紅茶や烏龍茶の香りは、摘んだ葉にもともとある成分と、製茶の工程で新しく生まれる成分の両方でできています。この記事は、香気成分がどの段階で増え、どの段階で減るのかを、成分名と試験の条件で読み解きます。工程の全体像は「茶の製法で何が起きているか」にまとめているので、ここでは香りに関わる部分だけを扱います。

数値はすべて kopi+cha の知識の台帳(原典の論文・規格・公的資料で内容を確かめた主張を集めたもの)から、そのまま載せています。品種・産地・温度・時間などの試験の条件が付いているものは、条件ごと書きます。研究や資料で割れているものは、割れていると書きます。香りの評価語は、原典が使った語を引用の形で示す場合を除いて使いません。

葉の中の香りのもと — 配糖体

チャの葉は、揮発性のアルコール(モノテルペン・芳香族・脂肪族)を、水に溶ける二糖の配糖体の形で貯えます。主な形はβ-プリメベロシドです。糖がついたままの状態では、鼻に届く揮発成分ではありません。

チャの葉の分析では、ゲラニルβ-プリメベロシドの量がゲラニルβ-グルコシドより大幅に高く、遊離のゲラニオールは検出されませんでした。

この貯えが製茶中にほどけて香りになるのかは、研究で割れています。

  • 烏龍茶の製造では、酵素が働く工程の間は葉の細胞壁が壊れず、配糖体の多くは減りませんでした。細胞を壊したあとの葉では、配糖体の含量が減りました。
  • 紅茶の工程別の測定(利川紅茶)では、遊離と結合の比が、アルコール・アルデヒド・テルペン・フェノールの 4 類で萎凋に最大となりました。エステルは発酵で最大になる別の型でした。

烏龍茶は細胞を壊さずに酵素を働かせ、紅茶は茶葉の細胞を壊してから酸化酵素を働かせる点で製法が異なるとされます。どの工程のどの割合の香気成分が配糖体の分解に由来するのかは、台帳では確かめられていません。

萎凋 — 水分が抜け、成分が動き出す

紅茶の萎凋は、摘んだ生葉を萎凋棚に薄く広げるか萎凋槽に入れ、風を通して陰干しにする工程です。生葉の水分が 30〜40% 程度蒸発するとされます。スリランカのオーソドックス製法では、明るく換気した場所の棚や槽に広げて 18〜24 時間かけます。インド北東部の CTC 製法の試験では、生葉を厚さ約 2 cm に広げ、室温で 16〜18 時間置いて、水分を 76〜78% から 68〜70% に下げました。

萎凋の間には、水分の減少、細胞膜の透過性の上昇、揮発性の香り成分の生成など、多くの物理化学的な変化が起こります。生葉の複雑な成分が揮発性の香り成分・単糖・アミノ酸に分解され、脂質も分解し、カテキン量は低下するとされます。

中国の紅茶の萎凋の試験では、揮発成分 165 種が同定され、β-イオノンなどカロテノイドの分解に由来する成分と、脂肪酸に由来する成分が萎凋中に増えました。

テルペン類は増えるのか、減るのか

萎凋中のテルペン類の増減は、研究で割れています。

  • 寧州紅茶では、テルペノイドの多くが減りました。
  • 烏龍茶(単叢)では、脱水の速度が速い処理でリナロールやネロリドールが増えました。

烏龍茶(単叢)の室内萎凋では、脱水率を 10% にそろえても脱水速度で結果が変わりました。脱水速度 3.55%/h の処理の揮発成分の総量は 2103.9 µg/kg、2.01%/h の処理は 1890.1 µg/kg でした。

萎凋の方式の比べ方

紅茶(太平魁紅、原料は石大茶)の萎凋の試験です。

処理 官能評価(原典の記述)
35 ℃の熱風で 6 時間 floral・fruity の評価が強い
約 26 ℃・湿度 41〜44% で 10 時間 green が主

