ORIGIN — COUNTRY / COFFEE

コスタリカ

COSTA RICA

ICAFEが定める8つの産地区分と、標高を基準とするSHB/GHB/HBの等級表記が骨格になる中米の産地。ハニープロセスの発祥地とされ、マイクロミル運動が小農園単位のトレーサブルな流通を後押ししている。

事実

事実出典階層
コーヒーの生産地区分はICAFE(Instituto del Café de Costa Rica、コスタリカコーヒー協会)が定めるticotimes.netL3
主産地はタラス・セントラルバレー・ウエストバレー・トレスリオス・ブルンカ・オロシ・トゥリアルバ・グアナカステの8地域cafetico.ioL3
タラスは国内生産の約35%を占める最大産地で、標高1,200〜1,800m超cafetico.ioL3
セントラルバレー・ウエストバレーはイラス・バルバ・ポアス火山の影響を受ける歴史的中心地。ウエストバレーは標高1,600mに達する高地を含むcafetico.ioL3
トレスリオスはイラス火山の土壌の影響を受ける比較的均一な小地域cafetico.ioL3
ブルンカは標高800〜1,200mの中標高地域で、国内生産の約5分の1を占めるcafetico.ioL3
オロシは標高約1,000〜1,400mの中標高地域cafetico.ioL3
トゥリアルバは標高1,200〜1,650mで、大西洋側の気候の影響で開花が複数回起こり収穫期が早期化・長期化するcafetico.ioL3
8地域の8割超が標高800〜1,600mの範囲に位置するcafetico.ioL3
収穫期は11月から2月にかけてが一般的とされるcafetico.ioL3
MY2026/27の生産予測は前年比3.5%増の120万袋(60kg換算)dailycoffeenews.comL1
MY2026/27の輸出予測は前年比3.9%増の106万袋dailycoffeenews.comL1
MY2026/27の国内消費予測は32万袋で横ばい(高価格・人口増鈍化)dailycoffeenews.comL1
通貨高・国際価格下落・生産コスト上昇により、増産でも農家の利益は限定的と報じられているdailycoffeenews.comL3
ICAFEは1933年にInstituto de Defensa del Caféとして設立され、1948年にOficina del Caféへ改称、1985年からICAFEの名称になった。法No.2762に基づく公法人icafe.crL1
ICAFEの財源は輸出コーヒーのFOB価格の最大1.5%(46kg単位あたり)にあたる輸出税icafe.crL1
1989年制定の低品質ロブスタ栽培禁止法を2018年に解禁。ICAFEが指定する特定区域限定、アラビカとの混在防止が条件dailycoffeenews.comL3
解禁後も生産の大半はアラビカのままとされるqcostarica.comL3
2000年代半ばに誕生したマイクロミル運動は、近接する小農園が共同でハニー精製用のペルパー等の設備に投資する形態grandrapidscoffee.comL3
SHB(Strictly Hard Bean)の標高基準は資料により1,200m超・1,350m超と幅があるhelenacoffee.vnL3
GHB(Good Hard Bean)は標高1,000〜1,200m前後(資料により1,000〜1,350mとする記載もある)helenacoffee.vnL3
HB(Hard Bean)・MHB(Medium Hard Bean)は標高1,000m未満の低地・中標高産helenacoffee.vnL3
標高が高いほど昼夜の寒暖差で豆の成長が遅く密度が高くなり、上位等級とされるhelenacoffee.vnL3
第二次大戦後、低収量のティピカ・ブルボンから多収のカトゥーラ・カトゥアイへ転換し、栽植密度は1,000本/ha台から3,000本/ha台へ増加したbeanbros.coL3
カトゥーラはブルボンの自然変異種。1915〜1918年頃ブラジル・ミナスジェライス州の農園で発見され、グアテマラ経由でコスタリカ・ホンジュラス・パナマへ導入されたvarieties.worldcoffeeresearch.orgL2
カトゥアイはムンドノーボとカトゥーラの交配種で1966年にブラジルでリリースされたvarieties.worldcoffeeresearch.orgL2
ビジャサルチはブルボン集団の単一遺伝子変異による小型変種。1950〜60年代にコスタリカ・アラフエラ州北西部で発見されたsagebrushcoffee.comL3
ウォッシュトとパルプドナチュラルの中間にあたるハニープロセスは、コスタリカ発祥とする記述が複数の産地解説で一致するsucafina.comL3
ハニー精製の普及はマイクロミル運動の広がりと並行して進んだとされるgrandrapidscoffee.comL3
コーヒー栽培は1700年代後半に始まり、中米で最初にコーヒー産業を確立した国とされるbeanbros.coL3
1820年代までに主要な輸出農産物となったbeanbros.coL3

