ORIGIN — COUNTRY / COFFEE
グアテマラ
GUATEMALA / グァテマラ
Anacaféが定める8つの産地区分と、標高1,350m超を基準とするStrictly Hard Bean(SHB)の等級表記が商品名の骨格になる中米の産地。国土の大半が火山性の高地で、産地区分ごとに標高と気候が異なる。
事実
| 事実 | 出典 | 階層 |
|---|---|---|
| Anacafé(グアテマラ全国コーヒー協会)が定めるブランド Guatemalan Coffees は、アンティグア・ウエウエテナンゴ(Highland Huehue)・アティトラン・コバン(Rainforest Cobán)・フライハーネス・アカテナンゴ・サンマルコス・ニューオリエンテの8つの産地区分からなる | guatemalancoffees.com | L1 |
| ウエウエテナンゴ(Highland Huehue)は標高約1,524〜1,981m、気温20〜24℃、年間降水量約1,219〜1,422mmの非火山性の高地で、8区分のうち最も標高が高く乾燥している。遠隔地のため生産者が自前で精製する例が多い | guatemalancoffees.com | L1 |
| アンティグア(Antigua Coffee)は標高約1,524〜1,707m、気温18〜22℃、降水量約813〜1,219mmで、アグア・フエゴ・アカテナンゴの3火山に囲まれ軽石を含む火山性土壌の産地 | guatemalancoffees.com | L1 |
| コバン(Rainforest Cobán)は標高約1,311〜1,707mだが年間降水量が約3,048〜4,064mmと国内で最も多く、現地で「チピチピ」と呼ばれる霧雨が特徴の石灰岩・粘土質の土壌 | guatemalancoffees.com | L1 |
| 国土の標高は海抜0mから3,000mを超える範囲に及ぶ | guatemalancoffees.com | L1 |
| 収穫期は11月から4月にかけて | sucafina.com | L3 |
| Strictly Hard Bean(SHB)は標高1,350mを超える南向きの火山斜面が主産地 | sucafina.com | L3 |
| 2024/25年の1〜3月にコーヒーさび病の発生率は月により20%程度まで上がった(USDAの報告をDaily Coffee Newsが転載) | dailycoffeenews.com | L3 |
| 生産量はMY2026/27予測で313万袋(60kg換算、前年比+3%) | dailycoffeenews.com | L3 |
| 輸出量はMY2026/27予測で合計320万袋、うち生豆が288万袋で約9割を占める | dailycoffeenews.com | L3 |
| 輸出先は米国が42%を占めて最も多く、次いで日本・カナダ・ベルギー・イタリア・韓国と続く | dailycoffeenews.com | L3 |
| 2024/25年の収穫では輸出の81%がStrictly Hard Bean(SHB)に分類された | dailycoffeenews.com | L3 |
| 作付の約98%・生産量の96%をアラビカ種が占め、残りをロブスタ種が占める | dailycoffeenews.com | L3 |
| MY2026/27の収穫面積は345,000ha、結実樹16.62億本、単収9.45袋/ha | dailycoffeenews.com | L3 |
| 国内消費はMY2026/27予測で90万袋、うちインスタントが60万袋(67%)、焙煎・粉が30万袋 | dailycoffeenews.com | L3 |
| 2024/25年の平均輸出価格は60kg袋あたり300ドル、輸出額は12.84億ドル | dailycoffeenews.com | L3 |
| さび病耐性品種はアラビカ農園の約3割に更新されている | dailycoffeenews.com | L3 |
| 生産量は3,523,000袋で世界11位(年の明記なし) | sucafina.com | L3 |
