ORIGIN — COUNTRY / COFFEE

ベトナム

VIETNAM

生産量で世界第2位、ロブスタでは世界最大の生産・輸出国。中部高原の大規模なロブスタ生産が中心で、ラムドン省ダラット周辺の高標高地でカティモールを中心にアラビカも産する。等級はロブスタのG1/G2とスクリーンサイズが軸。

事実

事実出典階層
中部高原(Central Highlands)のダクラク・ラムドン・ジアライ・コントゥムが生産の中心。北西部のソンラはアラビカの新興産地hello5coffee.comL3
ダクラク省のブオンマトート市は「ベトナムのコーヒーの首都」と呼ばれ、標高500〜800m帯がロブスタ栽培に適するとされるbuonmathuotcoffee.comL1
カウダット(Cầu Đất、ラムドン省)はダラット市街から24km、標高1,500m超viegoglobal.comL3
MY2026/27の総生産はUSDA予測で32.5百万袋(60kg換算)、うちロブスタ31.4百万袋・アラビカ1.1百万袋dailycoffeenews.comL3
MY2026/27の輸出予測は28.95百万袋(前年2025/26の28.5百万袋から+1.6%)dailycoffeenews.comL3
ロブスタはG1(Grade 1)・G2(Grade 2)に大別され、スクリーンサイズ(S18・S16・S13)と黒豆比率・水分等の基準で細分されるgreentechexport.comL3
G2は黒豆比率2%以下とされ、可溶性(インスタント)コーヒー向けの低コスト品(Bulk soluble coffee, low-cost base)とされるgreentechexport.comL3
TCVN 4193:2014(ベトナム国家規格)では、7.14mmの丸穴ふるいに90%以上残る粒径をスクリーン18と呼ぶ。greentechexport.comL3
カウダットでは、ナチュラル、ハニー、温室・バスケットでの天日乾燥を用いたウォッシュトが主な精製法とされるviegoglobal.comL3
1857年、フランス人宣教師によりアラビカが北部(ニンビン・タインホア等)へ初導入されたhelenacoffee.vnL3
1908年にロブスタ(Coffea canephora)とエクセルサ(Coffea excelsa、リベリカ系)が追加導入されたhelenacoffee.vnL3
カティモール(Catimor)はさび病耐性のため1970年代〜1990年代の間にベトナムへ導入されたとされるacquiredcoffee.comL3
ラムドン省のコーヒー栽培地は他地域より高地にあり、アラビカは標高1,200〜2,200m超、ロブスタは700〜850m帯に集中するipvietnam.gov.vnL1
ジアライ省のチューセー(Chư Sê)地区はプレイク市の南40kmに位置し、コーヒー栽培面積は12,000hathanhnien.vnL3
ベトナムのアラビカコーヒーは9〜12月が主要収穫期、5〜9月が副次収穫期である。vietnamtropifarm.comL1
ベトナムのロブスタコーヒーは10〜2月が主要収穫期、5〜9月が副次収穫期である。vietnamtropifarm.comL1
ベトナムはMY2026/27予測でブラジルに次ぐ世界第2位のコーヒー生産国で、生産量は3,250万袋(ブラジルは7,190万袋)apps.fas.usda.govL1
ベトナムはMY2026/27予測でロブスタの生産量が世界最大(3,140万袋)で、2位のブラジル(2,440万袋)を上回るapps.fas.usda.govL1
ベトナムはMY2026/27予測で総生産(3,250万袋)の97%にあたる3,140万袋をロブスタが占めるapps.fas.usda.govL1
ベトナムの焙煎・可溶性コーヒー輸出は総輸出の約13%を占めるとされるapps.fas.usda.govL1
ベトナムのMY2025/26の焙煎・可溶性コーヒー輸出は340万袋(GBE)と推計され、前年比19%増とされるapps.fas.usda.govL1
ベトナムのコーヒー・カカオ協会(VICOFA)は1990年に設立されたvicofa.org.vnL2
ベトナムのコーヒー・カカオ協会(VICOFA)の会員は100超で、国営企業・民間企業18・中部高原の大規模農園16・外資企業26・商業銀行4・商品取引所1・科学研究機関(WASI)1を含むvicofa.org.vnL2
カティモールはダクノン・ダクラク・ラムドン・クアンチ・ゲアン・ソンラの6省で広く栽培されているsimexcodl.com.vnL3
中部高原のダクラク・ラムドン・ダクノン・ジアライ・コントゥムの5省で、全国の栽培面積の92%・生産量の90%を占めるapps.fas.usda.govL1
ベトナムのMY2024/25のコーヒー生産はUSDA改定値でロブスタ2,800万袋・アラビカ100万袋(60kg換算)で、ロブスタが総生産の約97%を占めたapps.fas.usda.govL1

