ORIGIN — COUNTRY / COFFEE
ペルー
PERU
アンデス山脈東斜面の北部(アマソナス・カハマルカ・サンマルティン)、中部(フニン)、南部(クスコ)にまたがる産地で、20万戸超の小規模農家が生産の中心を担う。輸出はG1などの商業等級で扱われ、認証オーガニック・フェアトレードのアラビカ輸出国の一つとされる。
事実
| 事実 | 出典 | 階層 |
|---|---|---|
| MIDAGRIの発表ではサンマルティン・カハマルカ・フニン・クスコ・アマソナスの5県が主要生産県で、ほかにウアヌコ・パスコを含め全体で16県に及ぶ | agraria.pe | L3 |
| USDAの2026年6月版の記述では、産地別のシェアはカハマルカ22%・サンマルティン20%・フニン19%・アマソナス15%とされる(年次の明記なし、MY2026/27版の記述) | dailycoffeenews.com | L3 |
| World Coffee Researchによれば、国内24県のうち17県がアンデス東斜面沿いの産地とされる | worldcoffeeresearch.org | L2 |
| 収穫期はおおむね4〜5月ごろに始まり9月上旬ごろまで続くとされる(未確認。USDAが用いる10月始まりのマーケティングイヤーとは別の暦) | — | L4 |
| 収穫面積はUSDAの2026年6月版予測でMY2026/27に34万ha(前年比+1.5%)、植付面積は37.5万ha | dailycoffeenews.com | L3 |
| MIDAGRIは2023年時点の栽培面積を42.7万haとするが、USDAの収穫面積・植付面積の数値とは一致しない(未確認) | — | L4 |
| 有機認証面積は約9万haで、Cámara Peruana del Café y Cacaoの発表でもほぼ同水準が報告される | camcafeperu.com.pe | L1 |
| 生産量はUSDAの2026年6月版予測でMY2026/27に478万袋(60kg換算、前年比+0.3%)。MY2025/26は476.4万袋、MY2024/25は412万袋 | dailycoffeenews.com | L3 |
| Cámara Peruana del Café y Cacaoは2026年の生産量を420万袋前後(前年比+8%程度)と見積もるなど、推計はUSDAの数値と一致しない(未確認) | — | L4 |
| 輸出量はUSDAの2026年6月版予測でMY2026/27に455.4万袋。MY2025/26は454.6万袋、MY2024/25は390.8万袋(前年比+16.5%) | dailycoffeenews.com | L3 |
| 輸出先はUSDAの2026年6月版によればMY2025/26で米国32%・ドイツ16%・ベルギー11% | dailycoffeenews.com | L3 |
| 輸出価格はUSDAの2026年6月版予測でMY2025/26に1トンあたり7,577ドル(前年比+55%) | dailycoffeenews.com | L3 |
| MIDAGRIの発表では国内生産の95%が輸出向けで、残りが国内消費に向けられる | agraria.pe | L3 |
| Cámara Peruana del Café y CacaoとWorld Coffee Researchはともに、ペルーを認証オーガニック・フェアトレード・アラビカの世界最大級の輸出国と位置づける | camcafeperu.com.pe | L1 |
| 小規模農家(1戸あたり平均1haをやや超える規模)が20万戸超を占め、全体の生産量の70%超を担うとされる(未確認) | — | L4 |
| 業界団体のJunta Nacional del Café(JNC)は1993年1月6日に設立され、62の生産者組織が加盟し、14の「コーヒーゾーン」にまたがる25,000超の会員家族を束ねる | juntadelcafe.org.pe | L1 |
| 生産量は南米でブラジル・コロンビアに次ぐ規模とされるが、世界順位の具体的な数字は確認できていない | en.wikipedia.org | L3 |
| 商業等級はGrade 1(G1)が最上位とされ、ほかにHB、MCM(Machine Cleaned Mejorado)、Grade 2、Grade 3・Mix Plus・Peruvian Mixの名称があり、標高帯に基づくSHB(Strictly Hard Bean)・HBという等級名もあるが、しきい値の標高やスクリーンサイズの数値は資料により異なる(未確認) | — | L4 |
