ORIGIN — COUNTRY / COFFEE

エルサルバドル

EL SALVADOR

西部のアパネカ・イラマテペックを中心に、標高で分けるSHG・HG・CSの等級制度を持つ産地。1958年にパカマラ品種が育成された発祥地で、内戦後の土地改革で小規模農家が中心の構造に転換した。商品名はSHGと品種名(パカマラ・ブルボン)が骨格になる。

事実

事実出典階層
アパネカ・イラマテペックは国内で最も面積の広い産地区分で、栽培面積の約半分を占める。アワチャパン・ソンソナテ・サンタアナの3県にまたがり、標高500〜2,365m。サンタアナ火山を含み、農園自体は標高900〜1,600mが中心xliiicoffee.comL3
サンタアナはアパネカ・イラマテペック地域の一部で、火山性土壌の産地xliiicoffee.comL3
チャラテナンゴは国北部に位置し、冷涼な気温と火山性土壌が特徴。ブルボン品種の産地として言及されるxliiicoffee.comL3
サンビセンテ(チンチョンテペック火山周辺)は比較的新しい産地区分で、標高は2,130mまで。ラパス・サンビセンテ・クスカトラン各県を含み、国内3番目の生産地域xliiicoffee.comL3
CSC(Consejo Salvadoreño del Café)は政府機関で、国のコーヒー政策・研究・国内外への普及促進・品質基準・生産者支援を担うmayorgacoffee.comL1
1880年代後半に導入され、藍(インディゴ)に代わり主要輸出品となった。1920年代には輸出の90%を占めたsociety-cafe.comL3
CSCのデータとして、1970年代には世界第3位の生産国・第4位の輸出国だったとされるsociety-cafe.comL1
内戦(1979〜1992年)の影響で、生豆生産量は1979年の175,000tから1986年に141,000tへ19%減少した。投資減退が直接要因とされるsociety-cafe.comL3
内戦後は大農園の解体・再分配が進み、現在は生産者の95%が20ha未満の小規模農家society-cafe.comL3
現在、コーヒーは国の輸出の2%未満で、往時から大幅に縮小しているsociety-cafe.comL3
標高等級は3段階: Strictly High Grown(SHG、標高1,200m以上)・High Grown(HG、800〜1,200m)・Central Standard(CS、〜800m)で、高地ほど上位等級検索結果要約(複数の専門メディア)L3
ブルボンはチャラテナンゴ・アパネカ・イラマテペックなど高地で栽培される代表品種podiumcoffeeclub.comL3
Pacas品種は1956年にFernando Alberto Pacas Figueroaがエルサルバドルで発見した。ブルボンの自然変異で、フロリダ大学の研究で判定されたperfectdailygrind.comL3
パカマラは1958年、ISIC(エルサルバドル・コーヒー研究所)がPacasとMaragogipe(ブラジル起源のティピカ変異、大粒)を交配して育成した。名称は両親の頭音節から取られているpodiumcoffeeclub.comL3
パカマラは約30年の選抜・試験を経て、1970年代末〜1980年代に段階的に生産者へ配布されたozonecoffee.co.ukL3
日本の生豆輸入量は2021年時点でエルサルバドル2,714t・10位という集計がある(財務省貿易統計を集計した個人サイトの転載、未確認)L4
kopicha観測所のcatalog(2026-09-09)でoriginが「エルサルバドル」の商品は88レコード・85の(店・題名)組・13ソースだったsrc/data/catalog(本サイト観測、2026-09-09)
商品名にSHGを含むものは85の(店・題名)組のうち30件で、HG・CS単独の表記は確認できなかったsrc/data/catalog(本サイト観測、2026-09-09)
商品名にブルボンを含むものは21件、パカマラを含むものは17件で、産地区分名より品種名が主な訴求点になっているsrc/data/catalog(本サイト観測、2026-09-09)
産地区分名(アパネカ・イラマテペック、チャラテナンゴ、サンビセンテ)は商品名にほぼ出現せず、農園名(フィンカ)と品種・等級SHGが主な表記要素src/data/catalog(本サイト観測、2026-09-09)
品評会Cup of Excellence(COE)の表記も一部の商品名に見られる(「エルサルバドル COEエル・ポルテスエロ農園」等)src/data/catalog(本サイト観測、2026-09-09)

百科

産地の位置づけ

エルサルバドルは中米の中でも国土が小さい国ですが、1920年代には輸出の90%をコーヒーが占め、1970年代にはCSCのデータとして世界第3位の生産国・第4位の輸出国だったとされます。1979〜1992年の内戦を経て生産構造が転換し、現在はコーヒーの輸出比重が国の輸出の2%未満まで縮小しています。1958年にパカマラ品種が育成された発祥地としても言及される産地です。

産地と標高

西部のアパネカ・イラマテペックは国内で最も面積の広い産地区分で、栽培面積の約半分を占めます。アワチャパン・ソンソナテ・サンタアナの3県にまたがり、標高は500〜2,365mの範囲に及びますが、農園自体は標高900〜1,600mが中心です。サンタアナはこの地域の一部で、火山性土壌が特徴とされます。国北部のチャラテナンゴは冷涼な気温と火山性土壌が特徴で、ブルボン品種の産地として言及されます。サンビセンテ(チンチョンテペック火山周辺)は比較的新しい産地区分で、標高は2,130mまで、ラパス・サンビセンテ・クスカトラン各県を含み、国内3番目の生産地域です。