百科

産地の位置づけ

ベトナムはブラジルに次ぐ世界第2位の生産国で、ロブスタでは世界最大の生産・輸出国とされる。生産の約95%をロブスタが占め、日本の専門店の棚に並ぶアラビカはごく一部にとどまる。中部高原(Central Highlands)のダクラク・ラムドン・ジアライ・コントゥムの4省が生産の中心で、北西部のソンラは近年のアラビカ新興産地として挙げられる。

産地と標高

ダクラク省の中心都市ブオンマトートは「ベトナムのコーヒーの首都」と呼ばれ、標高400〜800m帯の低地でロブスタ栽培に適するとされる。ラムドン省のダラットとその周辺高原は標高1,000〜1,500mでベトナム国内で最も高い栽培標高帯とされ、国内アラビカの大半を産する。ダラット市街から24kmのカウダット(Cầu Đất)は標高1,500m超、気温は33℃前後まで上がり5℃を下回らない安定した冷涼気候で、栽培面積1,110haのうちアラビカが98%を占めるとされる。ジアライ省ではプレイク市の南40kmのチューセー(Chu Se)地区が産地として挙がり、栽培面積12,000haとする資料がある。ソンラは標高・気候の個別数値が確認できていないが、カティモール等の新興栽培地域として挙げられる。アラビカは9〜11月、ロブスタは10月〜翌1月が一般的な収穫期とされる。

生産の仕組み: ロブスタ中心の大規模生産と近年のアラビカ

MY2026/27の総生産はUSDA予測で32.5百万袋(60kg換算)、うちロブスタが31.4百万袋・アラビカが1.1百万袋。輸出はMY2026/27予測で28.95百万袋(前年比+2%)。VICOFA(Vietnam Coffee - Cocoa Association、1990年設立)によれば、焙煎・可溶性(インスタント)コーヒーの輸出は総輸出額の約13%を占め、MY2025/26の焙煎・可溶性輸出は3.4百万袋(GBE)で前年比+19%。VICOFAは会員100超で、国営企業・民間企業18・中部高原の大規模農園16・外資企業(FDI)26・商業銀行4・商品取引所1・科学研究機関(WASI)1を含む構成とされ、中部高原の大規模農園に加え多数の小規模自作農が生産を担うとされる。

規格: G1/G2とロブスタ/アラビカ

ロブスタはG1(Grade 1)・G2(Grade 2)に大別され、さらにスクリーンサイズ(S18・S16・S13)と欠点数(300gあたり)で細分される。ベトナム国家規格TCVN 4193:2014では、7.14mmの丸穴ふるいに90%以上残る粒径をスクリーン18と呼ぶと紹介される。G2は欠点数150以下でインスタント原料級とされる。アラビカにはベトナム国内商業規格(スクリーンサイズ・水分値)に加え、専門バイヤー向けにSCAカッピングスコア(80点以上でスペシャルティ)が併用されるとされる。

