ORIGIN — COUNTRY / TEA
アッサム
ASSAM
インド北東部、ブラマプトラ川流域の低地で作られる紅茶の産地。インドの紅茶生産量の約半分を占め、CTC製法とオーソドックス製法の両方が作られる。商品名には茶園名・収穫期・等級が並び、茶園名のカタカナ表記が店によって揺れる。
事実
| 事実 | 出典 | 階層 |
|---|---|---|
| アッサムはブラマプトラ川の両岸の低地で栽培される。ダージリンやニルギリの高地とは対照的な平地の産地で、土壌は粘土質 | en.wikipedia.org | L3 |
| アッサム州の面積は78,438km²。熱帯モンスーン気候で、夏の気温は日中35〜38℃程度まで、冬は6〜8℃程度まで下がる。農業は南西モンスーンの雨に大きく依存する | en.wikipedia.org | L3 |
| 上アッサムのディブルガル(Dibrugarh)は標高108m、年降水量2,518.3mm。最多雨月は7月(485.0mm)と8月(394.3mm)で、年平均気温は日中28.5℃・夜間18.8℃程度 | en.wikipedia.org | L3 |
| モンスーン期には1日250〜300mmの雨が降る日もあり、日中36℃前後の高温多湿になるとされる | en.wikipedia.org | L3 |
| 州政府の調査ではブラマプトラ渓谷14県のうち上アッサムの5県に小規模生産者の94%が集中し、なかでもディブルガル・ティンスキアの2県で55%を占める | industries.assam.gov.in | L1 |
| ディブルガルは「Tea City of India」と呼ばれる。小規模生産者開発局とABITA(Assam Branch Indian Tea Association)Zone Iの本部が置かれ、最初の茶園はディブルガルから約20マイルのチャブア(Chabua)にあったとされる | en.wikipedia.org | L3 |
| 州南部のバラク渓谷(中心都市シルチャル)はブラマプトラ渓谷とは別の産地区分。2025年の州全体の生産687.76百万kgのうち651.08百万kgがブラマプトラ渓谷で、残りがバラク渓谷とされる | etvbharat.com | L3 |
| 収穫期(フラッシュ)はファーストフラッシュが3月下旬から始まり、その後セカンドフラッシュに移る。セカンドフラッシュはティップの多い「tippy tea」として扱われるとされる | en.wikipedia.org | L3 |
| Tea Board of Indiaの月別生産量(2024年)は1月0.16・2月0.30・3月21.45・4月43.17・5月50.17・6月75.91・7月79.55・8月104.46・9月89.98・10月111.52・11月66.44・12月6.33(百万kg。4〜12月は暫定値)と報じられ、12〜2月がほぼ休眠期、8〜10月が生産の山になる | sentinelassam.com | L3 |
| アッサムの茶樹はCamellia sinensis var. assamica(アッサム種・大葉種)から製造される | en.wikipedia.org | L3 |
| 2024年のアッサムの生産量は649.84百万kg(2023年は688.33百万kg)で、インド全体1,284.78百万kgに対するシェアは50.58%と報じられている | sentinelassam.com | L3 |
| 2025年のアッサムの生産量は687.76百万kg(前年比約5%増、全国の約50%)、インド全体1,369.98百万kgで、西ベンガル州411.18百万kg、ダージリンは5.30百万kgと報じられている | etvbharat.com | L3 |
| アッサム州政府はこの産業を約172年の歴史があるとし、州の茶産業は年平均630〜700百万kgを生産し、インド全体の生産量・茶園面積のいずれも半分を超えるとしている | industries.assam.gov.in | L1 |
| アッサムの茶園数は大茶園が約800、小茶園が約1,150と報じられている | etvbharat.com | L3 |
| 州政府の調査では、小規模生産者は14県で68,465戸、うち上アッサム5県に64,519戸(94%)が集中し、栽培面積は117千エーカー、生葉生産量は400百万kgに上る | industries.assam.gov.in | L1 |
| ガウハティ茶オークションセンター(Guwahati Tea Auction Centre)は1970年9月25日に開設され、世界で扱う量が最も多いとされるCTC(crush-tear-curl製法)のオークションとされる | industries.assam.gov.in | L1 |
| 研究機関のトックライ(Tocklai)研究所は1911年にジョルハット近郊に設立された | industries.assam.gov.in | L1 |
| Indian Tea Associationは1879年にロンドン、1881年にコルカタで設立された | en.wikipedia.org | L3 |
| 「Assam Orthodox」は地理的表示(GI)を取得している(取得年は資料によって記載が食い違うため、ここでは年を記さない)。インドで最初にGIを取得した紅茶はダージリン紅茶(2003年)とされる | assamtimes.org | L3 |
| 等級記号は葉の大きさと外観(ティップの量)を表す分類で、味の品質を直接表すものではないとされる | en.wikipedia.org | L3 |