生産の仕組み: CSCと内戦後の再建

CSC(Consejo Salvadoreño del Café)は政府機関で、国のコーヒー政策・研究・国内外への普及促進・品質基準・生産者支援を担っています。コーヒー産業は1880年代後半、それまでの主要輸出品だった藍(インディゴ)に代わって導入され、1920年代には輸出の90%を占めるまでになりました。しかし1979〜1992年の内戦は産業に直接的な打撃を与え、生豆生産量は1979年の175,000tから1986年に141,000tへ19%減少しました。内戦後は大農園の解体・再分配という土地改革が進み、現在は生産者の95%が20ha未満の小規模農家という構造に転換しています。

規格: SHG・HG・CS

等級は標高による3段階で、Strictly High Grown(SHG、標高1,200m以上)・High Grown(HG、800〜1,200m)・Central Standard(CS、800m未満)の順に高地が上位とされます。日本の商品名ではSHGがほぼ唯一の等級表記として使われ、HG・CS単独の表記は確認できていません。国内向けに流通する商品が高地産(SHG)に偏っている可能性があります。

精製

ウォッシュ(ウォッシュト)が基本の精製方法で、ナチュラルによる精製のロットも一部見られます。

品種: パカマラの発祥

代表品種のブルボンは、チャラテナンゴ・アパネカ・イラマテペックなど高地で栽培されます。1956年、Fernando Alberto Pacas Figueroaがブルボンの自然変異としてPacas品種を発見し、フロリダ大学の研究で新品種と判定されました。1958年には、ISIC(エルサルバドル・コーヒー研究所)がこのPacasと、ブラジル起源の大粒品種Maragogipe(マラゴジッペ、ティピカの変異)を交配し、両親の頭音節を取ってパカマラと名付けた品種を育成しました。パカマラは約30年の選抜・試験を経て、1970年代末〜1980年代に段階的に生産者へ配布されています。

典型として語られる香味

エルサルバドル産の香味として一般に語られるのは、キャラメルのような甘さと、まろやかでバランスの取れた酸です。パカマラ種については、大粒に由来する複雑な香りとボディが典型として語られます。これらは産地・品種の傾向として広く共有されている表現であり、個々のロットの評価ではありません。実際の味は農園・標高・精製・焙煎度で変わります。

歴史

コーヒー産業は1880年代後半に藍から転換して成立し、1920年代の輸出の90%、1970年代の世界3位生産・4位輸出という時期を経ました。1958年のパカマラ育成は、この時期の研究投資の産物として位置づけられます。1979〜1992年の内戦は生産量を直接的に減少させ、戦後の土地改革によって大農園制から小規模農家中心の構造へと転換しました。現在、コーヒーは国の輸出の2%未満まで比重を下げていますが、パカマラという品種を通じて産地の名が語られ続けています。

国内での観測

kopicha観測所のcatalog(2026-09-09)では、originが「エルサルバドル」の商品は88レコード・85の(店・題名)組・13ソースにわたって観測されています。生豆卸のwildが35件と最も多く、モール出品の楽天、ロースター系の小川珈琲・philocoffeaが続きます。産地区分名(アパネカ・イラマテペック、チャラテナンゴ、サンビセンテ)は85組の商品名にほぼ現れず、農園名(フィンカ)と品種語(パカマラ・ブルボン)、等級SHGが表記の骨格になっているという実態が観測データから確認できます(HG・CS単独の表記は0件)。

買い方の手引き

商品名の読み方

日本の店では「エルサルバドル」の後に、等級(SHG)→ 農園名(フィンカ)→ 品種(パカマラ、ブルボンなど)→ 精製 の順で書かれる型が中心です。「エルサルバドル SHG ベジャ・ビスタ農園」のように国名の直後に等級を置く型と、「FINCA EL TRIGALITO PACAMARA - EL SALVADOR」のように農園名・品種を前面に出し国名を末尾に添える英語表記の型があります。産地区分(アパネカ・イラマテペック、チャラテナンゴ、サンビセンテ)は商品名にほとんど出ず、農園名と品種名が優先される表記です。人名が書かれる場合は、そのロットの生産者の名前です。

等級と精製の見方

等級は標高による3段階で、SHG(Strictly High Grown、標高1,200m以上)・HG(High Grown、800〜1,200m)・CS(Central Standard、800m未満)の順に高地が上位です。日本の商品名で見られる等級表記はSHGがほとんどで、HG・CSはめったに使われません。「Qグレード」という表記もありますが、これはSCAの品質認証制度で、国の標高等級とは別の軸です。精製はウォッシュ(ウォッシュト)が基本で、ナチュラルの表記も見られます。

旬と入荷の時期

収穫・輸出の時期は中米の他産地と概ね近い時期ですが、本調査では月単位の根拠を確認できていません。商品名にクロップ年やCOE(Cup of Excellence)の年次表記があれば、その収穫を指す目安になります。

内容量と価格の目安

観測所の相場は下の「観測」の節に自動で出ます。エルサルバドルは農園名と品種(パカマラ・ブルボン)での比較が中心で、SHG表記のある商品同士は生豆価格ボードの産地×規格の行で比較できます。

観測

コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。

規格別の相場(生豆・商社規格が読める銘柄だけ)

規格銘柄100g 中央値
エルサルバドル SHG235¥318ボードで見る →

観測した商品

82銘柄 / 16店 / 在庫あり 39 / 100g中央値 ¥1,361

ほか52銘柄。

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