ORIGIN — REGION / COFFEE
シダモ
シダマ / SIDAMO / SIDAMA
エチオピア南部の産地で、シダマ州(2020年に発足)にあたる。棚の商品名は「シダマ」の後に地区名と精製(ナチュラル・ハニーなど)が続く型で、日本では旧称のシダモ表記も残る。
事実
| 事実 | 出典 | 階層 |
|---|---|---|
| イルガチェフェはゲデオ県のウォレダで、エチオピア商品取引所(ECX)はシダモとは別の産地区分として扱う。区別前は両者をまとめてシダモと呼ぶ慣行があった。 | trabocca.com | L3 |
| シダマ県の州昇格を問う住民投票は 2019 年 11 月 20 日にあり、賛成は最終結果で 98.9% だった。 | nebe.org.et | L1 |
| シダマ州は 2019 年の住民投票を受け、2020 年 6 月 18 日に南部諸民族州から分かれて発足した。 | en.wikipedia.org | L3 |
| Sidama は ECX の契約仕様で A〜E の 5 区分に分けられ、スペシャルティ枠の等級は Q1・Q2 で取引される。 | web.archive.org | L1 |
| ECX の契約仕様(2018 年 3 月版)は Sidama A と B に、ベンサ・ボナ・アルベゴナ・ダレ・シャベディノ等のウォレダを割り当てる。 | web.archive.org | L1 |
| 米国商標 SIDAMO は 2008 年 2 月 12 日に登録番号 3381739 で登録され、権利者はエチオピア政府である。 | tsdr.uspto.gov | L1 |
| ECX の契約仕様(2018 年 3 月版)は Sidama にウォッシュトとアンウォッシュトの両方の契約を置く。 | web.archive.org | L1 |
| 2025/26 年度は南部の産地でウォッシュトの供給が絞られ、農家が自宅で加工するナチュラルの割合が増えたとされる。 | apps.fas.usda.gov | L1 |
| 研究で調査されたシダマ地域の標高は海抜 560〜2,300 m(平均 1,694 m)である。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| エチオピアの直近 3 年(2023/24〜2025/26 年度)の平均で、シダマ州は全国のコーヒー生産の 12.9% を占める。 | apps.fas.usda.gov | L1 |
| シダマは、エチオピアの中央市場に供給されるウォッシュトの 20% 超を占めるとされる。 | wbcsd.org | L2 |
| シダマで主なコーヒー栽培地は、標高 1,500〜2,300 m の帯にあるとされる。 | wbcsd.org | L2 |
| エチオピア南部・南東部では庭畑方式の栽培が主で、ウォッシュトに加工され、Sidamo・Yirgacheffe の名で販売される。 | wbcsd.org | L2 |
| シダマ地域の生産者連合 SCFCU の生産(年約 1 万トン)の 95% はウォッシュトである。 | web.archive.org | L2 |
| シダマの庭畑式のコーヒーは 1 ha あたり 1,000〜1,800 本の低密度で、先住の樹木とエンセーテの陰で育つ。 | web.archive.org | L2 |
| SCFCU の組合員の生産面積は合計 48,791 ha で、小規模農家 1 戸あたりの平均は 0.9 ha である。 | web.archive.org | L2 |
| シダマ・コーヒー農民協同組合連合(SCFCU)は 67 の単位協同組合と 9 万超の小規模農家を代表し、国内で 2 番目に大きいコーヒーの協同組合連合である。 | web.archive.org | L2 |
| シダマの収穫期は標高と雨量の分布で変わり、9 月から 1 月にわたる。 | web.archive.org | L2 |
| 2025/26 年度は雨の始まりが遅れ、シダマを含む南部の産地で、収穫が最大 3 週間遅れた。 | apps.fas.usda.gov | L1 |
