ORIGIN — COUNTRY / TEA
中国
CHINA / 中国茶
世界の茶の生産の約半分を占める国。4つの一級茶区に分かれ、緑茶・紅茶・黒茶・烏龍茶・白茶・黄茶の六大茶類を作る。国家標準・地理的表示・無形文化遺産の面から、国の単位で読む。
百科
茶園と生産の規模
中国の全国の茶園面積は、2025年に5312.26万畝(万亩、中国の面積単位)だった。2022年は4,995.40万畝で、300万畝を超える省は雲南・貴州・四川・湖北・福建・湖南の6省だった。2025年時点でも、茶園面積は雲南・貴州・四川・湖北の4省が引き続き上位にある。
全国の干毛茶(乾燥した荒茶)の総生産量は、2022年に318.10万t、2025年に364.03万tだった。2022年は安徽・江西・山東・河南・広東・広西・海南・雲南・陝西が5%以上増産した。世界の茶生産は2023年に660.4万tで、そのうち中国は318.1万t(49%)を占めた。
4つの一級茶区
中国の産茶地域は、華南茶区・西南茶区・江南茶区・江北茶区の4つの一級茶区に分けられる。
華南茶区は福建・広東などで、熱帯・亜熱帯の季風気候にあり、安渓鉄観音や鳳凰単叢の烏龍茶、福建の白茶、英徳の紅茶を産し、烏龍茶の郷ともいわれる。西南茶区は茶の木の原産地で、川東南と滇西南は気温が高く紅茶の「川紅」「滇紅」と雲南の普洱茶を産し、ほかの地域は緑茶(貴州の都勻毛尖など)に向く。江南茶区は長江の中下流の南にあり、多くは低い丘と低山で、標高1,000mを超える高山もあり、亜熱帯の季風気候にあって、中国の茶の主な産区である。江北茶区は最北の一級茶区で、気温が低く茶の木の生長に使える積温が少なく、品種は灌木型の中小葉種が多い。河南の信陽毛尖はこの茶区の緑茶である。
河南省信陽で、同じ品種の隣り合う茶園の標高350mと600mの新芽を比べた結果では、EGCG・GCGなど主要なカテキンと総カテキンの量に有意な差がなかった。
茶樹の起源
チャノキの系統樹の基部にある集団は、ほぼ中国西南部(雲南・四川・貴州)の由来である。ゲノム解析は、同地域が茶樹の起源地として重要な役割を持つことを示唆する。雲南省は普洱茶の原産地とされ、詳しくは雲南の頁に書いている。
六大茶類と国家標準
国家標準 GB/T 30766-2014『茶叶分類』は、茶叶の術語と定義・分類原則・類別を定めるもので、2014年10月27日に実施された。標準本文の書き写しでは、茶叶は緑茶・紅茶・黄茶・白茶・烏龍茶・黒茶・花茶などの類別に分けられ、各類が製造工程で定義される。緑茶は杀青・揉捻・干燥、紅茶は萎凋・揉(切)・「発酵」・干燥、黒茶は杀青・揉捻・渥堆・干燥の工程で作る製品と定義される。分類の原則は、生産工程・製品特性・茶樹品種・鮮葉原料・生産地域によるものとされる。
六大分類は発酵のさせ方の違いによるもので、黒茶は発酵度の分類上「後発酵」に位置づけられる。この頁では、紅茶は萎凋・揉・発酵・乾燥の工程で作る茶類の「紅茶」、中国の「黒茶」は渥堆の工程を持つ別の茶類として書き分ける。
黒茶の側では、原料の晒青緑茶は工程上は緑茶だが、製品のプーアルは黒茶に分類されるとされる。湖南省安化は黒茶の発祥地とされ、中国で最初の黒磚茶・茯磚茶・花磚茶が作られた地とされる。
白茶の定義は、チャノキの芽・葉・若い茎を原料に萎凋・乾燥・拣剔(選別)の工程で作る茶で、殺青・揉捻を工程に含まないとされる(国家標準 GB/T 22291-2017)。中国の白茶は白毫銀針(単芽)・白牡丹(一芽一二葉、大白茶・水仙)・貢眉(群体種の嫩梢)・寿眉(大白茶・水仙・群体種の嫩梢または葉)の4種に分けられ、原料の芽と葉の構成と品種群の組み合わせで区別される。
茶類の割合
2025年の中国の茶の生産量は、緑茶59.03%・紅茶15.65%・黒茶12.26%・烏龍茶9.61%・白茶2.75%・黄茶0.70%の割合である。
国内販売の茶類別の量は年ごとに次のとおり。2022年は緑茶131.10・紅茶38.13・黒茶36.44・烏龍茶24.84・白茶8.13・黄茶1.12(万t)、2023年は緑茶128.9・紅茶37.9・黒茶37.8・烏龍茶25.6・白茶8.3・黄茶1.9(万t)である。2025年の伝統茶類の国内販売量は237.77万tで、緑茶132.41、紅茶39.38、黒茶31.72、烏龍茶24.64(万t)だったとされる。
国内で飲まれる量と輸出
国内販売は2022年に239.75万t・3,395.27億元で、前年より量が9.56万t(4.15%)、額が275.31億元(8.82%)増えた。2023年は240.4万t・3,346.7億元で、量は前年より0.7万t増え、額は48.5億元(約1.4%)減った。2024年は241.3万t・3,257.6億元、均価は1kgあたり135元とされる。2023年の生産量の約88%は国内で消費されるとされる。