百科

産地の位置づけ

コスタリカは中米に位置する国で、国内のコーヒー産地区分はICAFE(Instituto del Café de Costa Rica、コスタリカコーヒー協会)が定めている。8つの産地区分(タラス・セントラルバレー・ウエストバレー・トレスリオス・ブルンカ・オロシ・トゥリアルバ・グアナカステ)からなり、いずれも中米の脊梁を成す火山系の高地に位置する。1989年制定の法律で長らくロブスタ種の栽培が禁止されており、生産のほぼ全量がアラビカ種という点で周辺の中米諸国と異なる。

産地と標高

8区分のうち最大の産地はタラス(Tarrazú)で、国内生産の約35%を占め、標高1,200〜1,800m超の高地に位置する。中央部のセントラルバレー・ウエストバレーは、イラス・バルバ・ポアスなど複数の火山の影響を受ける歴史的な中心地で、ウエストバレーは標高1,600mに達する高地を含む。イラス火山周辺のトレスリオスは比較的均一な土壌条件の小地域、太平洋側南部のブルンカは標高800〜1,200mの中標高地帯で国内生産の約5分の1を占める。中央部のオロシは標高約1,000〜1,400mの中標高、大西洋側の気候の影響を受けるトゥリアルバは標高1,200〜1,650mで、複数回の開花により収穫期が早期化・長期化する傾向があるとされる。8地域の8割超が標高800〜1,600mの範囲に位置する。

生産の仕組み: ICAFEとマイクロミル運動

コーヒー産業への国の関与は1933年のInstituto de Defensa del Café設立に始まり、1948年にOficina del Caféへ改称、1985年からInstituto del Café de Costa Rica(ICAFE)の名称になった。ICAFEは国家機関ではなく法No.2762に基づく公法人で、財源は輸出コーヒーのFOB価格の最大1.5%(46kg単位あたり)にあたる輸出税でまかなわれる。2000年代半ばには、近接する複数の小農園が共同でハニー精製用のペルパー等の設備に投資する「マイクロミル」という形態が生まれ、ロット単位でのトレーサブルな流通を後押ししたとされる。2018年には1989年制定の低品質ロブスタ栽培禁止法が解禁され、ICAFEが指定する特定区域に限り、アラビカとの混在を防ぐ条件付きでロブスタの栽培が認められるようになった。気候変動への対応や需要増が背景として報じられているが、解禁後も生産の大半はアラビカのままとされる。

規格: 標高基準のSHB/GHB/HB

コスタリカの等級は栽培標高を基準とする体系で、Strictly Hard Bean(SHB)が最上位に位置づけられる。SHBの標高基準は情報源によって「1,200m超」「1,350m超」と幅があり、確定した一次資料の閾値には調査でたどり着けていない。SHBに次ぐGood Hard Bean(GHB)は標高1,000〜1,200m前後(資料により1,000〜1,350mとする記載もある)、Hard Bean(HB)またはMedium Hard Bean(MHB)は標高1,000m未満の低地・中標高産という位置づけで、標高が高いほど昼夜の寒暖差により豆の成長が遅くなり密度が高くなることが上位等級の根拠として説明されている。

精製: ハニープロセスの発祥地

ウォッシュトとパルプドナチュラルの中間にあたるハニープロセスは、コスタリカが発祥とする記述が複数の産地解説サイトで一致しており、マイクロミル運動の広がりと並行して普及したとされる。日本の店の商品名には「イエローハニー」「レッドハニー」「ブラックハニー」「ホワイトハニー」という色区分の表記が見られ、果肉除去後に残す粘液質(ミューシレージ)の量の違いを示す語として一般に使われている。