| 研究で調べたシダマ地域は年平均気温 27.2 ℃、年降水量 700〜1,200 mm で、雨は夏と春の二峰型、土壌は粘土・シルト・砂が主である。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| エチオピア政府は Sidamo などの名を地理的表示でなく商標登録で守る道を選んだ。商標は特定の産地や品質との結びつきを要件としない。 | wipo.int | L1 |
| 米国特許商標庁は 2006 年に Sidamo の商標出願を退けた。全米コーヒー協会が、名が一般的な呼び名になっていると異議を唱えていた。 | wipo.int | L1 |
| 2020 年のエチオピア COE で、1 位はシダマ・ゾーンのブラ、2 位と 3 位は同ゾーンのアルベゴナのロットだった。 | cupofexcellence.org | L2 |
| 2020 年のエチオピア COE は 28 位まで入賞し、ゾーンがシダマのロットは 1・2・3・7・8・11・12 位の 7 ランクを占めた。 | cupofexcellence.org | L2 |
| 2024 年のエチオピア COE は 27 位まで入賞し、産地欄がシダマのものは 25 ランクで、1〜3 位はいずれもシダマのロットだった。 | allianceforcoffeeexcellence.org | L2 |
| 南部エチオピアのギダボ川流域(シダマ地域を含む)では、湿式のコーヒー処理場 285 か所が地図化され、大半が川や支流の上流に集まっている。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| ギダボ流域の湿式処理場の 9 割は水の再循環設備が無いか動いておらず、機能していない割合は民間で 68%、協同組合で 92% である。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| ギダボ流域の湿式処理場は、水の再循環が機能すれば 1 kg の洗浄に約 22 L で済むが、現状は平均 63 L を使っている。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| エチオピアのコーヒー農家は約 250 万戸で、大半が 2 ha 未満の土地で営み、大規模農園のコーヒーは全国の 5% にとどまる。 | wbcsd.org | L2 |
| シダマを含む南部の庭畑式コーヒーは、エンセーテ・バナナ・果樹・根菜・トウモロコシなどと混作で、日陰樹は無いか少ないとされる。 | wbcsd.org | L2 |
| 2025/26 年度の収穫面積のうち、更新剪定(スタンピング)をした木の割合は、シダマで 13%、全国で 15% である。 | apps.fas.usda.gov | L1 |
| 2021 年の TechnoServe の農家調査では、シダマのコーヒーの木の 12% にコーヒー果実病(CBD)、3% にさび病が出ていた。 | wbcsd.org | L2 |
| エチオピアでは、コーヒー果実病(CBD)による収量の損失が、平均で 24〜30% に上るとされる。 | wbcsd.org | L2 |
| エチオピアのコーヒー栽培適地は、今世紀末までに 39〜59% 減る可能性があるとされ、シダマ東部のような限界地は不適になると予測される。 | wbcsd.org | L2 |
| 2021/22 年産の 5 産地(ジンマ・シダマ・ハラルゲ・ネケンテ・イルガチェフェ)の生豆の粗タンパク質は 13〜15 g/100 g で、シダマとイルガチェフェが最も低い。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| 同じ研究で、生豆の総フェノール量はジンマ 46.52・ネケンテ 44.55・シダマ 44.31・ハラルゲ 39.02・イルガチェフェ 34.25 mg GAE/100 g の順だった。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| 同じ研究で、シダマ産の生豆は粗繊維が最も多く(約 30 g/100 g)、ハラルゲ産は最も少なかった(約 25 g/100 g)。 | pmc.ncbi.nlm.nih.gov | L2 |
| エチオピアでは、生産者・協同組合・商業農園が直接輸出でき、農家や洗浄所から買ったコーヒーを ECX の競売場を通さずに輸出できる。 | apps.fas.usda.gov | L1 |