温度と時間の両方が違う処理の比較なので、どちらの要因が効いたのかは、この比較だけでは分かれません。

揉捻 — 細胞を壊して、酵素と基質を出会わせる

揉捻は、茶葉の組織細胞を壊して酸化酵素の働きを進みやすくし、あわせて葉の形を整える工程とされます。スリランカの紅茶の揉捻は、機械で葉の細胞を破って酵素を空気に触れさせ、酸化(エアレーション)を始める工程です。ティーバッグ向けの茶は、従来の揉捻でなく、CTC(切断・引き裂き・丸め)の機械で萎凋葉を細かく砕いて作られます。

揉捻の時間を変えた試験があります。浙江省の品種「九坑」の萎凋葉を揉捻し、0・15・35・55・75 分で試料を採りました。

  • ゲラニオールは、揉捻が進むにつれて増える傾向でした。
  • ベンジルアルコールは、揉捻中に段階的に増え続けました。2-フェニルエタノールの変化は、原典の本文で述べられていません。
  • 配糖体に由来する香気成分の群は、揉捻 35 分で最低になり、その後に戻りました。リナロールは、揉捻中に減る傾向でした。

紅茶(利川紅茶)の工程別の測定では、遊離のアルコール類の総量が、揉捻で 116,124 µg/L、発酵で 114,591 µg/L でした。他の工程より有意に高い値です。

同じゲラニオールとリナロールが、揉捻中に別の向きに動いたことになります。「揉むと香りが増える」とも「減る」とも一括りにはできず、成分ごとに見る必要があります。

烏龍茶の做青 — 傷つけて、休ませることを繰り返す

ISO 20715:2023 は、烏龍茶を青茶と同義とし、工程を、萎凋 → 做青と部分的な酸化(aeration)→ 酵素失活(殺青)→ 揉捻・成形 → 乾燥と定義します。台湾の部分発酵茶では、攪拌(浪菁)の初期に茶菁の水分を再分配し、のちに葉の細胞を摩擦で傷めて、ポリフェノールオキシダーゼとカテキンの反応を増やし、発酵の程度を調節します。

台湾の烏龍茶の発酵(酸化)度は、包種茶・高山烏龍が 8〜25%、凍頂烏龍が 25〜30%、鉄観音が約 40%、東方美人が 50〜60% とされます。

做青で増える成分

  • 武夷岩茶の肉桂の生葉で、揺青(約 8 時間・7 回)を含む処理のネロリドール・ジャスミンラクトン・ジャスモン・インドールの量は、静置のみの処理より有意に高くなりました。
  • 同じ肉桂の揺青の研究で、長時間の機械的な損傷と脱水は、α-リノレン酸代謝の AOS 枝を主に、次いでテルペノイドの MVA 経路を、ジャスモン酸誘導体とセスキテルペンの合成へ傾けました。
  • 鉄観音の萎凋と做青の工程で、揮発性のテルペノイド、フェニルプロパノイド/ベンゼノイド、インドールが増えました。緑葉揮発成分の (E)-2-ヘキセナールと (Z)-3-ヘキセノールは、萎凋でいったん増え、做青の後に減りました。

インドール・ジャスミンラクトン・trans-ネロリドールは、烏龍茶の製造中に生じる特徴成分で、葉の細胞を壊した(紅茶の製法に近い)処理のあとでは、3 成分とも減りました。

「清香」烏龍茶 6 品種と加工方式の試験では、品種と加工方式の両方が香気成分の構成に有意に影響し、香りの形成の主要な工程は做青(turn-over)でした。高山烏龍茶の製造条件の試験では、萎凋方法・揺青の強さ・静置時間のうち、官能評価点への影響が最も大きかったのは揺青の強さで、静置時間は小さな影響でした。

脂肪酸由来の成分と遺伝子

紅茶の加工中に、脂肪酸由来の揮発成分 45 種を追った試験では、LOX 経路の遺伝子の多くが、ターンオーバーと発酵で発現が高まりました。この試験は紅茶のものです。