輸出は2025年に41.88万t(前年比11.9%増)、輸出額は15.5億ドル(同8.9%増)だった。輸出量の内訳は緑茶36.90万t(88.11%)、紅茶2.59万t(6.18%)、烏龍茶1.39万t(3.32%)、茉莉花茶7,510t(1.79%)である。輸出均価は1kgあたり3.69米ドルで、前年より0.10米ドル下がった。
輸出額が最大の輸出先はモロッコで、2.8億ドル(前年比14.7%増)だった。輸出額の上位は、モロッコ・セネガル・マレーシア・モーリタニア・ガーナ・コートジボワール・米国・日本・ウズベキスタン・アルジェリアの順で、この10か国・地域で60.5%を占める。
地理的表示と無形文化遺産
中国の地理的表示産品は、特定地域の産で、質・名声などの特性が産地の自然と人の要因に本質的に依るものとして審査され、地理名称で命名される。2005年の規定(7月15日)が定める。2024年末までに、累計2,544件の地理的表示産品が認定され、7,402件が集団商標・証明商標として登録されたとされる。不完全な集計では、2023年12月31日時点で地理的表示の証明商標・団体商標などとして登録された農産物の地域公用ブランドは4,700件で、うち茶は407件である。
「中国の伝統的な製茶技術と関連の社会的慣習」は、2022年(第17回政府間委員会)にユネスコの無形文化遺産の代表一覧に登録された。茶園の管理・摘採・手作業の加工・喫茶と分かち合いの知識と技能を含む。生産者が緑茶・黄茶・黒茶・白茶・烏龍茶・紅茶の6つの茶類を作り、花茶などの再加工茶を加えると2,000を超える製品になる。
名前の付け方
紅茶の祁門は安徽省の祁門県の産地、武夷山は福建の産地で、それぞれ別の頁に書いている。福建の安渓県では、1998年に鉄観音による貧困脱却の政策が始まり、2006年に中国茶葉として初めて「中国有名ブランド」(中国馳名商標)の認証を取得した。生産基地は優良鉄観音10万ムー・緑色(無公害)鉄観音6万ムーとされる。
中国茶には統一の葉の等級記号は無く、産地や茶種ごとの呼称や1〜5の数値等級が用いられるとされる。中国・台湾・日本の単一産地の生産者の多くは、OP/FOP系の記号を使わず、品種名・収穫季節・製法名で分類するとされる。紅茶の等級には国際的に統一された規格がなく産地ごとに異なるとされ、台湾・韓国・日本・中国はそれぞれ別の観点で格付けするとされる。ブロークン等級のBOPやBOPFは、中国を含む複数の産地で主力の等級とされる一方、OP・OP1・OPAの呼称は主にスリランカ・インドの紅茶、および中国以外の産地で使われるとされる。
日本との関係
日本の緑茶の輸入量(全体)は、2004年に16,995t、2023年に3,108t、2024年に3,032t、2025年に4,610tだった。2025年の輸入量のうち中華人民共和国からが88%を占め、上位5か国・地域にはベトナム・台湾・豪州・ケニアが入る。
中国からの紅茶の日本の輸入量は、3kg以下の直接包装が2010年150,083kg、2014年126,515kg、2019年74,571kg、2024年169,363kg、バルクが2010年480,926kg、2014年322,515kg、2019年214,282kg、2024年63,789kgである。
観測の注記
観測所の産地判定は、商品の産地欄に国名「中国」が入る商品を、この頁に結びつける。雲南・祁門・武夷山は独立した産地の頁で扱っている。コーヒーの産地としての中国は、別の頁(中国のコーヒー)にある。
買い方の手引き
棚での見え方
2026-10-02 の観測では、産地を中国とする茶葉は 19 件、扱う店は 6 店です。茶種の欄は紅茶 15 件、緑茶 2 件です。摘み取りの時期の欄が付いた商品はファーストフラッシュ 3 件とセカンドフラッシュ 1 件で、等級の欄が付いた商品はありません。100g あたりに換算した価格の中央値は 3,996 円です。店の説明文から取り出せた風味の系統の語はありません。
商品名の型
商品名には「正山小種(ラプサンスーチョン)+香りの名+年+春摘み」の型が見られます。同じ銘柄が 2023 年・2024 年・2025 年の摘み取りで並ぶ商品もあります。「銘柄名+年+セカンドフラッシュ」の型や、「プリンセスライチ」「アールグレイ」のようにフレーバー名だけが付く型もあります。
産地欄が中国でも、茶器の名前の商品、ラテのセット、「中国緑茶」の語を含むフレーバー紅茶が混じります。商品名の途中に送料や贈答の語が並ぶ長い名前もあります。茶種の欄は店の表記や商品名から機械的に付けたもので、中国の六大茶類の分類とは別です。産地欄が中国でも、商品名と茶種が噛み合うかを見て比べてください。
観測
コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。
観測した商品