ORIGIN — COUNTRY / TEA
鹿児島
鹿児島県 / KAGOSHIMA
令和6年産で荒茶生産量が全国1位となった茶産地。知覧・霧島・志布志など複数の産地ブランドが並立し、全国平均よりやぶきた比率が低く多様な品種構成を持つ。県単位の「鹿児島茶」と下位地名の「知覧茶」の両方の表示が商品名に使われる。
事実
| 事実 | 出典 | 階層 |
|---|---|---|
| 鹿児島県茶生産協会の産地紹介ページは南九州市・霧島市・志布志市・枕崎市等の市町村単位で構成され、知覧・頴娃・溝辺・有明という地区名の個別ページは無い。『荒茶生産量ベスト10(令和7年)』では南九州市48.5%・志布志市15.1%・霧島市7.8%・枕崎市6.2%等となっている。 | kagoshima-cha.or.jp | L2 |
| 鹿児島県の茶園は99.6%が平坦地(全国平均52.3%)で、摘採は乗用型摘採機、一部でロボット摘採機も使われるとされる | kagoshima-cha.or.jp | L2 |
| 鹿児島県の新茶の出荷は3月末頃から始まる。 | pref.kagoshima.jp | L1 |
| 種子島では鹿児島県本土よりさらに早い3月下旬から茶が収穫され『大走り新茶』と呼ばれる。県本土は4月前半に『走り新茶』として流通し、全国で最も早い新茶の産地とされる。 | nihoncha-magazine.com | L3 |
| 鹿児島県では四番茶まで摘採が続き、4月上旬の一番茶に始まり二番茶・三番茶を経て8月中旬まで途切れることなく摘採できるとされる | karen-ja.or.jp | L2 |
| 令和6年産の荒茶生産量は27,000t、全国シェア36.5%で全国1位。 | pref.kagoshima.jp | L1 |
| 令和6年の茶栽培面積は8,150ha、全国シェア23.2%で全国2位。 | pref.kagoshima.jp | L1 |
| 栽培面積は令和元年8,400ha→令和6年8,150ha、生産量は令和元年28,000t→令和6年27,000tだが、この間に生産量は23,900tまで落ち込むなど大きく変動しながら推移している。 | ocha-kagoshima.jp | L2 |
| 令和6年産で鹿児島県が初めて荒茶生産量全国1位になった。 | customs.go.jp | L1 |
| 令和7年産一番茶の荒茶生産量は鹿児島8,440t(前年並み)、静岡8,120t(前年比−19%)で鹿児島が上回り、摘採面積は静岡10,500ha(−9%)、鹿児島7,670ha(−2%)だった。 | nikkei.com | L3 |
| 三番茶以降の生産量は全国の約4割を占める。 | pref.kagoshima.jp | L1 |
| 令和7年度のてん茶生産量は2,670t、紅茶生産量は158tで、いずれも全国1位。 | kagoshima-cha.or.jp | L2 |
| 令和6年の鹿児島県内からの茶の輸出額は1億72百万円、輸出数量220tで九州管内1位だが、単価の高い粉末(抹茶等)の比率が低いため輸出額は伸び悩んでいると分析されている。 | customs.go.jp | L1 |
| 南九州市では「知覧茶」「川辺茶」「頴娃茶」の3銘柄が並立していたが、2017年4月に3銘柄を「知覧茶」に統一する取組みが始まった | atpress.ne.jp | L3 |
| 知覧茶は南九州市で栽培される緑茶で、令和7年度の栽培面積は3,371ha、荒茶生産量は14,542tである。 | city.minamikyushu.lg.jp | L1 |
| 南九州市は全国茶品評会「普通煎茶10kgの部」の産地賞を連続受賞し、2024年の第78回で5年連続1位となったが、2025年は霧島市に産地賞を譲ったとされる | ja.wikipedia.org | L3 |
| 霧島市は2007年に茶のブランド名を統一し、全国茶品評会で7回産地賞を受賞、有機JAS認証茶園面積は日本一とされる | kagoshima-cha.or.jp | L2 |
| 鹿児島県のやぶきた比率は約30%(全国平均は約70%)で、多様な品種構成とされる | kagoshima-cha.or.jp | L2 |
| 知覧茶は、ゆたかみどり・やぶきた・さえみどり・あさつゆの4品種で、植栽されている品種の約8割を占める。 | city.minamikyushu.lg.jp | L1 |
| さえみどりは1969年に枕崎(農林省茶業試験場枕崎支場)で「やぶきた」を母、「あさつゆ」を父として交配され、一番茶の新葉の色沢が鮮緑であることから命名、1990年に登録された | city.minamikyushu.lg.jp | L1 |
