ORIGIN — COUNTRY / TEA
川根
川根茶 / 川根本町 / KAWANE
大井川の中流、川根本町とその周辺の茶。林野が大半を占める山間地の河岸段丘と山腹に茶園があり、「川根茶」は地域団体商標になっている。商品名には産地名に品種名や製法名が続く。
事実
| 事実 | 出典 | 階層 |
|---|---|---|
| 川根本町の総土地面積は 49,688ha で、林野が 44,849ha を占め、耕地は 480ha にとどまる。 | machimura.maff.go.jp | L1 |
| 大井川は間ノ岳(標高 3,189m)を源に駿河湾へ注ぐ河川延長 168km・流域面積 1,280km² の一級河川で、川根本町では穿入蛇行と河岸段丘が見られる。 | town.kawanehon.shizuoka.jp | L1 |
| 川根地域は大井川両岸の河岸段丘と山腹の山間地で、昼夜の寒暖差が大きく、大井川からの川霧が茶畑を包んで霜害の防止に役立つ。 | jstage.jst.go.jp | L2 |
| 川根地域には標高 600m 付近の茶園があり、標高約 400m 以上の茶園は低温のため摘採が遅く、5 月 20 日ごろまでに終わらない。 | jstage.jst.go.jp | L2 |
| 川根地域の 10a あたり生葉生産量は、静岡県平均に比べて約 400kg 低い。 | jstage.jst.go.jp | L2 |
| 2005 年の川根地域の茶園面積は、旧川根町(現・島田市川根町)が 403ha、川根本町が 611ha だった。 | jstage.jst.go.jp | L2 |
| 2020 年農林業センサスで、川根本町の茶の販売農業経営体は 275、販売目的の茶の作付面積は 206ha と集計されている。 | machimura.maff.go.jp | L1 |
| 川根本町の農業産出額(推計)は令和 6 年に 63 億円で、うち工芸農作物が 27 億円、加工農産物が 23 億円と推計されている。 | machimura.maff.go.jp | L1 |
| 川根地域では茶が農業粗生産額の 9 割以上を占め、旧中川根町の総農家 528 戸は茶生産の経営体数とほぼ一致する(2005 年)。 | jstage.jst.go.jp | L2 |
| 2004 年の川根本町の茶の品種別栽培面積は、やぶきたが 562.1ha、おくひかりが 14.5ha、さやまかおりが 11.0ha、在来品種が 13.3ha だった。 | jstage.jst.go.jp | L2 |
| 「川根茶」は地域団体商標(登録第 5053823 号)で、指定商品は川根町および川根本町(旧中川根町・旧本川根町)で生産される緑茶。 | inpit.go.jp | L1 |
| 川根地域は 2006 年(第 60 回)までの全国製茶品評会で優等を 13 回、産地賞を 11 回受賞し、全国手揉茶品評会(通算 36 回)でも優等を 15 回受賞した。 | jstage.jst.go.jp | L2 |
| 2025 年の第 79 回全国茶品評会の普通煎茶 4kg の部で、川根本町が通算 17 回目の産地賞を受賞し、1 等 1 席は農林水産大臣賞となった。 | town.kawanehon.shizuoka.jp | L1 |
| 1964 年に旧中川根町の先駆的な農家らが全国農業祭の天皇杯を受賞し、これは茶業界で初めてで、川根茶の名が全国に知られる契機となった。 | jstage.jst.go.jp | L2 |
| 川根地域には慶長初期に茶を年貢として納めた記録があり、少なくとも 16 世紀末には茶が主要産物だった。 | fujinokuni.shokunomiyako-shizuoka.pref.shizuoka.jp | L1 |
| 川根地域の村々は、機械製茶による荒茶の品質低下を受け、1885 年に川根茶業組合を結成して手揉み製茶を奨励し機械の使用を取り締まった。 | jstage.jst.go.jp | L2 |
| 1893 年にアメリカ合衆国シカゴの万国博覧会で川根茶が入賞した。手揉み製茶を維持していた時期の出来事である。 | jstage.jst.go.jp | L2 |
| 旧中川根町ではやぶきた品種の栽培面積が 1957 年から 1965 年にかけて 26ha から 116ha へ増え、1953 年から町の改植奨励補助で畑が茶園に転換された。 | jstage.jst.go.jp | L2 |
| 一番茶の摘採期を気温から求める回帰式の計算上の現在値は、島田市川根町抜里で 5 月 11 日、川根本町藤川(小井平)で 5 月 14 日。 | jstage.jst.go.jp | L2 |