酸化(発酵)— テアフラビンとテアルビジン、そして香り

紅茶の酸化発酵は、カテキン類を基質とし、酸化酵素の働きで進む反応とされます。内在酵素(ポリフェノールオキシダーゼとペルオキシダーゼ)がカテキン類を酸化・二量化させ、テアフラビン類が生じるとされます。紅茶の浸出液に含まれるテアフラビン類(そのガロイルエステル類を含む)は、成分全体の 2〜6% 程度とされます。浸出液では、テアフラビン類が水色の明るさと味の切れ(ブリスクネス)を、テアルビジン類が味と橙褐色を与えるとされます。十分に発酵した茶のテアルビジン量とテアフラビン量の比(TR/TF)は 8〜10 程度とされます。

テアフラビンは酸化の途中の産物です。CTC 紅茶の試験では、総テアフラビン量は発酵 20 分で最大になり、40 分には 13〜36% 減りました。一部がテアルビジンへ酸化するためとされます。試験管内の実験では、茶葉のポリフェノールオキシダーゼがカテキンを酸化するときに過酸化水素を生じ、西洋ワサビ由来のペルオキシダーゼが、過酸化水素の存在下でテアフラビンを酸化してテアルビジンを生みました。紅茶の茶葉の中でペルオキシダーゼがテアフラビンの生成や分解に関わる可能性は示唆されるにとどまります。

温度と時間

紅茶の酸化発酵は、20〜30 ℃で 30〜120 分行われ、25 ℃・60 分を最適とする報告があります。日本紅茶協会の整理では、20〜25 ℃・湿度 90% 近い発酵室に 2〜4 時間置き、葉が緑色から赤褐色に変わります。

発酵温度を 20〜40 ℃で比べた試験では、20 ℃と 25 ℃ではポリフェノールオキシダーゼの活性が保たれてテアフラビン類の形成が続き、30〜40 ℃ではペルオキシダーゼの活性が高くなりました。発酵が長いと、テアルビジン類とテアブラウニン類が多く生じ、水色の明るさに不利でした。発酵の前半に、カテキンの多くがテアフラビンなどへ変わりました。

紅茶 2 品種の試験では、Wanghai-1 は発酵 5.5 時間でテアフラビンが有意に減り、最低は 0.83%(125 ℃乾燥)、JiuKeng は 0.20〜0.25% でほぼ一定でした。品種で酸化の進み方が違います。

発酵と乾燥の強さと、香りの官能得点

紅茶 Wanghai-1 の発酵 2.5・4・5.5 時間 × 一次乾燥 95・110・125 ℃の試験では、香りの官能得点は 2.5 時間・95 ℃の試料が最も高く、発酵と乾燥を強めた試料では下がりました。この試験の条件の範囲では、発酵と乾燥を強めるほど香りの得点が下がる方向でした。範囲の外については分かっていません。

乾燥と焙煎 — 酵素を止め、熱で別の香りを作る

紅茶は、100 ℃前後の熱風で水分 3〜4% になるまで乾燥させる工程で、酵素の働きが止められます。スリランカでは、乾燥機(火入れ室)で 99〜104 ℃(210〜220 °F)で行い、これ以上の化学変化を止めます。流動層乾燥機の入口空気は約 140 ℃、エンドレスチェーン式は約 100 ℃とされます。

烏龍茶では、焙煎(烘焙)が、水分を除いて貯蔵性を高め、荒製の茶の青臭さや雑味を改善して、茶の特有の香りを増す工程とされます。烏龍茶 153 試料の比較では、焙煎茶は未焙煎茶より揮発性成分の種類が大きく増え、官能ではカラメル様・辛味の評点が高くなりました。武夷岩茶・肉桂の焙煎の研究では、110〜115 ℃で 1 時間焙煎したのち、同温で 16 時間の焙煎を 3 回重ね、各段階の成分を比べています。

烏龍茶(紫娟)を 80・110・150 ℃で 2 時間焙煎した試験は、温度による成分の変わり方を示します。

焙煎温度 揮発成分の変化
110 ℃(中焙煎) 揮発成分の種類と半定量の総量(1230.08 µg/kg)が増え、リナロールとその誘導体が焙煎度を分ける主要な成分
150 ℃(高焙煎) 1-エチルピロール-2-カルボキシアルデヒドと 1-エチルピロールが主要な成分に加わり、ピラジン類(2-メチルピラジンなど)が新たに生成

