ORIGIN — COUNTRY / COFFEE

コロンビア

COLOMBIA

南米アンデス山脈にまたがる山地でアラビカ種のみを栽培する産地で、県名(ウイラ・ナリーニョ等)と輸出等級(スプレモ・エクセルソ)が商品名に並ぶ。全国コーヒー生産者連合会(FNC)による価格安定制度が生産を支える。

事実

事実出典階層
主要な栽培県は18県に及び、Antioquia・Boyacá・Caldas・Cauca・Cesar・Caquetá・Casanare・Cundinamarca・Guajira・Huila・Magdalena・Meta・Nariño・Quindío・Risaralda・Santander・Tolima・Valleが挙げられるcafeimports.comL3
ウイラ県は県別の生産シェアで15年連続の首位とされる(年次は記事の対象年、未確認)yoamoelcafedecolombia.comL4
近年はウイラ・カウカ・ナリーニョの南西3県が合わせて全国生産の約33%を占め「新しいコーヒー三角」と呼ばれる(旧来の三角の生産量の2倍超とされるが年次不明、未確認)spilling-the-beans.netL4
旧来の「コーヒー三角(Eje Cafetero)」はカルダス・キンディオ・リサラルダの3県で計13,873km²(国土の約1.2%)、2005年の国勢調査時点の人口は約229万人en.wikipedia.orgL3
2011年、コロンビアの「コーヒー文化的景観」がUNESCO世界遺産に登録された(登録範囲141,120ha、緩衝地帯207,000ha)en.wikipedia.orgL3
収穫期は地域で入れ替わる年2回制で、ウイラは主収穫が11月〜1月・副収穫が5月〜7月、カウカとナリーニョは主収穫が5月〜7月・副収穫が11月〜1月とされるcafeimports.comL3
農園の規模は1〜5haが典型とされ、コーヒーに携わる世帯はCafe Importsの推計で60万戸、USDAは「50万世帯超」と記すcafeimports.comL3
USDA関連の報告では技術化された栽培面積(樹齢3〜9年)が678,000ha、老木(9年超)が155,000ha、植栽密度は1haあたり5,340本、単収は1haあたり14袋超とされるdailycoffeenews.comL3
USDAの2025年12月の半期報告ではMY2025/26の生産見込みは13.8百万袋(60kg換算、前年改定値比+10%)、MY2024/25は14.8百万袋とされるfas.usda.govL1
総生産量ではブラジル・ベトナムに次ぐ世界3位、アラビカ種に限れば世界で最も多いとされるen.wikipedia.orgL3
同じ半期報告によるとMY2025/26の輸出量は12.5百万袋(うち生豆11.5百万袋)で、生産量の93%が輸出に回るとされるfas.usda.govL1
輸出先は米国が4割超(MY2024/25に530万袋)で最も多く、次いでEU、カナダ、日本と続くとされるfas.usda.govL1
同報告ではMY2025/26の生豆輸入は主にブラジル・ペルー・エクアドルから約100万袋、国内消費は220万袋と見積もられているfas.usda.govL1
全国コーヒー生産者連合会(FNC)は1927年設立で、組合員数はWikipediaで51.3万〜54万、USDAは「55万超」と記すen.wikipedia.orgL3
FNCは同じ1927年の法律76号と1928年10月15日の政府契約により国家コーヒー基金(FoNC)を創設し、価格安定基金と投資基金を運用するとされるen.wikipedia.orgL3
FNCはFoNCの資金で「買取保証(garantía de compra)」を運用し、生産者が農園近くで現金・市場価格で売却できる仕組みとしていると公式サイトは説明するcaldas.federaciondecafeteros.orgL1
USDAの2025年5月の報告ではさび病耐性品種が栽培面積の87%を占め、2010年の35%から拡大したと記されるdailycoffeenews.comL3
輸出等級としてスプレモ・エクセルソの名が使われる(スクリーンサイズの定義は今回の調査では確認できていない)en.wikipedia.orgL3
コロンビアのコーヒーは2007年にEUの保護原産地呼称(PDO)を取得したen.wikipedia.orgL3
FNCの国内取引価格は125kgの乾燥パーチメント(カルガ)単位で示され、USDAの統計は60kg袋(生豆換算)を単位とするfederaciondecafeteros.orgL1
一般的な栽培品種としてブルボン・カスティージョ・カティモール・カツーラ・コロンビア・ティピカが挙げられるcafeimports.comL3
カスティージョはカツーラとティモール・ハイブリッドの交配系統で、さび病耐性を目的にFNCが普及させたとされる(公開年2005年は業界解説のみで未確認)L4
ブルボン種は1700年代初頭にフランス人宣教師がイエメンからブルボン島(レユニオン)へ導入した系統で、カツーラ・カトゥアイ・ムンドノーボの親にあたるvarieties.worldcoffeeresearch.orgL2
コロンビアには1790年までにコーヒーが伝わり、1808年に60kg袋100袋の商業生産が記録されているen.wikipedia.orgL3
生産量は1880年の107,000袋から1920年に240万袋へ拡大し、1930年には世界2位の輸出国になったとされるen.wikipedia.orgL3
「フアン・バルデス」はFNCの広告キャラクターで、Wikipediaの記述では1960年のニューヨーク・タイムズ紙に初出、別項では1981年に商標登録・1983年にテレビ広告初出とされる(記事間で年が食い違う)en.wikipedia.orgL3
全日本コーヒー協会によると2025年の日本の生豆輸入総量は359,382tで、上位3か国(ブラジル・ベトナム・コロンビア)で全体の約4分の3を占めるcoffee.ajca.or.jpL2
コロンビアからの日本の生豆輸入量は2024年時点で概算約47,000t・シェア約13%で3位とする資料があるが、財務省貿易統計を引用したブログ記事の概数で未確認vietnam-gift.comL4