| ゆたかみどりは静岡県の茶業試験場でY-2の系統名で育成され、1966年に鹿児島県が『ゆたかみどり』と命名した。 | shimo.co.jp | L1 |
| 知覧茶には鎌倉時代に平家の落人が北部山間地「手蓑」で茶栽培を始めたという伝承がある | ja.wikipedia.org | L3 |
| 知覧では、1872年(明治5年)に島津氏の払下げの山野を開墾したことが茶栽培の始まりとされる | ja.wikipedia.org | L3 |
| 知覧茶は鹿児島県南九州市で作られる茶で、鹿児島県内の茶の産地の一つである。 | city.minamikyushu.lg.jp | L1 |
| 鹿児島県の令和6年(2024年)産荒茶生産量は27,200トンで、統計開始以来初めて都道府県別で全国最多となった。 | tea-sanrokuen.com | L3 |
| 鹿児島県は令和7年産一番茶の荒茶生産量で、主産県を対象とする調査で初めて全国1位となった。 | maff.go.jp | L1 |
| 茶園の敷草には、土壌侵食の防止、乾燥と肥料養分の流亡の抑制、腐植増加による保肥力・保水力の向上、雑草発生の抑制、地温変化の緩和の効果があるとされる。 | pref.kagoshima.jp | L1 |
百科
位置と地形
鹿児島県は九州本土の南端に位置し、薩摩半島と大隅半島、および種子島・屋久島など離島を含む。県内の茶園は南薩台地を中心とする南九州市(知覧・頴娃)、霧島市(霧島・溝辺)、志布志市・大隅半島(志布志・有明)、薩摩半島南西の枕崎など複数の産地に分布する。鹿児島県の茶園は99.6%が平坦地で、全国平均52.3%を大きく上回る。平坦な地形のため摘採には乗用型摘採機が広く使われ、一部でロボット摘採機も導入されているとされる。
産地の中の区分
鹿児島県茶生産協会の産地紹介は南九州市・霧島市・志布志市・枕崎市等の市町村単位で、知覧・頴娃・溝辺・有明という地区名の個別ページはない。このうち知覧茶は南九州市(南薩台地を中心とする地域)で栽培される緑茶で、令和7年度の栽培面積は3,371ha、荒茶生産量は14,542tである(南九州市の茶業統計)。南九州市は全国茶品評会「普通煎茶10kgの部」の産地賞を連続受賞し、2024年の第78回で5年連続1位となったが、2025年は霧島市に産地賞を譲ったとされる。霧島市は2007年に茶のブランド名を統一し、全国茶品評会で7回産地賞を受賞、有機JAS認証茶園面積は日本一とされる。
歴史
鹿児島県の茶栽培はおよそ800年前に始まったとされる。知覧では鎌倉時代に平家の落人が北部山間地「手蓑」で茶栽培を始めたという伝承があり、明治5年(1872年)に島津氏の払下げの山野を開墾したのが栽培の始まりとされる。県全体としては第二次大戦後に組織的な茶業振興が始まり、1965年頃から積極的な開発政策が進められたとされる。2007年12月1日には知覧町・川辺町・頴娃町が合併して南九州市が発足し、合併後も「知覧茶」「川辺茶」「頴娃茶」の3銘柄が並立していたが、2017年4月に3銘柄を「知覧茶」に統一する取組みが始まった。
生産の仕組みと統計
令和6年産の荒茶生産量は27,000t、全国シェア36.5%で全国1位と鹿児島県が記載している。栽培面積は令和6年で8,150ha、全国シェア23.2%で全国2位(静岡県に次ぐ)とされる。鹿児島県茶業会議所の統計によれば栽培面積は令和元年8,400ha・令和6年8,150haと緩やかに減少する一方、生産量は令和元年28,000t・令和6年27,000tだが、この間に23,900tまで落ち込むなど大きく変動しながら推移している。長崎税関の資料は令和6年産で鹿児島県が統計開始以来初めて荒茶生産量全国1位になったと記載しているが、農林水産省の原統計ページは本調査で確認できていない(原典未確認)。農林水産省統計を報じた記事によれば、令和7年産一番茶の荒茶生産量は鹿児島8,440t(前年並み)、静岡8,120t(前年比−19%)で鹿児島が上回り、摘採面積は静岡10,500ha(−9%)、鹿児島7,670ha(−2%)だった。鹿児島県は三番茶以降の生産量が全国の約4割を占めるとも記載しており、一番茶に偏らない生産構造がうかがえる。令和6年の鹿児島県内からの茶の輸出額は1億72百万円、輸出数量220tで九州管内1位だが、単価の高い粉末(抹茶等)の比率が低いため輸出額は伸び悩んでいると分析されている。
収穫期