| エチオピアの貿易規則では、2 ha 以上の土地を持つ生産者・農家は、コーヒーを海外へ直接輸出できる。 | apps.fas.usda.gov | L1 |
| シダマでは、小農が収穫した赤い実を協同組合や民間の仲買に売り、洗浄所で加工したのち、アディスアベバの輸出業者が買い付けて主に海外の焙煎工場へ送る。 | wbcsd.org | L2 |
| 2025/26 年度は中東情勢でジブチ港の寄港船が減り、エチオピアのコーヒーの船積みが遅れた。 | apps.fas.usda.gov | L1 |
| シダマという名は、シダマ人の名であると同時に、その居住域であるシダマの領域の名でもある。 | wbcsd.org | L2 |
| 2023 年時点で、シダマはエチオピアの地域州の中で 2 番目に小さい。 | wbcsd.org | L2 |
百科
位置と産地
シダモはエチオピア高地に位置するコーヒーの産地です。シダマという名は、シダマ人の名であると同時に、その居住域であるシダマの領域の名でもあるとされます。シダマ県の州昇格を問う住民投票は2019年11月20日にあり、賛成は最終結果で98.9%でした。シダマ州は、この住民投票を受けて2020年6月18日に南部諸民族州から分かれて発足したとされます。2023年時点で、シダマはエチオピアの地域州の中で2番目に小さいとされます。
エチオピアの直近3年(2023/24〜2025/26年度)の平均で、シダマ州は全国のコーヒー生産の12.9%を占めます。州別の生産シェアは、オロミア州59.5%、南西エチオピア州13.7%、シダマ州12.9%、南エチオピア州7.1%で、この4州で約93%です。シダマは、エチオピアの中央市場に供給されるウォッシュトの20%超を占めるとされます。
イルガチェフェはゲデオ県のウォレダで、エチオピア商品取引所(ECX)はシダモとは別の産地区分として扱います。区別前は両者をまとめてシダモと呼ぶ慣行があったとされます。グジは以前はシダモの名でまとめられていましたが、2002年以降は独自の産地名で認められているとされます。
気候と標高
研究で調査されたシダマ地域の標高は海抜560〜2,300m(平均1,694m)です。主なコーヒー栽培地は、標高1,500〜2,300mの帯にあるとされます。研究で調べたシダマ地域は年平均気温27.2℃、年降水量700〜1,200mmで、雨は夏と春の二峰型、土壌は粘土・シルト・砂が主です。
収穫期は標高と雨量の分布で変わり、9月から1月にわたります。2025/26年度は雨の始まりが遅れ、シダマを含む南部の産地で、収穫が最大3週間遅れました。エチオピアのコーヒー栽培適地は、今世紀末までに39〜59%減る可能性があるとされ、シダマ東部のような限界地は不適になると予測されます。
生産と栽培
エチオピア南部・南東部では庭畑方式の栽培が主で、ウォッシュトに加工され、Sidamo・Yirgacheffeの名で販売されるとされます。シダマの庭畑式のコーヒーは1haあたり1,000〜1,800本の低密度で、先住の樹木とエンセーテの陰で育ちます。一方で、シダマを含む南部の庭畑式コーヒーは、エンセーテ・バナナ・果樹・根菜・トウモロコシなどと混作で、日陰樹は無いか少ないとする見方もあります。
エチオピアのコーヒー農家は約250万戸で、大半が2ha未満の土地で営み、大規模農園のコーヒーは全国の5%にとどまります。2025/26年度の収穫面積のうち、更新剪定(スタンピング)をした木の割合は、シダマで13%、全国で15%です。2021年のTechnoServeの農家調査では、シダマのコーヒーの木の12%にコーヒー果実病(CBD)、3%にさび病が出ていました。エチオピアでは、CBDによる収量の損失が、平均で24〜30%に上るとされます。
精製
2019年の解説では、エチオピアのシダマは生産の約60%がウォッシュトとされています。シダマ地域の生産者連合SCFCUの生産(年約1万トン)の95%はウォッシュトです。2025/26年度は南部の産地でウォッシュトの供給が絞られ、農家が自宅で加工するナチュラルの割合が増えたとされます。ECXの契約仕様は、Sidamaにウォッシュトとアンウォッシュトの両方の契約を置きます。