品種

第二次大戦後、輸送性が低く低収量のティピカ・ブルボンから、小型で多収のカトゥーラ・カトゥアイへの転換が進み、栽植密度も1haあたり1,000本台から3,000本台へ増加した。カトゥーラはブルボンの自然変異種で、1915〜1918年頃にブラジル・ミナスジェライス州の農園で発見され、グアテマラを経由してコスタリカ・ホンジュラス・パナマへ導入されたとされる。カトゥアイはムンドノーボとカトゥーラの交配種で1966年にブラジルでリリースされた。ビジャサルチはブルボン集団の単一遺伝子変異による小型変種で、1950〜60年代にコスタリカのアラフエラ州北西部で発見された、コスタリカ生まれの品種とされる。ゲイシャもロット単位で栽培・流通しており、日本の商品名にも表記が見られる。

典型として語られる香味

コスタリカ産の香味として一般に語られるのは、明瞭な酸とバランスの取れたカップ、産地によってはドライフルーツやバニラ、チョコレート、キャラメルを思わせる風味である。これらは産地の傾向として広く共有されている表現であり、個々のロットの評価ではない。実際の味は農園・標高・精製・焙煎度で変わる。

歴史

コスタリカでのコーヒー栽培は1700年代後半に始まり、中米で最初にコーヒー産業を確立した国とされる。1820年代までに主要な輸出農産物となり、その後の国の関与は1933年のInstituto de Defensa del Café設立に始まる。1985年のICAFEへの改組、2000年代半ばのマイクロミル運動の誕生、2018年のロブスタ栽培解禁と、20世紀後半から21世紀にかけて生産構造は段階的に変化してきた。

買い方の手引き

商品名の読み方

日本の生豆卸・自家焙煎店の商品名は、「コスタリカ」の後に等級(SHBなど)→ 産地区分(タラス、セントラルバレー、トレスリオスなど)→ 農園名 → 品種 → 精製の順に並ぶ型が中心です。COE(Cup of Excellence)の入賞ロットでは大会名と回次・順位を明示する例もあります。精製方法をそのまま農園名の前に置く命名(「ホワイトハニー ○○農園」のような型)も見られ、精製語が銘柄の識別に使われていることを示しています。

等級と精製の見方

SHB(Strictly Hard Bean)は標高基準の上位等級で、日本で流通するコスタリカ産の多くがこの表記を伴います。精製は「ハニー」の色区分(イエロー・レッド・ブラック・ホワイト)表記が特徴的で、粘液質を残す量の違いを示す語として使われ、ウォッシュトに近いイエローから、パルプドナチュラルに近いブラックまで幅があります。「ナチュラル」「アナエロビック・ナチュラル」「ウォッシュド」の表記も見られます。

旬と入荷の時期

収穫は11月から2月にかけて行われ、トゥリアルバなど大西洋側の気候の影響を受ける地域では開花が複数回起こるため収穫期がより早く始まり長く続く傾向があります。商品名にクロップ年が書かれていれば、その収穫を指す目安になります。

内容量と価格の目安

観測所の相場は下の「観測」の節に自動で出ます。生豆はSHBと産地区分の組み合わせで店をまたいで比較でき、生豆価格ボードの産地×規格の行がその比較です。

観測

コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。

規格別の相場(生豆・商社規格が読める銘柄だけ)

規格銘柄100g 中央値
コスタリカ SHB363¥300ボードで見る →
コスタリカ PB11¥421ボードで見る →

生産者(辞書にあるもの)

ハシエンダ・コペイ12

生産者一覧で見る →

観測した商品

162銘柄 / 32店 / 在庫あり 89 / 100g中央値 ¥1,130

松屋珈琲コスタリカ タラス ハニー¥241 /100g在庫あり2026-09-13
生豆本舗コスタリカ セントタラス¥351 /100g在庫あり2026-09-13
NOZY COFFEEコスタリカ Costa Rica / LA CANDELILLA¥844 /100g在庫あり2026-09-13
PASSAGE COFFEEコスタリカ LA CANDELILLA¥952 /100g在庫あり2026-09-13
LIGHT UP COFFEEコスタリカ LAS COLINAS - COSTA RICA¥1,040 /100g在庫あり2026-09-13

ほか132銘柄。

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