精製: 近年のハニー・ナチュラルの広がり

カウダットでは、ナチュラル、ハニー、温室・バスケットでの天日乾燥を用いたウォッシュトが主な精製法とされる。カウダットや北部高地の農家でSCA80点以上のロットが増え、サードウェーブ市場向けにウォッシュト・ハニーの精製が広がっているとされる。生産の大半を占めるロブスタでも、近年はハニーやナチュラルで精製した高精製グレードのロットが流通するようになっている。

品種

1857年、フランス人宣教師によりアラビカが北部(ニンビン・タインホア等)へ初導入され、1888年頃に北部で商業農園が開設された。1908年にロブスタ(Coffea canephora)とエクセルサ(Coffea excelsa、リベリカ系)が追加導入され、1875年頃からはブオンマトート(現ダクラク省)への展開が始まったとされる(導入年代は資料間で幅がある)。カティモール(Catimor)はさび病耐性のため1984年前後にベトナムへ導入され、現在は国内アラビカ生産の大半を占め、ラムドン・ダクラク・ダクノン・クアンチ・ゲアン・ソンラ等で広く栽培される。ロブスタは中部高原の主力品種で生産の約95%を占める。

典型として語られる香味

ロブスタは苦味とボディの強さ、土っぽさを伴う香味として語られることが多く、アラビカはダラット・カウダットなど高標高産のロットで酸とフローラルな香りが語られる傾向がある。これらは産地・品種の傾向として広く共有されている表現であり、個々のロットの評価ではない。実際の味は農園・標高・精製・焙煎度で変わる。

歴史

1857年のアラビカ初導入から1888年頃の商業農園開設を経て、1908年にロブスタとエクセルサが追加導入された。1875年頃からのブオンマトートへの展開が現在の生産構造の起点になったとされる。1980年代のさび病対策としてのカティモール導入により品種構成が段階的に変化し、現在の生産量で世界第2位、ロブスタでは世界最大の生産・輸出国という位置づけに至っている。

買い方の手引き

商品名の読み方

日本の生豆卸・EC・楽天出品では、ロブスタとアラビカ(多くはカティモール)を明確に区別した商品名が多く見られます。地域名は「ダラット」「グリーンダラット」のように産地語としてそのまま使われる一方、ダクラク・ジアライ・ソンラは商品名にほとんど現れません。生産者個人の名前を冠する例が目立つのも特徴で、「〜さんのアラビカ」「〜さんのロブスタ」のように下の名前・愛称をそのまま商品名にする表記が、他の産地の「〜農園」形式より多く見られます。

等級と精製の見方

ロブスタは「G1」「ポリッシュ」「ポリッシュド」の表記が中心で、「G1」はグレード1を示します。「ファインロブスタ」「ベリーファインロブスタ」はロブスタの高精製グレードを指す呼称として使われていますが、統一された定義は確認できていません。アラビカは「カティモール」「カチモール」のように同じ品種の音写表記がゆれる例があり、精製は「ナチュラル」「アナエロビック」「ハニー」「ワイニーハニー」「ワイニーナチュラル」「フルウォッシュド」など幅広い表記が併存します。

旬と入荷の時期

アラビカは9〜11月、ロブスタは10月〜翌1月が一般的な収穫期とされます。入荷の時期は生豆価格ボードの新着履歴で確認できます。

内容量と価格の目安

観測所の相場は下の「観測」の節に自動で出ます。ベトナムはロブスタとアラビカで価格帯が大きく異なる産地で、生豆はG1などの規格で店をまたいで比較できます。

観測

コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。

規格別の相場(生豆・商社規格が読める銘柄だけ)

規格銘柄店100g 中央値
ベトナム G164¥162ボードで見る →
ベトナム PB11¥459ボードで見る →

観測した商品

57銘柄 / 13店 / 在庫あり 22

松屋珈琲ベトナム G1 ポリッシュ¥136 /100g在庫あり2026-09-28
生豆本舗ベトナム ダラット¥359 /100g在庫あり2026-09-28

ほか27銘柄。

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