南部エチオピアのギダボ川流域(シダマ地域を含む)では、湿式のコーヒー処理場285か所が地図化され、大半が川や支流の上流に集まっています。流域の湿式処理場の9割は水の再循環設備が無いか動いておらず、機能していない割合は民間で68%、協同組合で92%です。水の再循環が機能すれば1kgの洗浄に約22Lで済みますが、現状は平均63Lを使っています。
流通と制度
ECXの契約仕様(2018年3月版)で、Sidamaは A〜E の5区分に分けられ、スペシャルティ枠の等級はQ1・Q2で取引されます。同じ仕様は、Sidama AとBに、ベンサ・ボナ・アルベゴナ・ダレ・シャベディノ等のウォレダを割り当てます。シダマでは、小農が収穫した赤い実を協同組合や民間の仲買に売り、洗浄所で加工したのち、アディスアベバの輸出業者が買い付けて主に海外の焙煎工場へ送ります。
エチオピアでは、生産者・協同組合・商業農園が直接輸出でき、農家や洗浄所から買ったコーヒーをECXの競売場を通さずに輸出できます。2ha以上の土地を持つ生産者・農家は、コーヒーを海外へ直接輸出できます。2025/26年度は中東情勢でジブチ港の寄港船が減り、エチオピアのコーヒーの船積みが遅れました。
シダマ・コーヒー農民協同組合連合(SCFCU)は67の単位協同組合と9万超の小規模農家を代表し、国内で2番目に大きいコーヒーの協同組合連合です。組合員の生産面積は合計48,791haで、小規模農家1戸あたりの平均は0.9haです。
名称の保護
エチオピア政府はSidamoなどの名を、地理的表示でなく商標登録で守る道を選びました。商標は特定の産地や品質との結びつきを要件としません。米国商標SIDAMOは2008年2月12日に登録番号3381739で登録され、権利者はエチオピア政府です。米国特許商標庁は2006年にSidamoの商標出願を退けており、全米コーヒー協会が、名が一般的な呼び名になっていると異議を唱えていました。
カップ・オブ・エクセレンス
2020年のエチオピアCOEは28位まで入賞し、ゾーンがシダマのロットは1・2・3・7・8・11・12位の7ランクを占めました。1位はシダマ・ゾーンのブラ、2位と3位は同ゾーンのアルベゴナのロットでした。2024年のエチオピアCOEは27位まで入賞し、産地欄がシダマのものは25ランクで、1〜3位はいずれもシダマのロットでした。
生豆の成分の比較
2021/22年産の5産地(ジンマ・シダマ・ハラルゲ・ネケンテ・イルガチェフェ)の生豆の粗タンパク質は13〜15g/100gで、シダマとイルガチェフェが最も低い結果でした。総フェノール量はジンマ46.52・ネケンテ44.55・シダマ44.31・ハラルゲ39.02・イルガチェフェ34.25mg GAE/100gの順でした。シダマ産の生豆は粗繊維が最も多く(約30g/100g)、ハラルゲ産は最も少なかった(約25g/100g)とされます。
買い方の手引き
棚での見え方
2026年10月1日時点の観測では、シダモ(シダマ)は86件・17店です。種類の内訳は生豆54件、焙煎豆18件、焙煎サービス14件です。100gあたりの価格の中央値は、焙煎豆が1,350円、生豆が232円です。
精製の欄が埋まっているのは60件で、ナチュラル39件、ウォッシュト10件、ハニー8件、アナエロビック3件です。ナチュラルが半数を超えています。店の説明文に出る語の系統は、花12件、ストーンフルーツ9件、キャラメル・はちみつ6件、熱帯の果実6件、ベリー5件、りんご・洋梨3件、チョコレート3件、スパイス3件、柑橘3件、ワイン2件、ドライフルーツ2件、紅茶2件、ハーブ1件、ナッツ1件です。
商品名の例では、「シダマ」(Sidama)の後に地区名とみられる語(ガタ ワッサ、コルマ コントマ、ハマショウ、ベンサ モルケ、ベンサ チャルチョ)が続き、その後に精製(ナチュラル、ハニー、アナエロビック ナチュラル)が付く型が目立ちます。「アンダースクリーン」のような選別の語が付く例、300gと1kgの両方を出す例、日本語名の後に英字名を併記する例、「Decaf」の例も見られます。「シダモ」表記の商品名は、この観測の例には出ていません。
観測
コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。
規格別の相場(生豆・商社規格が読める銘柄だけ)
観測した商品
ほか50銘柄。