| SL-09(通称「インカゲイシャ」)は1930年代にケニアのスコット農業研究所が単一樹選抜した系統に由来するとされ、2024年12月に仏の研究所によるDNA鑑定でゲイシャとは別系統と判定されたという記録がある(未確認) | velaethan.co | L4 |
| コーヒー栽培は18世紀半ばにエクアドルから伝わり、当初は国内消費用の小規模栽培だったとされる | en.wikipedia.org | L3 |
| 最初の輸出は1887年にドイツ・イギリス向けに行われ、1893年時点の生産量は約1,500トンとされる | en.wikipedia.org | L3 |
| 19世紀末にインドネシア産アラビカがさび病で壊滅した後、20世紀初頭に英国資本がプランテーション式の農園経営に参入したとされる | en.wikipedia.org | L3 |
| 両世界大戦後、英国資本の地主が土地を売却・分配して小農への転換が進み、小農は小規模協同組合を組織するようになった。1970年代には輸出コーヒーの80%を小規模協同組合が担うに至ったとされる | en.wikipedia.org | L3 |
| 2014年のコーヒーさび病(roya)により13万haが被害を受け、生産量が6%減少したとされる | en.wikipedia.org | L3 |
| Cup of Excellence(COE)は1999年に始まった国際的な品評会で、ブラジル・コロンビア・エルサルバドル・コスタリカ・ニカラグア・グアテマラ・ホンジュラス・メキシコ・ブルンジ・ルワンダとともにペルーも開催国の一つとされる(検索要約のみで一次資料は未確認) | 検索要約(cupofexcellence.org 関連記事。URL 未取得) | L4 |
百科
産地の位置づけ
ペルーはアンデス山脈東斜面に沿って国土の広い範囲でコーヒーを栽培する生産国で、南米ではブラジル・コロンビアに次ぐ規模とされます(世界順位の具体的な数字は確認できていません)。Cámara Peruana del Café y CacaoとWorld Coffee Researchはともに、ペルーを認証オーガニック・フェアトレード・アラビカの世界最大級の輸出国と位置づけています。生産の担い手は小規模農家が中心で、1戸あたり平均1haをやや超える規模の農家が20万戸超を占め、全体の生産量の70%超を担うとされます(未確認)。
産地と標高
主産地はサンマルティン・カハマルカ・フニン・クスコ・アマソナスの5県で、MIDAGRIはほかにウアヌコ・パスコを含め全体で16県に及ぶとしています。USDAの2026年6月版の記述では、産地別のシェアはカハマルカ22%・サンマルティン20%・フニン19%・アマソナス15%とされます(年次の明記なし)。World Coffee Researchによれば、国内24県のうち17県がアンデス東斜面沿いの産地です。北部(アマソナス・カハマルカ・サンマルティン)、中部(フニン)、南部(クスコ)という区分もよく使われます。収穫期はおおむね4〜5月ごろに始まり9月上旬ごろまで続くとされます(未確認)。USDAが用いる10月始まりのマーケティングイヤー(統計上の年度区分)とは別の暦です。
生産の仕組み: 小農と協同組合
業界団体のJunta Nacional del Café(JNC)は1993年1月6日に設立され、62の生産者組織が加盟し、14の「コーヒーゾーン」にまたがる25,000超の会員家族を束ねています。歴史的には、20世紀初頭に英国資本のプランテーション経営が入り、両世界大戦後に地主が土地を売却・分配して小農への転換が進み、小農は小規模協同組合を組織するようになりました。1970年代には輸出コーヒーの80%を小規模協同組合が担うに至ったとされます。
生産量
生産量はUSDAの2026年6月版予測でMY2026/27に478万袋(60kg換算、前年比+0.3%)、MY2025/26は476.4万袋、MY2024/25は412万袋です。一方、Cámara Peruana del Café y Cacaoは2026年の生産量を420万袋前後(前年比+8%程度)と見積もるなど、推計はUSDAの数値と一致しません(未確認)。収穫面積はUSDAの2026年6月版予測でMY2026/27に34万ha(前年比+1.5%)、植付面積は37.5万haですが、MIDAGRIは2023年時点の栽培面積を42.7万haとしており、USDAの数値とは一致しません(未確認)。有機認証面積は約9万haで、Cámara Peruana del Café y Cacaoの発表でもほぼ同水準が報告されています。