| ホールリーフの等級はOP(長い針金状の葉、ティップ無し)からFOP、GFOP、TGFOP(ネパール・ダージリン・アッサムで主に使われる等級)、FTGFOP、SFTGFOP/STGFOP(上位)の順で並び、末尾の「1」はその等級の中でもさらに上位を示す。「CL」はクローナル(挿し木で増やした選抜系統)を示すとされる | en.wikipedia.org | L3 |
| ブロークン等級はBOPがアッサム・セイロン・南インド・ジャワ・中国で主に使われる等級とされる。ファニングス・ダストのOF・PFはティーバッグ向けの細かい粒を指す | en.wikipedia.org | L3 |
| 1823年、Robert Bruceがアッサムの茶の木に出会ったとされ、Maniram DewanがBruceをSingpho族の首長Bessa Gamに引き合わせたと伝わる | en.wikipedia.org | L3 |
| 政府による最初の茶園は1833年、Lakhimpur県に開かれたとされる | industries.assam.gov.in | L1 |
| 1837年に製茶に成功し、1839年にAssam Companyが設立された。1859年にはJorhat Tea Companyが設立された | industries.assam.gov.in | L1 |
| 最初の茶は1838年にロンドンへ出荷され、1839年1月に競売にかけられたとされる | en.wikipedia.org | L3 |
| 製茶のために招かれていた中国人の職人は1843年にアッサムを去り、以後は現地の労働力で運営されるようになった | en.wikipedia.org | L3 |
| 日本の紅茶輸入は2024年確定値で15,039,494kg・146億5,034万円(前年比数量+10%・金額+9%)、2023年は13,703,584kg・134億5,978万円だった | tea-a.gr.jp | L2 |
| 日本の紅茶輸入の形態別内訳(2024年)は個包装(3kg以下)が1,711,717kg・61億6,458万円、バルクが13,327,777kg・84億8,576万円 | tea-a.gr.jp | L2 |
百科
位置と地形
アッサムはインド北東部、ブラマプトラ川の両岸に広がる低地で茶が栽培される。ダージリンやニルギリの高地とは対照的な平地の産地で、土壌は粘土質。州の面積は78,438km²、気候区分は熱帯モンスーンで、夏の気温は日中35〜38℃程度まで、冬は6〜8℃程度まで下がる、農業は南西モンスーンの雨に大きく依存する。上アッサムのディブルガル(Dibrugarh)は標高108m、年降水量2,518.3mmで、最多雨月は7月(485.0mm)と8月(394.3mm)、年平均気温は日中28.5℃・夜間18.8℃程度。モンスーン期には1日250〜300mmの雨が降る日もあり、日中36℃前後の高温多湿になるとされる。
産地の中の区分
茶園はブラマプトラ渓谷14県に分布し、州政府の調査では上アッサムの5県に小規模生産者の94%が集中し、なかでもディブルガル・ティンスキアの2県で55%を占める。ディブルガルは「Tea City of India」と呼ばれ、小規模生産者開発局とABITA(Assam Branch Indian Tea Association)Zone Iの本部が置かれる。最初の茶園はディブルガルから約20マイルのチャブア(Chabua)にあったとされる。州南部のバラク渓谷(中心都市シルチャル)はブラマプトラ渓谷とは別の産地区分で、2025年の州全体の生産687.76百万kgのうち651.08百万kgがブラマプトラ渓谷、残りがバラク渓谷とされる。
歴史
1823年、Robert Bruceがこの地の茶の木に出会ったとされ、Maniram DewanがBruceをSingpho族の首長Bessa Gamに引き合わせたと伝わる。1830年代初めにはCharles Bruceがカルカッタの植物園に標本を送り、1833年には政府による最初の茶園がLakhimpur県に開かれた。1837年に製茶に成功し、1839年にAssam Companyが設立され、1859年にはJorhat Tea Companyが設立された。最初の茶は1838年にロンドンへ出荷され、1839年1月に競売にかけられたとされる。製茶のために招かれていた中国人の職人は1843年にアッサムを去り、以後は現地の労働力で運営されるようになった。1888年までにはインドからの茶の輸入が中国からの輸入を上回ったとされる。研究機関のトックライ(Tocklai)研究所は1911年にジョルハット近郊に設立され、業界団体のIndian Tea Associationは1879年にロンドン、1881年にコルカタで設立された。ガウハティ茶オークションセンター(Guwahati Tea Auction Centre)は1970年9月25日に開設され、世界で扱う量が最も多いとされるCTCのオークションとされる。「Assam Orthodox」は地理的表示(GI)を取得しているが、取得年は資料によって記載が食い違うため、ここでは年を記さない。インドで最初にGIを取得した紅茶はダージリン紅茶(2003年)である。
生産の仕組みと統計