鹿児島県は新茶の出荷が「3月末頃から」始まると記載している。種子島(西之表市・南種子町)では鹿児島県本土よりさらに早い3月下旬から茶が収穫され「大走り新茶」と呼ばれ、県本土は4月前半に「走り新茶」として流通し全国で最も早い新茶の産地とされるが、この呼称の一次資料は本調査で確認できていない(未確認)。摘採は4月上旬の一番茶に始まり二番茶・三番茶を経て8月中旬の四番茶まで、途切れることなく続けられるとされる。
品種
鹿児島県のやぶきた比率は約30%で、全国平均(約70%)を大きく下回り、多様な品種構成とされる。知覧茶はゆたかみどり・やぶきた・さえみどり・あさつゆの4品種で、植栽されている品種の約8割を占める。さえみどりは1969年に枕崎(農林省茶業試験場枕崎支場)で「やぶきた」を母、「あさつゆ」を父として交配され、一番茶の新葉の色沢が鮮緑であることから命名された。登録年は、1990年(茶農林40号)とする資料と、農研機構の茶品種ハンドブックの1991年11月19日(登録番号2881)とする資料があり、割れている。ゆたかみどりは「あさつゆ」の実生で、農林省茶業試験場(静岡県金谷)でY-2の系統名で育成され1966年に鹿児島県の奨励品種に登録されたとされるが、この経緯は茶商の社史ページに依っており一次資料では確認できていない(未確認)。鹿児島県茶業会議所によれば令和7年(度)の碾茶(てん茶)生産量は2,670t、紅茶生産量は158tで、いずれも全国1位とされる。
規格・表示
知覧・霧島・志布志(有明)・枕崎など下位の産地区分はそれぞれ独自のブランド名を持ち、産地としての品評会実績や有機認証面積などが個別に語られる一方、県全体をまとめる公式な表示基準(配合比率の定義等)は本調査では見つからなかった。専門店の商品名では品種名(さえみどり・あさつゆ・おくみどり・ゆたかみどり)を先頭に出し「鹿児島茶」という県単位の表記を添える型と、下位地名「知覧」を単独のブランド名として掲げる型の両方が見られる。
観測の注記
kopi+cha観測所の産地判定は「知覧」を「鹿児島」とは別の産地として扱っており、商品の産地が「知覧」となっている銘柄が存在する。産地が「知覧」の銘柄は、2026年10月から独立した産地ページ「知覧」で扱っている(それまでは本ページに統合していた)。また、観測対象の産地表記が「鹿児島」であっても、気候・栽培条件の異なる屋久島など離島産の商品が含まれる場合があり、産地区分として一括りに扱う際は注意が必要である。
買い方の手引き
表示の使い分け
専門店の商品名では、下位地名の「知覧」を単独のブランド名として掲げる「知覧茶」と、県単位の「鹿児島茶」「鹿児島県産」の表記の両方が使われます。県内には霧島・志布志・枕崎など他の産地ブランドもありますが、これらは知覧ほど頻繁には商品名に出てきません。産地の証明として下位地名を重視する場合は、どちらの表記かを確認してください。
品種名の読み方
品種名はひらがな表記が基本で、「さえみどり」「あさつゆ」「おくみどり」「ゆたかみどり」といった名前が商品名の先頭に並ぶことが多くあります。鹿児島県は全国平均に比べてやぶきたの比率が低いとされ、これらの品種を主力に掲げる商品名が目立つ点が、やぶきた中心の産地と異なります。
走り新茶の時期
鹿児島県は新茶の出荷が3月末頃から始まるとされ、種子島ではさらに早い3月下旬からの収穫が「大走り新茶」、県本土の4月前半の収穫が「走り新茶」と呼ばれます。年号入りの商品はこの時期の新茶であることが多いです。
深蒸し・かぶせの慣行
静岡と同様に「深蒸し」「かぶせ」「玉露」といった製法区分の言葉が商品名に使われますが、産地全体としての実施率は公表資料からは確認できていません。個々の商品名にこれらの語があるかどうかで確認してください。
導線
下の「観測」の節には、鹿児島の茶を扱う店と商品数、100g換算の価格帯が自動で出ます。品種名(さえみどり・あさつゆ等)を手がかりに銘柄を探す場合は品種図鑑・銘柄検索もあわせて利用できます。
観測
コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。
観測した商品
ほか64銘柄。
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鹿児島茶入門 — 知覧茶と霧島茶の違い、頴娃・志布志との位置関係と「知覧茶」の名前を読む →「鹿児島茶」は県単位の呼び名、「知覧茶」は南九州市が2017年に統一した産地ブランド名、「霧島茶」は霧島市周辺の産地名で、同じ県内の別の産地です。知覧・頴娃・霧島・志布志の位置関係と名前のつまずきを、国内175銘柄・26店の実測とあわせて整理します。