ORIGIN — COUNTRY / TEA

熊本

熊本県 / 熊本茶 / くまもと茶 / KUMAMOTO

九州中部の熊本県の茶。球磨地方が県内最大の産地で、丸い形の玉緑茶(蒸し製と釜炒り製)の生産は全国3位、釜炒り茶は山都町と天草地方が主な産地。商品名の「熊本」の後には品種名や製法名が続く。

事実

事実出典階層
熊本県の茶は令和7年に栽培面積が908ha(全国7位)、荒茶生産量が1,140tだった。maff.go.jpL1
熊本県では球磨地方が県内最大の茶産地で、菊池地方や芦北地方では減農薬栽培が行われている。maff.go.jpL1
熊本県の玉緑茶の生産は全国3位で、玉緑茶の主な産地は佐賀県・長崎県・熊本県である。maff.go.jpL1
玉緑茶は煎茶と同様に新芽を蒸して揉み乾燥させるが、形を細長く整える精揉の工程がなく丸みを帯びた形状になる。maff.go.jpL1
釜炒り茶は生葉を蒸さずに鉄製の釜で炒って作る茶で、熊本県では山都町と天草地方が主な産地とされる。jakk.or.jpL2
熊本県の茶園面積706haのうち、やぶきたが69%を占める(令和5年度、農林水産省調べ)。maff.go.jpL1
熊本県の有機JAS認証の茶園は25haで、茶園面積の3.6%にあたる(令和5年度、農林水産省調べ)。maff.go.jpL1
現在の球磨郡相良村の豪族が記した「良峯師高所領譲状案」は、12世紀末に地方で茶が作られていたことを示す文献資料とされる。kumamoto-cha.jpL2
熊本県の茶は、県下最大の産地が人吉・球磨地域で、相良村を中心に大規模な茶団地が形成されている。kumamoto-cha.jpL2
2020年農林業センサスで、熊本県相良村の茶は販売を目的に作付した農業経営体が30、作付面積が107haだった。machimura.maff.go.jpL1
2020年農林業センサスで、熊本県山都町の茶は販売を目的に作付した農業経営体が75、作付面積が66haだった。machimura.maff.go.jpL1
2020年農林業センサスで、熊本県水俣市の茶は販売を目的に作付した農業経営体が13、作付面積が43haだった。machimura.maff.go.jpL1
2020年農林業センサスで、熊本県山鹿市の茶は販売を目的に作付した農業経営体が66、作付面積が47haだった。machimura.maff.go.jpL1
水俣・芦北地域では明治時代から茶が栽培されてきたとされ、ここで作られる紅茶は「みなまた和紅茶」と呼ばれる。minamata-wakoucha.jpL2
上益城郡矢部町(標高450m)の平成4〜7年の試験で、一番茶の摘採期の平均は「みねかおり」が5月15日、「おくゆたか」が5月18日だった。pref.kumamoto.jpL1
本渡市(標高50m)の平成4〜7年の試験で、一番茶の摘採期の平均は「さえみどり」が4月24日、「やぶきた」が4月28日だった。pref.kumamoto.jpL1
農業研究センター茶業研究所(御船町、標高約100m)の平成30〜令和2年平均で、一番茶の摘採期はやぶきた4月29日、さえみどり4月26日、おくみどり5月8日だった。pref.kumamoto.jpL1
平成24年の熊本県の茶の品種構成は、面積割合でやぶきた79%、在来種5%、たかみどり5%、さやまかおり2%だった。maff.go.jpL1
「さえみどり」は、「やぶきた」を母、「あさつゆ」を父とした人工交配品種で、摘採期が「やぶきた」より4日早い早生種である。pref.kumamoto.jpL1
熊本県の茶の1戸当たり栽培面積は、平成17年0.8ha、平成22年1.1ha、平成27年1.1ha(以上は販売農家1戸当たり)、令和2年1.3ha(個人経営体当たり)と推移した。maff.go.jpL1
令和2年産の作物統計で、熊本県の茶は摘採実面積が950ha、荒茶生産量が1,120t(一番茶の荒茶は594t)だった。e-stat.go.jpL1
かまいり製玉緑茶の製造は、いり葉、揉捻、中揉、再乾の工程で行われ、品質への影響が最も大きいのはいり葉機である。pref.kumamoto.jpL1
かまいり製玉緑茶の標準製造法では、いり葉機の炉内に仕切壁を設けて各かまに温度傾斜を与え、温度は固定かまの中央部下で測る。pref.kumamoto.jpL1
熊本県のかまいり製玉緑茶は山間高冷地を主産地として生産され、煎茶や蒸し製玉緑茶とは異なる香味をもつ茶とされる。pref.kumamoto.jpL1

百科

位置と産地

熊本県の茶は、令和7年に栽培面積が908ha(全国7位)、荒茶生産量が1,140tだった。令和2年産の作物統計では、摘採実面積が950ha、荒茶生産量が1,120tで、一番茶の荒茶は594tだった。

県内では球磨地方が最大の茶産地で、菊池地方や芦北地方では減農薬栽培が行われている。県下最大の産地は人吉・球磨地域で、相良村を中心に大規模な茶団地が形成されているとされる。

2020年農林業センサスで販売を目的に茶を作付した農業経営体と作付面積は、相良村が30経営体・107ha、山都町が75経営体・66ha、水俣市が13経営体・43ha、山鹿市が66経営体・47haだった。1戸当たりの栽培面積は、平成17年0.8ha、平成22年1.1ha、平成27年1.1ha(以上は販売農家1戸当たり)、令和2年1.3ha(個人経営体当たり)と推移した。