輸出
輸出量はUSDAの2026年6月版予測でMY2026/27に455.4万袋、輸出先はMY2025/26で米国32%・ドイツ16%・ベルギー11%です。輸出価格はMY2025/26に1トンあたり7,577ドル(前年比+55%)とされ、国内生産の95%が輸出向けで残りが国内消費に向けられます。
規格
商業等級としてはGrade 1(G1)が最上位とされ、ほかにHB、MCM(Machine Cleaned Mejorado)、Grade 2、Grade 3・Mix Plus・Peruvian Mixといった名称が並びます(未確認)。標高帯に基づく等級名としてSHB(Strictly Hard Bean)・HB(Hard Bean)もありますが、しきい値の標高やスクリーンサイズの数値は資料により異なります(未確認)。
品種
クスコ県ラ・コンベンシオン郡インカワシ渓谷を中心に、通称「インカゲイシャ」と呼ばれるSL-09が知られています。SL-09は1930年代にケニアのスコット農業研究所が単一樹選抜した系統に由来するとされ、2024年12月に仏の研究所によるDNA鑑定でゲイシャとは別系統と判定されたという記録があります(未確認)。
品評会(Cup of Excellence)
Cup of Excellence(COE)は1999年に始まった国際的な品評会で、ブラジル・コロンビア・エルサルバドル・コスタリカ・ニカラグア・グアテマラ・ホンジュラス・メキシコ・ブルンジ・ルワンダとともにペルーも開催国の一つです。COEはペルー固有の等級や産地名ではなく、品評会での成績・出品ロットを示す語です。日本の商品名でも、COEの年・順位を品種名や農園名と組み合わせた表記が複数店にまたがって見られます。
歴史
コーヒー栽培は18世紀半ばにエクアドルから伝わり、当初は国内消費用の小規模栽培だったとされます。最初の輸出は1887年にドイツ・イギリス向けに行われ、1893年時点の生産量は約1,500トンでした。19世紀末にインドネシア産アラビカがさび病で壊滅した後、20世紀初頭に英国資本がプランテーション式の農園経営に参入しました。2014年にはコーヒーさび病(roya)により13万haが被害を受け、生産量が6%減少する打撃を受けています。
買い方の手引き
商品名の読み方
商品名は「国名 → 県名または組合名 → 等級 → 精製」の順で書かれる型と、「国名 → COE(Cup of Excellence)の年・順位 → 品種 → 精製」の型に大きく分かれます。COEは国際的な品評会の名称で、産地名でも等級名でもありません。「マチュピチュ」は世界遺産の観光地名を冠した銘柄名で、実際の産地を示す地名ではありません。精製はウォッシュド/ウォッシュ/Washedの表記が主で、ナチュラルは少数です。
規格の見方
「G1」「G-1」はグレード1を指す商業規格で、日本の商品名で最も多く見られる表記です。ほかにSHB・HBという標高帯に基づく等級名や、Peru固有の規格とは別の国際的な品質評価制度である「Qグレード」の表記も見られます。等級は粒の大きさや品位の区分であり、味の優劣を保証するものではありません。
旬と入荷の時期
収穫期はおおむね4〜5月ごろに始まり9月上旬ごろまで続くとされます(未確認)。USDAが用いる10月始まりのマーケティングイヤー(統計上の年度区分)とは別の暦なので、商品名の「収穫年」を見るときは注意が必要です。
内容量と価格の目安
生豆は正袋(29〜35kg程度)単位で扱われることが多く、家庭向けには小分けの内容量も流通します。観測所の相場は下の「観測」の節に自動で出ます。生豆は産地×規格で店をまたいで比較でき、生豆価格ボードの行がその比較です。
観測
コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。
観測した商品
ほか79銘柄。
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ペルーコーヒー入門 — 北部・中部・南部の産地地図と「有機」「協同組合」の読み方 →ペルーの棚は県名より「有機」「協同組合」「農園」という語のほうが目立ちます。北部・中部・南部の3区分で産地を掴み、この産地固有の売られ方と、G1・SHBという等級表記、国内27店102銘柄の実測を整理します。