アッサム州政府はこの産業を約172年の歴史があるとし、州の茶産業は年平均630〜700百万kgを生産し、インド全体の生産量・茶園面積のいずれも半分を超えるとする。大茶園は約800、小茶園は約1,150とされる。州政府の調査では、小規模生産者は14県で68,465戸、うち上アッサム5県に64,519戸(94%)が集中し、栽培面積は117千エーカー、生葉生産量は400百万kgに上る。Tea Board of Indiaの数値を報道が引用したところでは、2024年のアッサムの生産量は649.84百万kg(2023年は688.33百万kg)で、インド全体1,284.78百万kgに対するシェアは50.58%。2025年はアッサム687.76百万kg(前年比約5%増、全国の約50%)、インド全体1,369.98百万kgで、西ベンガル州411.18百万kg、ダージリンは5.30百万kgと報じられている。月別の生産量(2024年、Tea Board)は1月0.16・2月0.30・3月21.45・4月43.17・5月50.17・6月75.91・7月79.55・8月104.46・9月89.98・10月111.52・11月66.44・12月6.33(いずれも百万kg、4〜12月は暫定値)で、12〜2月がほぼ休眠期、8〜10月が生産の山になる。
品種と製法
アッサムの茶樹はCamellia sinensis var. assamica(アッサム種、大葉種)で、ダージリンなどで使われる中国種より葉が大きい。ホールリーフの等級はOP(長い針金状の葉、ティップ無し)からFOP、GFOP、TGFOP(ネパール・ダージリン・アッサムで主に使われる等級)、FTGFOP、SFTGFOP/STGFOP(上位)へと、ティップ(芯芽)の割合が多いほど段階が上がる。末尾の「1」はその等級の中でもさらに上位を示し、「CL」はクローナル(挿し木で増やした選抜系統)を示す。ブロークン(砕いた葉)の等級はBOPがアッサム・セイロン・南インド・ジャワ・中国で主に使われ、ファニングス・ダストのOF・PFはティーバッグ向けの細かい粒を指す。これらの等級記号は葉の大きさと外観を表す分類で、味の品質を直接表すものではない。ガウハティのオークションは世界で扱う量が最も多いとされるCTC(crush-tear-curl、茶葉を潰して丸める製法)を扱う一方、「Assam Orthodox」はオーソドックス製法(萎凋・揉捻・発酵・乾燥)で作られる紅茶のGIで、CTCと並ぶもう一つの流れを示す。
収穫期
収穫期(フラッシュ)はファーストフラッシュが3月下旬から始まり、その後セカンドフラッシュに移る。セカンドフラッシュはティップの多い「tippy tea」として扱われる。月別の生産統計では8〜10月が生産の山だが、日本の店で強調されるのはセカンドフラッシュ(初夏の収穫)であることが多い。
典型として語られる香味
アッサムの紅茶は、麦芽を思わせるコクのある香り(モルティ)と濃い水色で語られることが多く、ミルクや砂糖を加える飲み方に向くとされる。これは産地全体の一般的な傾向として語られる表現であり、個々のロットの評価ではない。
日本との関係
日本の紅茶輸入は2024年確定値で15,039,494kg・146億5,034万円(前年比数量+10%・金額+9%)、2023年は13,703,584kg・134億5,978万円だった。形態別では個包装(3kg以下)が1,711,717kg・61億6,458万円、バルクが13,327,777kg・84億8,576万円。輸入先の国別内訳(インドの数量・シェア)は財務省貿易統計を基にした年ごとのPDFで公開されているが、本調査ではPDFを開けておらず確認できていない。
買い方の手引き
商品名の読み方
アッサムの専門店の商品名は、産地・収穫期・茶園名・等級の4つの要素が並ぶことが多く、「アッサム セカンドフラッシュ ハティアリ茶園 STGFOP1」のように順序は店によって異なります。茶園名はカタカナ表記の揺れが大きく、同じ茶園でも店によって「ハルマリ」「ハルムッティー」のように違う表記になることがあるため、茶園名で探す場合は複数の表記を試してください。
CTCとオーソドックスの見分け方
「CTC」と書かれた商品は、茶葉を潰して丸める製法で作られたもので、短時間で濃く出るためミルクティーやチャイに向くとされます。等級記号にCTC BOP・CTC PFのように「CTC」が付くものはこの製法です。等級記号だけでSTGFOP1・FTGFOP1・TGBOPのように書かれている場合はオーソドックス製法(萎凋・揉捻・発酵・乾燥を経る製法)であることが多く、等級記号は葉の大きさと外観を表すもので、味の格付けではありません。
収穫期と入荷
ファーストフラッシュは3月下旬から、セカンドフラッシュはその後に摘まれます。日本の専門店の商品名にはセカンドフラッシュが圧倒的に多く、オータムナル(秋摘み)は少数です。年号が商品名に入っている場合はその年の収穫を示しますが、「熟成」を謳う商品では収穫年と開封年が両方書かれることがあるため、どちらの年か確認してください。
内容量
専門店は30g・50g・100g前後が目安で、ティーバッグは個数や重量が段階的に書かれます。業務用のCTCは250g・300g・500g・1kg単位で扱われることもあります。
導線
下の「観測」の節には、アッサムの紅茶を扱う店と商品数、100g換算の価格帯が自動で出ます。紅茶価格ボードでは産地×茶園×収穫期で店をまたいで比べられます。
観測
コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。
茶種の内訳
紅茶95
観測した商品
ほか65銘柄。
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