地方ごとの特徴

地方ごとに見ると、次のようになる。球磨地方(人吉・球磨地域、相良村)は県内最大の産地で、大規模な茶団地がある。菊池地方と芦北地方は減農薬栽培が行われている。芦北地方につながる水俣・芦北地域は、紅茶の「みなまた和紅茶」の名がある。山都町と天草地方は、釜炒り茶の主な産地とされる。山鹿市は、センサスの作付面積が47haの産地である。センサスの数字がある相良村・山都町・水俣市・山鹿市の4市町村のうち、作付面積が最も大きいのは相良村で、2番目は山都町である。

面積の数字の読み方

熊本県の茶の面積は、調査によって呼び方も年も違う。令和7年の908haは栽培面積、令和2年産の950haは作物統計の摘採実面積、令和5年度の706haは品種構成と有機JAS認証の割合を出すときの茶園面積で、同じ年の同じ数字ではない。品種の割合も、平成24年は面積割合でやぶきた79%、令和5年度は茶園面積706haに対してやぶきた69%と、調査の年と母数が違う。

市町村の数字も同じで、2020年農林業センサスの面積は「販売を目的に作付した」経営体のものである。相良村は経営体が30と少ないのに作付面積は107haで、山都町の75経営体・66ha、山鹿市の66経営体・47haと並べると、相良村は1経営体あたりの面積が大きい。県全体の1戸当たり栽培面積が令和2年に1.3haだったのと比べても、相良村の経営体あたりの面積は大きい。

玉緑茶と釜炒り茶

熊本県の玉緑茶の生産は全国3位で、玉緑茶の主な産地は佐賀県・長崎県・熊本県である。玉緑茶は煎茶と同様に新芽を蒸して揉み乾燥させるが、形を細長く整える精揉の工程がなく、丸みを帯びた形状になる。

釜炒り茶は生葉を蒸さずに鉄製の釜で炒って作る茶で、熊本県では山都町と天草地方が主な産地とされる。熊本県のかまいり製玉緑茶は山間高冷地を主産地として生産され、煎茶や蒸し製玉緑茶とは異なる香味をもつ茶とされる。

かまいり製玉緑茶の製造は、いり葉、揉捻、中揉、再乾の工程で行われ、品質への影響が最も大きいのはいり葉機である。標準製造法では、いり葉機の炉内に仕切壁を設けて各かまに温度傾斜を与え、温度は固定かまの中央部下で測る。製法の詳しい流れは茶の製法で何が起きているかに書いている。

品種

熊本県の茶園面積706haのうち、やぶきたが69%を占める(令和5年度、農林水産省調べ)。平成24年の品種構成は、面積割合でやぶきた79%、在来種5%、たかみどり5%、さやまかおり2%だった。

「さえみどり」は、「やぶきた」を母、「あさつゆ」を父とした人工交配品種で、摘採期が「やぶきた」より4日早い早生種である。

摘採の時期

一番茶の摘採期は、場所と品種で違う。上益城郡矢部町(標高450m)の平成4〜7年の試験では、平均が「みねかおり」で5月15日、「おくゆたか」で5月18日だった。本渡市(標高50m)の同じ年の試験では、「さえみどり」が4月24日、「やぶきた」が4月28日だった。

同じ県内でも、標高450mの矢部町の試験は5月中旬で、標高50mの本渡市の試験は4月下旬と、高いところのほうが摘採期は遅い。また本渡市の試験では、早生種のさえみどりがやぶきたより4日早く、これは品種の説明にある「やぶきたより4日早い」と同じ日数である。標高と品種の両方で摘採期が動く。

農業研究センター茶業研究所(御船町、標高約100m)の平成30〜令和2年平均では、やぶきた4月29日、さえみどり4月26日、おくみどり5月8日だった。

栽培の取り組み

熊本県の有機JAS認証の茶園は25haで、茶園面積の3.6%にあたる(令和5年度、農林水産省調べ)。

水俣・芦北の紅茶

水俣・芦北地域では明治時代から茶が栽培されてきたとされ、ここで作られる紅茶は「みなまた和紅茶」と呼ばれる。

歴史

現在の球磨郡相良村の豪族が記した譲状の写し(案)は、12世紀末に地方で茶が作られていたことを示す文献資料とされる。

買い方の手引き

棚での見え方

2026-10-02 の観測では、産地を熊本とする茶葉は 9 件、扱う店は 4 店です。茶種の欄は緑茶が 8 件、紅茶が 1 件です。摘み取りの時期の欄が「新茶」の商品は 5 件で、等級の欄が付いた商品はありません。100g あたりに換算した価格の中央値は 6,533 円です。店の説明文から取り出せた風味の系統の語はありません。

商品名の型

商品名は大きく 3 つの型に分かれます。1 つ目は「年 + 新茶 + 品種名 + 熊本の地名 + 蒸しの度合い + 容器」の順に並ぶ型で、たとえば「2026年 新茶 さえあかり-熊本益城-浅蒸し煎茶‐ 茶缶」のように、同じ茶で茶缶とパッケージタイプが別の商品になります。2 つ目は、番号とローマ字の名、品種名(かなやみどり・あさのか・在来)、製法名(釜炒り)が並ぶ型です。3 つ目は、店が「熊本県産」と書いた加工品や詰め合わせで、夏摘みの紅茶、青いほうじ茶、ハーブを合わせた煎茶のティーバッグ、玄米の商品が同じ産地欄に入ります。

産地欄が熊本でも、茶葉そのものか加工品かは商品名で見分ける必要があります。釜炒りと商品名にある茶は、次の節の釜炒り製玉緑茶にあたります。

観測

コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。

茶種の内訳

緑茶8