| 気候シナリオ RCP8.5 の 21 世紀末では、一番茶の摘採期の予測は島田市川根町抜里が 4 月 27 日、川根本町藤川が 4 月 30 日(MRI-CGCM3 の気温予測を使用)。 | jstage.jst.go.jp | L2 |
| 川根本町の茶の栽培面積と年間の生葉収穫量は、平成 17 年が 616ha・3,426t、平成 19 年が 608ha・3,310t。 | town.kawanehon.shizuoka.jp | L1 |
| 川根本町の平成 19 年の茶期別の生葉収穫量は、一番茶が 2,110t(摘採 567ha)、二番茶が 1,190t(摘採 297ha)で、三番茶は無い。 | town.kawanehon.shizuoka.jp | L1 |
| 川根本町の茶の栽培面積・収穫の推移に使われた静岡農林水産統計年報の調査は、平成 20 年以降廃止されている。 | town.kawanehon.shizuoka.jp | L1 |
| 「静岡の茶草場農法」は 2013 年 5 月 30 日に世界農業遺産に認定され、対象は掛川市・牧之原市・菊川市・島田市・川根本町の 4 市 1 町。 | city.shimada.shizuoka.jp | L1 |
| 静岡の茶草場の面積は令和 2 年 2 月現在で、川根本町が約 1ha、島田市が約 38ha、掛川市約 242ha・菊川市約 83ha・牧之原市約 15ha を合わせ約 379ha。 | city.kakegawa.shizuoka.jp | L1 |
| 「手揉製茶技術」は 2010 年 12 月 3 日に静岡県の指定無形民俗文化財となり、保存団体は静岡県茶手揉保存会茶匠会である。 | city.shizuoka.lg.jp | L1 |
| 2024 年 10 月 18 日に文化審議会が「手揉み製茶」を登録無形文化財に登録するよう答申し、保持団体に手もみ製茶技術保存会(2024 年結成・会員 68 名)を認定するとした。 | bunka.go.jp | L1 |
| 全国手もみ茶振興会は 1993 年に結成された手揉み製茶に関する全国唯一の団体で、各地の 20 団体で構成し、品評会・競技会と資格認定試験を行っている。 | bunka.go.jp | L1 |
| 川根本町の農林業センターには 2007 年に、茶手揉みの研修などを行う地域資源総合交流活用施設が併設され、手揉研修室と釜炒茶研修室を備える。 | town.kawanehon.shizuoka.jp | L1 |
百科
位置と地勢
川根本町の総土地面積は49,688haで、林野が44,849haを占め、耕地は480haにとどまる(2024年)。茶園は、広い山林のあいだの限られた耕地に収まっている。
大井川は、間ノ岳(標高3,189m)を源に駿河湾へ注ぐ。河川延長168km、流域面積1,280km²の一級河川で、川根本町では穿入蛇行と河岸段丘が見られる。
川根地域の茶園は、大井川両岸の河岸段丘と山腹の山間地にある。昼夜の寒暖差が大きく、大井川からの川霧が茶畑を包んで霜害の防止に役立つ。
標高600m付近にも茶園がある。標高約400m以上の茶園は低温のため摘採が遅く、5月20日ごろまでに終わらない。同じ静岡県内でも、台地に広がる牧之原とは茶園の置かれ方が違う。
10aあたりの生葉生産量は、静岡県平均に比べて約400kg低い。
摘採の時期
一番茶の摘採期を気温から求める回帰式の計算上の現在値は、島田市川根町抜里で5月11日、川根本町藤川(小井平)で5月14日である。気候シナリオ RCP8.5 の21世紀末では、MRI-CGCM3 の気温予測を使うと、抜里が4月27日、藤川が4月30日と予測される。
茶園の規模
2005年の茶園面積は、旧川根町(現・島田市川根町)が403ha、川根本町が611haだった。
2020年農林業センサスでは、川根本町の茶の販売農業経営体は275、販売目的の茶の作付面積は206haと集計されている。センサスの数字は販売を目的に作付した経営体のものなので、2005年の茶園面積とは数える範囲が違い、並べて増減を読むことはできない。
川根本町の農業産出額(推計)は令和6年に63億円で、うち工芸農作物が27億円、加工農産物が23億円と推計されている。
川根地域では、茶が農業粗生産額の9割以上を占める。旧中川根町の総農家528戸は、茶生産の経営体数とほぼ一致する(2005年)。
茶期と生葉
川根本町の茶の栽培面積と年間の生葉収穫量は、平成17年が616ha・3,426t、平成19年が608ha・3,310tである。平成19年の茶期別では、一番茶が2,110t(摘採567ha)、二番茶が1,190t(摘採297ha)で、三番茶は無い。この推移に使われた静岡農林水産統計年報の調査は、平成20年以降廃止されている。
品種
