コンゴ民主共和国東部のブカブで毎年6月に開く、カッピング品評会と供給網の年次会議。web.archive.orgL1
サブール・デュ・キブの品評会はSCAAの国際基準でカッピングし、基準を満たす国内の生産者団体がサンプルを出せる。2020年は6年目。web.archive.orgL1
日本のコンゴ民主共和国産コーヒー生豆(品目0901.11)の輸入量は2020年の24,773kgから2025年の153,654kgへ増えた。coffee.ajca.or.jpL1

百科

位置と産地

キブ湖沿岸の南キブ州・北キブ州が生産の中心で、イトゥリ州も産地として挙げられる。行政区分としては、旧キブ州が南キブ・北キブ・マニエマの3州に分かれている。

キブ地域のアラビカは地域ごとに標高が異なり、北キブ(グラン・ノール)は1,200〜2,200m、ルジジは1,400〜2,400m、イトゥリは1,600〜1,900mなどで栽培されるとされる。

南キブ(キブ湖畔)は品質面のポテンシャルが高く、農家にとって比較的安定した取引市場があるとされる。クリーミーな質感、穏やかな酸、イチゴ・リンゴ・はちみつ・ナッツのフレーバーが典型として語られる。北キブはミディアムボディ、高い酸、レモン・ブラックベリー・チョコレート・スパイスの強いフレーバーが典型として語られる。イトゥリは険しい山岳地帯で、フルボディ・強いアロマと複雑さを持つとされ、孤立した環境で栽培される。これらは産地の傾向として語られる表現であり、個々のロットの評価ではない。

生産と流通の規模

コンゴ民主共和国のコーヒー生産は、2025年度でアラビカ5万袋、ロブスタ11万袋、計16万袋(60kg袋)。2000年度の36.2万袋(ロブスタが約8割)から減っている。

生豆の輸出量は、2021年度の15万袋から2025年度の6万袋(60kg袋)へ減った。2000年度は15.1万袋だった。公式輸出は2022年の10,424トンから2023年には7,380トンへ減少したとされる。

年間の輸出量の見積もりは資料により大きく異なる。キブ地域を中心にスペシャルティグレードのアラビカで約100万袋とする資料がある一方、平均年間生産量を17万800袋・世界第23位とする資料もある。数字を読むときは、どの資料の、どの年の、何を数えた値かを分けて見る必要がある。

輸出が減った主因として、コンゴ東部の内戦激化(イトゥリ・南北キブから700万人超が避難)と密輸の拡大が挙げられ、気候変動も一部の支援団体の困難として挙げられている。

品種

ロブスタ種(Coffea canephora)は、コンゴが原産地の一つとされる。ロブスタの商業栽培は1900年ごろ、当時ザイールと呼ばれたコンゴのロマミ川流域から持ち出した素材を起点に始まった。

ベルギー領コンゴの農学研究所INEACは1930〜1960年のロブスタ育種を主導し、1950年代にはヤンガンビの研究所が中心になった。INEACの後継INERAがヤンガンビで管理するコーヒー保存圃は、不安定な情勢と資源不足で壊滅的に減り、記録の多くが失われた。

アラビカでは、農家が栽培する主力品種はブルボンで、ベルギー植民地時代(1881年頃〜)にロブスタの正式栽培化と並行して導入されたとされる。ジャクソン(Jackson)は20世紀初頭にインドで選抜された系統で、1920年代にケニア・タンザニア経由でアフリカへ導入され、World Coffee Researchの遺伝子検査でブルボン系統群に属することが確認されている。ミビリジ(Mibirizi)は1910年代にドイツ統治下のルワンダへグアテマラから導入された系統で、1920年代にルワンダ西部ミビリジのカトリック伝道所に配布された。そこで維持された集団が、コンゴのムルング(Mulungu)の遺伝資源コレクションへの導入起源になったとされる。

等級

等級は上位からKivu 3(K3、緑〜青緑色で欠点なし)、Kivu 4(K4、緑〜黄緑色で大きな欠点なし)、Kivu 5(K5)、Kivu 6(K6)という区分が存在するとされる。Kivu 5は灰緑色〜緑褐色でスクリーン17が44%、割れ豆・発酵臭(foxy)・変色豆・虫食い豆を一部含むとされる。Kivu 6はくすんだ色調で不均一、欠点豆が多数含まれるとされる。

南キヴ州の協同組合SOPACDIのコーヒーは、1967年以来コンゴで初めて国内最上位の等級「Kivu 2」を得たとされる。この等級制度の公式な定義文書そのものには、まだ届いていない。

制度と組織

SOPACDI(Solidarité Paysanne pour la Promotion des Actions Café et Développement Intégré)は東部コンゴの協同組合で、設立年・会員数は資料により幅がある。2000年代初頭設立・当初276名・現在ほぼ12,000名とする資料、2001年設立・当初19名・生産開始2008年・フェアトレード認証取得2011年・現在5,000名超とする資料、2003年設立・当初276名・現在1,999名超とする資料がある。

コンゴ民主共和国のコーヒー・カカオ生産者協同組合のネットワークRCPCAには、南キブの23協同組合・会員5万1,482人が属する見込み(2020年6月)。東部コンゴの協同組合員339人の調査(2023年)では、組合への出荷と、国境を越える非公式市場(密輸経路を含む)への販売が併存していた。

サブール・デュ・キブは、コンゴ民主共和国東部のブカブで毎年6月に開く、カッピング品評会と供給網の年次会議。SCAAの国際基準でカッピングし、基準を満たす国内の生産者団体がサンプルを出せる。2020年は6年目だった。

歴史

ほぼ10年続いた内戦でコーヒー生産が激減し、和平プロセス開始前は、キブ湖を渡っての密輸でコーヒーと食料を物々交換する過程で命を落とす生産者もいたとされる。

生産が縮んだ後の現在も、国内の産地は協同組合の取り組みと非公式市場の併存の中にある。本ページは、確認できた事実の範囲にとどめている。なお、キブ湖周辺(南キブ・北キブ)の標高・気候・品種を研究や機関の資料がどう示しているかについては、まだ確かめられた主張が揃っていない。

買い方の手引き

棚での見え方

2026年10月2日時点の観測では、コンゴ産のコーヒーは11件・1店です。種類の内訳は生豆7件、焙煎サービス4件で、焙煎豆として売られている商品はありません。生豆の100gあたりの価格の中央値は220円です。精製の欄はナチュラル3件、ウォッシュト3件です。

商品名は「コンゴ/」の後に、精製(ナチュラル・ウォッシュド)や地域の語(KIVU3 など)、農園名やロットの名が続き、最後に形態(生豆・焙煎サービス・袋の大きさ)を括弧で添える型です。同じロットが生豆と焙煎サービスの両方で並びます。

日本向けの輸入統計では、コンゴ民主共和国産のコーヒー生豆(品目0901.11)が2020年の24,773kgから2025年の153,654kgへ増えています。州名(南キブ・北キブ・イトゥリ)が商品名に出たときは、notesの産地の節を手がかりにしてください。

観測

コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。

生産者(辞書にあるもの)

ムンガノ協同組合3

生産者一覧で見る →

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