百科

位置づけ

コロンビアはブラジル・ベトナムに次ぐ世界第3位の生産国で、栽培されるのはほぼアラビカ種のみという点で際立っています。アラビカ種に限れば世界で最も多く生産する国とされます。国土を南北に貫くアンデス山脈の支脈にまたがる山岳地帯で、コーヒーは18の県にわたって栽培されており、地域によって収穫期が入れ替わる年2回制のため、国全体としては年間を通じて収穫が途切れにくい産地です。

産地

日本の店の商品名によく出てくるのは次の県・地域です。

  • ウイラ(Huila): 南西部の県で、県別の生産シェアで首位が続くとされます。
  • ナリーニョ(Nariño): コロンビア最南端、エクアドル国境に近い県。単一銘柄としてよく登場します。
  • カウカ(Cauca): ナリーニョの北に隣接する県です。
  • トリマ(Tolima): 中部の県で、生産量の上位に挙がります。
  • アンティオキア(Antioquia): 中西部の県です。
  • サンタンデール(Santander): 北東部の県です。
  • キンディオ(Quindío)カルダス(Caldas)リサラルダ(Risaralda): 3県まとめて「コーヒー文化的景観」として2011年にUNESCO世界遺産に登録された、旧来の「コーヒー三角(Eje Cafetero)」です。
  • シエラネバダ(Sierra Nevada de Santa Marta): 北部カリブ海側の孤立した山塊です。

近年はウイラ・カウカ・ナリーニョの南西3県が合わせて全国生産の約33%を占め、「新しいコーヒー三角」と呼ばれるようになっています。

生産の仕組み: 小規模農家とFNC

コロンビアのコーヒーは、1〜5ha程度の農園を営む数十万の小規模農家が支えています。これらの農家を束ねるのが1927年設立の全国コーヒー生産者連合会(FNC)で、組合員数は50万を超えるとされます。FNCは同じ1927年の法律に基づき国家コーヒー基金(FoNC)を運営し、生産者が農園近くで現金・市場価格で売却できる「買取保証(garantía de compra)」の仕組みを整えています。国内の取引価格は125kgの乾燥パーチメント(カルガ)を単位に示され、USDAの統計では60kg袋(生豆換算)が単位になるため、コロンビアの生産・輸出の数字は資料によって単位が異なる点に注意が必要です。

さび病(roya)はコロンビアのコーヒー産業にとって長年の課題で、FNCは耐性品種の普及を進めてきました。近年の報告では栽培面積の9割近くが耐性品種に置き換わっているとされます。

規格: スプレモとエクセルソ

輸出等級としてよく使われるのが「スプレモ(Supremo)」と「エクセルソ(Excelso)」で、日本の生豆卸や焙煎店の商品名にもそのまま使われます。一般にスプレモの方が粒が大きい等級とされますが、具体的なスクリーンサイズの定義は本ページの調査では確認できていません。「EP」「UGQ」の表記も一部の生豆商品名に見られます。コロンビアのコーヒーは2007年にEUの保護原産地呼称(PDO)を取得しており、「Colombia」を単独の産地名として保護する枠組みも存在します。