2004年の川根本町の茶の品種別栽培面積は、やぶきたが562.1ha、おくひかりが14.5ha、さやまかおりが11.0ha、在来品種が13.3haだった。やぶきたが大半を占めるが、おくひかりや在来品種も、わずかながら数字に現れている。
旧中川根町では、やぶきたの栽培面積が1957年から1965年にかけて26haから116haへ増えた。1953年から町の改植奨励補助があり、畑が茶園に転換された。
棚には、つゆひかりとおくひかりを商品名に掲げた川根の茶があり、品種名で選ばれる茶もこの産地には並んでいる。
川根茶の名と商標
「川根茶」は地域団体商標(登録第5053823号)で、指定商品は川根町および川根本町(旧中川根町・旧本川根町)で生産される緑茶である。
茶草場農法
「静岡の茶草場農法」は2013年5月30日に世界農業遺産に認定された。対象は掛川市・牧之原市・菊川市・島田市・川根本町の4市1町である。
茶草場の面積は令和2年2月現在で、川根本町が約1ha、島田市が約38ha、掛川市約242ha・菊川市約83ha・牧之原市約15haを合わせて約379haである。
手揉みの技術
「手揉製茶技術」は2010年12月3日に静岡県の指定無形民俗文化財となり、保存団体は静岡県茶手揉保存会茶匠会である。2024年10月18日には、文化審議会が「手揉み製茶」を登録無形文化財に登録するよう答申し、保持団体に手もみ製茶技術保存会(2024年結成・会員68名)を認定するとした。
全国手もみ茶振興会は1993年に結成された手揉み製茶に関する全国唯一の団体で、各地の20団体で構成し、品評会・競技会と資格認定試験を行っている。
川根本町の農林業センターには2007年に、茶手揉みの研修などを行う地域資源総合交流活用施設が併設され、手揉研修室と釜炒茶研修室を備える。
歴史
川根地域には、慶長初期に茶を年貢として納めた記録がある。少なくとも16世紀末には、茶が主要産物だったとされる。
明治になって機械製茶が広がると、荒茶の品質が下がった。村々は1885年に川根茶業組合を結成し、手揉み製茶を奨励して機械の使用を取り締まった。
1893年には、アメリカ合衆国シカゴの万国博覧会で川根茶が入賞した。手揉み製茶を維持していた時期の出来事である。
1964年には、旧中川根町の農家らが全国農業祭の天皇杯を受賞した。茶業界では初めてのことで、川根茶の名が全国に知られる契機となった。
品評会の記録
川根地域は、2006年(第60回)までの全国製茶品評会で優等を13回、産地賞を11回受賞した。全国手揉茶品評会(通算36回)でも、優等を15回受賞している。
2025年の第79回全国茶品評会では、普通煎茶4kgの部で川根本町が通算17回目の産地賞を受賞し、1等1席は農林水産大臣賞となった。
手揉み製茶の奨励と、機械製茶の取り締まりに始まる歴史が、手揉茶の品評会での記録にもつながっているのかどうかは、ここにある事実だけでは言い切れない。
数字の読み方
川根の数字は、年と範囲で変わる。茶園面積の403haと611haは2005年の旧川根町と川根本町の数字、206haは2020年の川根本町の販売目的の作付面積、品種別面積は2004年の川根本町の数字である。「川根」と呼ばれる範囲も、旧川根町を含む商標の範囲と、川根本町だけを指す統計の範囲とで違う。年や範囲が違う数字は、同じ表に並べずに読むのが安全である。
買い方の手引き
棚での見え方
2026-10-02 の観測では、産地を川根とする茶葉は 3 件、扱う店は 2 店です。茶種の欄は 2 件が緑茶で、摘み取りの時期の欄と等級の欄が付いた商品はありません。100g あたりに換算した価格の中央値は 6,533 円です。店の説明文から取り出せた風味の系統の語はありません。件数が少ないので、この数字は川根の相場というより、観測した 3 商品の値段として読んでください。
商品名の型
商品名の型は 3 件で分かれています。1 件は「川根茶」を銘柄名に掲げ、「茶草場農法」「深むし茶」の語を添えた詰合せです。ほかの 2 件は、番号とローマ字の名、品種名(つゆひかり・おくひかり)、産地名の川根が並ぶ型で、品種で選ぶ見せ方になっています。
同じ静岡県内でも、牧之原の商品名は蒸しの度合いや摘み取り日を前に出す型が目立ちます。牧之原の棚の様子は牧之原の頁に、静岡県全体の見取り図は静岡の頁にあります。
産地名の読み方
商品名の「川根」は、大井川の中流域の地名です。「川根茶」は地域団体商標で、指定商品は川根町と川根本町(旧中川根町・旧本川根町)で生産される緑茶です。商標の範囲は川根町と川根本町なので、商品名に川根と書かれていても、その範囲の外の茶園を指す語として使われているかは商品名からは分かりません。
観測
コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。
茶種の内訳
緑茶3
観測した商品