緑茶の釜炒り(殺青の方式の一つ)の側では、糖とアミノ酸の加熱反応で生じるピラジン類・ピロール類が香気に含まれます。被覆茶の釜炒り茶は、露天茶より含窒素の加熱生成物が多くなりました。露天栽培の釜炒り茶の主要な香気成分は、2-アセチルピロール、マルトール、ベンジルアルコール、インドールなどでした。貴州の「黔湄 601」の釜炒り茶と蒸青茶の比較では、揮発成分 91 種のうち、蒸青茶でリナロール・1-ヘキサノールなどのアルコール類が、釜炒り茶でヘキサン酸エチルなどのエステル類が有意に多くなりました。

品種と産地で、香りの成分が違う

烏龍茶と緑茶の品種

中国の茶 7 品種の若芽の比較です。

  • 緑茶用の福鼎大白茶・龍井 43・舒茶早・白毫早は、(E)-3-ヘキセノール・フェニルエチルアルコール・フェニルアセトアルデヒド・β-イオノンに富みました。
  • 烏龍茶用の鉄観音の特徴は、ヘプタナールとオイゲノールでした。
  • 金萱は、(E)-β-オシメン・ゲラニオール・サリチル酸メチルが有意に増えました。
  • 福建水仙は、エステルが最多でした。

日本の var. sinensis・外来の var. sinensis・アッサム交雑種の 30 系統の新葉では、各揮発成分の含量の変動係数が 58.7〜221.9% でした。34 代謝物の主成分分析では、第 1 主成分が日本の var. sinensis と外来の var. sinensis を分けましたが、アッサム交雑種は分けませんでした。

紅茶の主な香気成分と閾値

紅茶の香りの鍵になる成分を、試料ごとに並べます。成分の名前は試料によって違います。

試料 成分(原典の判定の方法)
中国の紅茶 3 種(金駿眉・キームン・滇紅) においの成分 70 種のうち 39 種(リナロール、ゲラニオールなど)が寄与が大きい
紅茶 4 産地(Keemun・Assam・Darjeeling・Ceylon) ダージリンで最も決定的な成分の候補はリナロールと trans-リナロールオキシド(フラノイド)。ベンゼンアセトアルデヒド・ゲラニオール・ホトリエノール・サリチル酸メチルなどが GC-O で全試料の強い香り強度を示し、ホトリエノールとリナロールは OAV が 1 を超えた
天日干し紅茶 25 通りの欠落試験で、(E)-β-ダマセノン・β-イオノン・ジヒドロ-β-イオノン・リナロール・ゲラニオールが香りの鍵。OAV 1 以上は 21 成分
白毛茶の紅茶 3 産地 汝城はサリチル酸メチル、仁化はゲラニオール、凌雲は trans-β-イオノンとベンゼンアセトアルデヒドが、最も決定的な成分の候補
黄金茶の紅茶 4 品種 HJC1 はゲラニオールとベンゼンアセトアルデヒド、HJC168 はサリチル酸メチルとシトラールなど、品種で違う
紅茶 2 品種(Wanghai-1・JiuKeng) 検出された揮発成分のうちリナロールの OAV が最も高く、Wanghai-1 の B2W3 では 12,333.7
利川紅茶 OAV 1 以上の主要成分はセドロール・ベンズアルデヒド・フェニルアセトアルデヒド・デカナール・β-ダマセノン。β-ダマセノンの閾値は約 0.002 µg/L とされる(引用値)

表の OAV は、原典が香りへの寄与を見る指標として使った値です。閾値は測り方で変わります。同じ物質でも、提示の物理的な方法が違えば閾値は同じとは限らず、パネルの訓練の程度も結果に影響します。食品の鍵になる香気成分は、希釈分析で候補を選び、定量値でアロマモデルを調合して原液に合うか確かめ、1 成分ずつ抜く試験で実際に効く成分を決める、という手順で絞り込まれます。上の天日干し紅茶の「25 通りの欠落試験」は、この最後の段階にあたります。