精製

伝統的にはウォッシュト(水洗式)が主流ですが、近年はスペシャルティ向けにナチュラルやハニー、アナエロビック(嫌気性発酵)、インフューズド(果汁や酵母を加えた発酵)といった精製の派生形が広がっており、日本の商品名にも「インフューズド」「ファーメンテーション」「イノキュレイテッド」といった語が目立ちます。

品種

一般的な栽培品種はブルボン・カスティージョ・カティモール・カツーラ・コロンビア・ティピカです。ブルボン種は1700年代初頭にフランス人宣教師がイエメンからブルボン島(レユニオン)へ持ち込んだ系統で、カツーラ・カトゥアイ・ムンドノーボの親にあたります。カスティージョはカツーラとティモール・ハイブリッドの交配系統で、さび病耐性を目的にFNCが普及させました。日本の商品名にはこのほかピンクブルボン、タビ、シドラ、パパヨ、チロソ、オンブリゴンといった品種名も見られます。

典型として語られる香味

コロンビアのコーヒーは、明るい酸と甘みのバランスが取れた香味として語られることが多く、ウイラは果実味の強さ、ナリーニョは高い酸とフローラルさで語られる傾向があります。これらは産地の傾向として一般に共有されている表現であり、個々のロットの評価ではありません。

歴史

コーヒーは18世紀末までにコロンビアへ伝わり、1808年に商業生産の記録が残っています。19世紀末から20世紀にかけて生産量は急拡大し、1880年の10万袋台から1920年には240万袋に達し、1930年には世界第2位の輸出国になったとされます。1927年のFNC設立以降は、価格安定制度と協同組合の枠組みが産業を支えてきました。広告キャラクター「フアン・バルデス」はFNCが生んだ象徴的な存在で、1960年代からアメリカのメディアに登場したとされています。

買い方の手引き

商品名の読み方

日本の生豆卸や焙煎店では、「コロンビア」の後に県名(ウイラ・ナリーニョ・トリマ・カウカなど)→農園名(Finca)→品種→精製の順で書かれることが多く見られます。「コロンビア ナリーニョ エル・シティオ農園 ウォッシュ エクセルソ」のような並びが典型です。楽天市場などでは県名を省き「コロンビア スプレモ」のように等級語だけを添える表記も多く見られます。人名(生産者や輸出業者の名前)が単独で書かれている場合もあり、そのロットの出所を示しています。

等級と精製の見方

「スプレモ」「エクセルソ」は輸出等級名で、一般にスプレモの方が粒の大きい等級とされますが、店によって使い分けの厳密さは異なります。精製はウォッシュトが標準ですが、近年はナチュラルやハニー、アナエロビック、インフューズドといった発酵系の精製が増え、こうした語が付くロットは価格が高めになる傾向があります。

旬と入荷の時期

コロンビアは地域によって収穫期が逆転する年2回制のため、国全体では年間を通じて新しい収穫が途切れにくい産地です。個々の商品の旬は産地の地域名から判断する必要があり、入荷時期は生豆価格ボードの新着履歴で確認できます。

内容量と価格の目安

観測所の相場は下の「観測」の節に自動で出ます。コロンビアはデカフェの生豆原料としても使われるため、「カフェインレス」「デカフェ」と書かれた商品も比較的多く見られます。生豆は「スプレモ」「エクセルソ」の等級で店をまたいで比較でき、生豆価格ボードの産地×規格の行がその比較です。

観測

コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。

規格別の相場(生豆・商社規格が読める銘柄だけ)

規格銘柄100g 中央値
コロンビア スプレモ9019¥393ボードで見る →
コロンビア エクセルソ176¥296ボードで見る →
コロンビア 1921ボードで見る →
コロンビア EP11ボードで見る →
コロンビア PB11ボードで見る →

観測した商品

485銘柄 / 64店 / 在庫あり 218 / 100g中央値 ¥1,614

松屋珈琲コロンビア エクセルソ¥189 /100g在庫あり2026-09-09
生豆本舗コロンビア エクセルソ UGQ¥304 /100g在庫あり2026-09-09
PASSAGE COFFEEコロンビア RAUL DURAN¥1,169 /100g在庫あり2026-09-09
ONIBUS COFFEEコロンビア ルイス・フェリペ¥1,188 /100g在庫あり2026-09-09
Roast Design Coffeeコロンビア ディカフェ ウィラ¥1,290 /100g在庫あり2026-09-09
Gluck Coffee Spotコロンビア COLOMBIA Finca Los Altares¥1,300 /100g在庫あり2026-09-09

ほか455銘柄。

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