| Anacafé(グアテマラ全国コーヒー協会)は1960年設立で、1928年に中央政府が設けたOficina Central del Caféの後継にあたる | en.wikipedia.org | L3 |
| 20世紀の大半は中米で最も生産量の多い国だったが、2011年にホンジュラスに抜かれた | en.wikipedia.org | L3 |
| アラビカのほぼ全量が水洗式で精製され、栽培の98%がシェードグロウン(日陰栽培) | sucafina.com | L3 |
| 主要品種はブルボン、カトゥーラ、カトゥアイ、ティピカ、マラゴジッペ、パチェ、パカマラ | sucafina.com | L3 |
| コーヒー産業は1850〜60年代に発展し、1871年の自由主義革命(フスト・ルフィーノ・バリオス政権)以降に急拡大した | en.wikipedia.org | L3 |
| 1880年には輸出額の92%をコーヒーが占め、1887年の生産量は2,200万kgを超えた | en.wikipedia.org | L3 |
| 1952年の農地改革法、1996年の内戦終結、2010年頃からのさび病流行など、20世紀後半の政治と農業政策の変化が生産構造に影響した | en.wikipedia.org | L3 |
| 日本の生豆輸入量は2025年(確々報)で19,630t、輸入元として4位 | coffee.ajca.or.jp | L2 |
| 2021年の日本の生豆輸入量は19,913t・5位という集計もある(未確認) | goodlife365.bex.jp | L4 |
百科
産地の位置づけ
グアテマラは中米に位置する火山国で、国土の大半が標高0mから3,000mを超える起伏に富んだ地形からなります。20世紀の大半にわたり中米で最も生産量の多い国でしたが、2011年に生産量でホンジュラスに抜かれ、現在は世界の生産量で11位前後に位置します。アラビカ種が作付の約98%・生産量の96%を占め、残りをロブスタ種が占めます。輸出額は農産物輸出全体の中で大きな比重を持ち、コーヒーは今も国の基幹輸出品目の一つです。
産地と標高: Anacaféの8区分
コーヒー生産者団体Anacafé(グアテマラ全国コーヒー協会)は、地形と気候の違いから国内を8つの産地区分に分けています。アンティグア(Antigua)はアグア・フエゴ・アカテナンゴの3火山に囲まれた軽石質の火山性土壌の産地で、標高は約1,524〜1,707m。ウエウエテナンゴ(Huehuetenango)は非火山性の高地で標高約1,524〜1,981mと8区分で最も高く、メキシコのテワンテペック平原から吹く乾いた風のおかげで霜の害を免れやすいとされます。遠隔地のため、生産者が自前で精製設備を持つ例が多い地域です。コバン(Rainforest Cobán)は標高約1,311〜1,707mながら年間降水量が約3,048〜4,064mmと国内で最も多く、現地で「チピチピ」と呼ばれる霧雨が特徴の石灰岩・粘土質の土壌です。このほか、アティトラン湖周辺のアティトラン(Atitlán)、南部のフライハーネス(Fraijanes)、アカテナンゴ火山周辺のアカテナンゴ(Acatenango)、太平洋岸に近いサンマルコス(San Marcos)、東部のニューオリエンテ(New Oriente)が8区分を構成します。国土全体では海抜0mから3,000mを超える標高まで栽培が行われていますが、SHB規格の主産地は標高1,350mを超える南向きの火山斜面です。
生産の仕組み: Anacaféと小規模〜中規模農園
グアテマラのコーヒーは、フィンカ(Finca)と呼ばれる個別の農園を単位に生産・精製されるのが基本です。農園規模は数ヘクタールの小規模から数百ヘクタールの規模まで幅があり、商品名に付く「エル・インヘルト」「ラス・ヌベス」のような固有名詞の多くは、農園そのものの名前です。業界団体のAnacaféは1960年に設立され、1928年に中央政府が設けたOficina Central del Caféの後継にあたります。Anacaféは輸出コーヒーへのサービス料を収入源とし、品質研究所Analabの運営や、国際コーヒー機関(ICO)でのグアテマラ代表としての役割も担っています。
規格: SHBという等級