広東北部の紅茶の春・夏・秋の比較では、香りの主要成分はゲラニオール・サリチル酸メチル・リナロールなどで、アミノ酸は春茶に、フラボノイドは夏秋茶に多くなりました。

紅茶の香気で、サリチル酸メチルと花の香りの成分 10 組の知覚の相互作用を調べた試験では、5 組でマスキング、1 組で相加、4 組で相乗の効果が見られました。成分を 1 つずつ見るだけでは、香りの全体は分かりません。

虫の食害と香り

虫に食べられた葉は、香りの成分を増やすことがあります。ただし、試料が違うと向きが変わります。この項の試験は、いずれもダージリンの茶ではありません。

  • チャノミドリヒメヨコバイの密度を変えた食害実験では、密度に最も反応した揮発成分は主にテルペン類で、密度とともに単調に増えました。
  • 烏龍茶の試験では、金観音でリナロール・ゲラニオールなど重要な 4 成分が、食害の程度に対して増えた後に減りました。金牡丹ではゲラニオールが増え、他の 3 成分は減りました。

ヒメヨコバイの食害とテルペン類の関係は、このとおり割れています。ダージリンの茶株 B157 の食害(アザミウマ)葉を調べた研究では、リナロール合成酵素・ゲラニオール合成酵素などの遺伝子が、食害や製造時の傷で強く調節されました。遺伝子の動きを調べた研究で、成分の量を測ったものではありません。ダージリンの茶の香りが虫の食害でどう変わるかは、台帳では見つかりませんでした。

淹れる湯の温度と時間

淹れる段階でも、香りの量は変わります。茶の浸出を 60・70・80 ℃で比べた実験(PTR-ToF-MS)では、湯温が高いほどヘッドスペースの揮発成分量が増え、その差は浸出時間が長いほど大きくなりました。

緑茶 3 g に沸騰水 50 mL を注いで 1〜5 分で調べた実験では、ヘッドスペースの香気成分の量が最大になる浸出時間は 2〜3 分でした。この 2 つの試験は緑茶(あるいは茶一般)の試験で、紅茶・烏龍茶で同じ結果になるかは確かめられていません。

香りの成分は、水への溶けやすさも違います。25 ℃の水への溶解度は、リナロールが 1,590 mg/L、ゲラニオールが 100 mg/L、α-テルピネオールが 7,100 mg/L です。実測の log Kow は、リナロール 2.97、ゲラニオール 3.56、α-テルピネオール 2.98(別の資料値は 3.28)です。

資料で割れていること・まだ分かっていないこと

  • 配糖体の分解は製茶中の香りを生むか。 烏龍茶では配糖体の多くが減らず、紅茶の工程別の測定では萎凋に遊離と結合の比が最大となる成分群とエステルのような別の型があり、割れています。
  • 萎凋中のテルペン類。 寧州紅茶では減り、烏龍茶(単叢)では脱水の速い処理で増えました。
  • 虫の食害とテルペン類。 密度とともに増える試験と、増えた後に減る・成分で向きが違う試験があります。
  • ダージリンの茶での虫の食害の影響。 台帳では見つかりませんでした。
  • 配糖体由来の成分の割合。 香気成分のうち配糖体の分解に由来する割合は、台帳では確かめられていません。
  • 紅茶・烏龍茶の淹れる湯温。 湯温の試験は茶の浸出(60・70・80 ℃)と緑茶(沸騰水)で、紅茶・烏龍茶に当てはめた値は見つかっていません。

自分で確かめるときは

同じ茶を、湯温を変えて同じ時間で淹れ、立ち上がる香りを比べるのが、いちばん条件をそろえやすい試みです。湯温の試験は、湯温が高いほどヘッドスペースの揮発成分量が増える方向でした。工程の違いを飲み比べるなら、発酵度の違う台湾の烏龍茶(包種茶・高山烏龍と東方美人)や、焙煎の有無の違う烏龍茶を並べる方法があります。

産地の側から読むなら、「ダージリン」「台湾」「祁門(キームン)」「スリランカ・ウバ」の頁で、収穫期や製法を確かめられます。蒸す・揉む・乾かす工程の全体は「茶の製法で何が起きているか」にあります。