グアテマラの等級表記は、欠点数やカップ品質ではなく栽培標高を基準にした体系で、その中心にあるのがStrictly Hard Bean(SHB)です。SHBは標高1,350mを超える高地産という点が複数の資料で確認できます。2024/25年の収穫では輸出量の81%がSHBに分類されており、日本国内の商品名でもSHB表記がほぼ唯一の等級表記として定着しています(HBやEPWといった下位等級はほとんど見られません)。
精製
アラビカのほぼ全量が水洗式(ウォッシュ)で精製され、栽培の98%がシェードグロウン(日陰栽培)です。近年はナチュラルやハニーといった精製方法を採る農園も増えていますが、輸出全体で見ればウォッシュが基本であることに変わりはありません。
品種
主要な品種はブルボン、カトゥーラ、カトゥアイ、ティピカ、マラゴジッペ、パチェ、パカマラです。コーヒーさび病は2024/25年の1〜3月に発生率が20%程度まで上がったと報告されており、これを受けてさび病耐性品種への更新が進み、現在はアラビカ農園の約3割が耐性品種に切り替わっています。日本の商品名にも、パカマラやゲイシャを冠したロットが見られます。
典型として語られる香味
グアテマラ産の香味として一般に語られるのは、火山性土壌に由来するしっかりしたボディと、チョコレートやスパイスを思わせる風味、産地区分によって現れる柑橘系の酸です。これらは産地の傾向として広く共有されている表現であり、個々のロットの評価ではありません。実際の味は農園・標高・精製・焙煎度で変わります。
歴史
グアテマラでのコーヒー生産は1850〜60年代に発展し、1860年時点では輸出額の1%に過ぎませんでしたが、1871年の自由主義革命(フスト・ルフィーノ・バリオス政権)以降に急拡大しました。1877年の布告では土地契約の廃止と債務労働の合法化が行われ、労働力と土地の両面でコーヒー生産が後押しされました。1880年には輸出額の92%をコーヒーが占めるまでになり、1887年の生産量は2,200万kgを超えています。20世紀に入ると1928年に中央政府がOficina Central del Caféを設置し、1960年にAnacaféへと改組されました。1952年の農地改革法、1996年の内戦終結、2010年代のさび病流行など、政治と農業政策の変化を経て、2011年には生産量でホンジュラスに抜かれ、中米で最も生産量の多い国という位置づけを譲りました。
買い方の手引き
商品名の読み方
日本の店では「グアテマラ」の後に、SHBなどの等級 → 産地区分(アンティグア、ウエウエテナンゴ、コバン、アティトランなど)→ 農園名 → 品種 → 精製 の順で書かれることが多くなっています。「グアテマラ SHB アンティグア」のように国名の直後に等級を置く型と、「グアテマラ コバン ○○農園 ウォッシュ SHB」のように産地区分と農園名を等級より先に置く型があります。農園名の前に「フィンカ(Finca)」「エル(El)」が付くことがあり、これは農園を示す語です。個人名が書かれている場合は生産者本人の名前で、そのロットの出所を示しています。
等級と精製の見方
「SHB」はStrictly Hard Beanの略で、標高1,350mを超える高地産のコーヒーに与えられる等級です。日本で流通するグアテマラ産の多くがこのSHB表記で、HBやEPWといった下位の等級表記はほとんど見られません。精製はウォッシュ(水洗式)が主流で、ナチュラルやハニーは近年増えている精製方法です。
旬と入荷の時期
収穫は11月から4月にかけて行われ、精製・乾燥・輸出の手続きを経て日本に届きます。商品名に「ニュークロップ」やクロップ年(例: 2024/2025)が書かれていれば、その収穫を指す目安になります。
内容量と価格の目安
観測所の相場は下の「観測」の節に自動で出ます。生豆はSHBと産地区分の組み合わせで店をまたいで比較でき、生豆価格ボードの産地×規格の行がその比較です。
観測
コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。
規格別の相場(生豆・商社規格が読める銘柄だけ)
観測した商品
ほか250銘柄。
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